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大企業が嫌がる、小さな会社の販売戦略

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From:山田光彦

今日は大きな会社がいる市場で小さな会社が売上を伸ばす方法。

ベストセラー書籍「ポジショニング戦略」で有名なジャック・トラウトとアル・ライズやダン・ケネディもオススメしている販売戦略を1つご紹介します。

この方法は大きな会社の弱点というか、大きな会社がやろうと思ってもなかなかできないことを、小さな会社がその特徴を活かして、売上を安定して伸ばす方法です。

では、早速この販売戦略をお話していきたいのですが、、、その前に、いくつか事例を紹介させて下さい。

スペシャリスト vs ゼネラリスト

あなたもきっとご存知だと思うのですが、2002年に販売して大ヒットした缶コーヒー、ワンダモーニングショット。この商品は、飲む時間帯をあえて朝だけに絞った缶コーヒーというコンセプトを打ち出すことで、売上を大きく上げました。

そして、卵かけご飯専用しょうゆ。これも、しょうゆの使い方をあえて卵かけご飯専用のものに絞り込むことで、ヒット商品になりました。他にも、同じような事例で、会社に通勤する人に絞り込んだ靴下を販売することで売上を伸ばした「通勤快足」などなど、こういった事例はたくさんあります。

これらのヒット商品に共通するもの。それはあえて絞り込みをかけているということです。

これについて、ジャック・トラウトとアル・ライズは、、、

「人の心はスペシャリストの方がゼネラリストよりも優れていると考える」

と著書で語っています。つまり、一般的な商品(ゼネラリスト)よりも、なにか専門に特化した商品(スペシャリスト)の方が、優れている。そんな風に人は自動的に考えてしまうということです(たとえ、一般的な商品の方が優れていたとしても・・・)。

ワンダモーニングショットを買うときに、缶に書いてある成分を見て「あー、だから朝専用なのか!それだったら買おう」となるのではなく、朝にコンビニへ行ったときに「朝専用ってのあるわ。今、朝だし、これがよさそうだな」的な感じで買うってことです。

これについて、ダン・ケネディも「Rich in Nich」(リッチはニッチにあり)と言って、ニッチ(あえて絞り込むこと)の効果が高いと言っています。

なぜ、ある専門分野に特化したスペシャリストになることが、大企業の弱点を突くことになるのか?

理由は簡単。

ある分野の何かに専門・特化すると、対象になるお客さんが減るからです。

さっき書いたワンダモーニングショットなどは、なにかに専門化させたとはいえ、まだまだ対象になるお客さんはたくさんいます。(朝、昼、夜にコーヒーを飲むと考えても、市場の1/3はターゲットになりますからね。まあ、朝、昼、夜という分け方はまったく的外れだとは思いますがw)

ですが、さらに専門化・ニッチ化していけば、対象になるお客さんはどんどん減っていきます。そして、あるレベルに達すると、大きな会社は、そのニッチに参入することが難しくなるのです。

なぜかというと、そのニッチでNo.1になったとしても、そこから上がってくる売上が小さくなってしまいます。その結果、従業員を大量に抱えている大企業は利益を出すことができなくなるからです。

あるニッチから年間2000万円の利益が出るとして、社長と数人の社員しかいない会社なら、十分やっていくことができます。ですが、、、社員を何百人も抱えている大きな会社はそんな利益ではやっていくことができません。完全に赤字になるでしょう。

大きな会社が複数のニッチに参入することで利益を出すということもできなくもないですが、大きな利益を出すことのできないニッチに優秀な人材を大量に配置するのは難しいでしょうし、そんな戦略をとっているところはあんまり見ないですしね。

しかも、ひと昔前はお客さんを集めるための広告媒体が新聞や雑誌等、結構広告費が高くてある程度広い層にアプローチできるものしかありませんでした。でも、今は違います。インターネットを使えば、かなり細かいキーワードを設定したPPC広告やかなり範囲を限定した人たちにFacebook広告を出すことができるようになりました。

メルマガ・ブログやFacebookで役に立つ記事を投稿することで、自社のメディアを持つこともできるようにもなりました。その結果、ひと昔前ならアプローチできなかったような人たちに低予算でお客さんになってもらうことができるようにもなりました。

そして、あなたが何かに専門・特化することで、大きな会社よりもあなたが専門家であり、その分野についてはあなたの方が優れていると、お客さんに感じてもらうことできます。

スペシャリスト、ニッチにするときの注意点

スペシャリスト、ニッチにすることの目的は、競合(つまり、ゼネラリスト)に勝つことです。なので、あなたの商圏に競合がいて、その競合とあなたのことをお客さんが比較して、どっちにしようか、迷っているときに効果的な方法です。

なので、そもそもあなたが対象としているお客さんにとって、あなたしか選択しがないとき(たとえば、あなたと同じビジネスをやっている人が、あなたの商圏には他にいないとか)。そんなときには、スペシャリストになったりニッチに絞る必要はありません。お客さんにとって、あなたしか選択肢がないわけですからね。

缶コーヒーを売っているところが、あなたしかいないときに、最初から朝専用の缶コーヒーを売り出しても意味ない、というか売上が減りますよね。それと同じです。

まとめ

なので、あなたがこの販売戦略で売上を上げようと思うなら、、、

・まずは、そもそもスペシャリストになったり、ニッチ化する必要があるか(強い競合がいるか)

そして、強い競合がいるなら、、、

・どんな分野に絞り込んでスペシャリストになるか、ニッチ化するか

一度、考えてみて、いいアイデアが出ればすぐに実践して下さい。
そのアイデアが正しいかどうかは、やってみればすぐにわかりますし、ダメなら、別のアイデアを試せばいいだけですから。

山田光彦

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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