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[事例]現代広告の父・オグルヴィに学ぶ、広告の書き方

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From:山田光彦

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「100キロで走る新型ロールスロイスの車内で、一番の騒音は電子時計の音でした」

これは、現代広告の父、デイヴィッド・オグルヴィの代表作のひとつ。ロールス・ロイスを販売した広告のヘッドラインです。

オグルヴィは、おそらく、世界でもっとも有名な広告人のひとりで、日本でも著書が何冊か翻訳されています。最近、オグルヴィの本を読みなおしたので、今日はいつもとパターンを変えて、この事例の解説をしようと思います。

この広告が出たのは、今から55年前の1960年。

今でこそ、100キロで走る車の中は静かになっていますが、当時はおそらく、うるさいのが当たり前。時速100キロも、当時ではかなり速いスピードで、道路もガタガタ。走っている時もガタガタと揺れたり、車のエンジン音も今と比べるとかなり大きかったのでしょう(昔の映画を見ると、車のエンジンは大きな音ですよね)。

そんな状況の中、この広告は、ロールスロイスの優雅な走りをアピール。「あまりにもクルマが売れたので、もう一度この広告を出すことができなかった」と言われるほどの大ヒットになったのです。

このヘッドラインをオグルヴィはどうやって書いたのか?

クライアントから依頼をもらった後、最初にやったのは当然、リサーチ。オグルヴィは3週間かけて、クライアントと話をしたり、、、資料を見たり、、、と、じっくりリサーチを行いました。オグルヴィは元々リサーチャー(リサーチをする)だったこともあり、リサーチを重視する広告人です。

実際、オグルヴィは、広告を作るときにリサーチが重要だということを伝えるために、、、

「リサーチに無関心な広告人は、敵の暗号を解読するのに無関心な将軍と同じぐらい危険だ」

という言葉を残しているほどです。

そして、リサーチの後、オグルヴィは100通りのヘッドラインを書き上げたと言われています。ですが、、、オグルヴィは100通りのヘッドラインを書いたにも関わらず、、、

ロールスロイスの広告に使ったヘッドラインは、オグルヴィが書いたものではありませんでした…

では、誰が書いたヘッドラインを使ったのかというと、、、リサーチの時に見つけたある記事の見出しをそのまま使ったのです。その結果、「あまりにもクルマが売れたので、もう一度この広告を出すことができなかった」と言われるほどの大ヒット広告をつくることができたのです。

広告は自分で書いてはいけない?

あるセールスライターは「コピーライティングに必要なのはコネクティブだ」と言っています。「コネクティブ」は「つなげる」という意味。つまり、リサーチした内容をつなぎあわせて、1つのセールスコピーを作るという意味です。自分で考えたり、創造したりするのではなく、調べたものを組み合わせるのが、セールスライターの仕事、というわけです。

そして、当然ですが、調べたものをつなげて、1つのセールスコピーを書き上げるには「つなげる」ための元になる素材。これをリサーチで大量に集める必要があります。

もちろん、自分でビジネスをやっていると、オグルヴィのように広告を書くためのリサーチに3週間も時間を確保するのは難しいでしょう。

ですが、今は昔と違って、簡単なリサーチや調べ物なら、インターネットを使って、短時間で調査することができます。それに、自分でビジネスをやっているなら、商品は目の前にあります。お客さんに会うこともよくあるでしょう(商品とお客さんはリサーチの重要項目)。なので、多くの場合、3週間も時間をかける必要はないでしょう。

しかも、リサーチをサボって、広告を書き始めてしまうと、途中で手が止まってしまったり、結局、広告を完成させることができない、、、なんてことになってしまいます(僕も何度も痛い目を見てきました。。。)。

なので、広告やセールスコピーを実際に書き始める前に、このロールスロイスの広告を思い出して、1つ自分にこの質問してください。

「リサーチは本当にこれで十分?」

山田光彦

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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