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好きな商品を売れば儲かるは嘘?

2016.3.7 | ,
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From:小川忠洋

西宮のプライベートオフィスより、、

 「好きなことを仕事にすれば成功する」

 これは自己啓発の世界とかでは昔からよく言われてきたこと。でも、ザ・レスポンスの読者のみんなは「そんなんじゃ成功しないよ、マーケティングだよ、マーケティング!成功の秘訣はね」と思ってるだろう。

 コレ、あなたはどう思うか?

 なんだい?今日は自己啓発の話しかい?そんな話はもうたくさんなんだよ、、、と思ったあなた、いや、これ重要だから、ちょっと時間取っても聞いておいてほしい。今スグには役立たなくても、いつかきっと役立つ時がある。

 実際、ぼくはいくつかのパターンを経験しているから。

  1. 好きな商品を売って儲からなかったケース
  2. 嫌いな商品を売って儲かったケース
  3. そして、好きな商品を売って儲かったケース

 まぁ、嫌いな商品を売って儲からなかったってケースは一般的に言って稀だよね。だって、スグ止めるでしょ。そんなこと。元々、嫌いなんだから。悩ましいのは好きな商品を売って儲からなかったケースと、嫌いな商品を売って儲かったケースだね。ちなみにこの言葉、商品を「仕事」と置き換えてもいい。

 まず、好きな商品を売って儲からなかった時、この時は、儲からないからお金に困ってるんだけど、生活できるかできないか?のレベルじゃなければ、ぶっちゃけ結構楽しい。もちろん、事業だから儲からないと続けることはできないんだけど。起業したばかりの時期にこの状態だと、生活費がままならないので、厳しいけど、何かで成功した社長が次に自分のやりたいことをやってて、その事業が儲からない、、、なんてケースは世の中にごまんとあるよね。

カネが儲かっても、苦痛

 一方、金が儲かればいいといって、嫌いな商品を売って儲かってる状態はどうだったか?これ、まぁ仕方ないんじゃない程度のものかと思うかもしれないけど、個人的に、ぼくにとっては地獄だったね。朝、起きたら、またあの「嫌な仕事」をしなきゃいけないのかぁ〜とか考えると、朝起きるのが、おっくうだった。

 酒のんだり、女遊びしたり、何らかの激しい趣味がある社長は、きっとオフに仕事から逃避することができるから、その金を稼ぐって意味で、この状態も耐えられるかもしれない。でも、ぼくの場合は、酒は飲めない、女遊びはできない、趣味は仕事。だから、そこから逃げることができなくて、その苦痛に直面した。それで年収何千万円かあったとしても、毎日起きると嫌で、人生が苦行のようだった。

 最後に、現状がそうなんだけど、好きな商品、好きな仕事で儲かった状態。これはやっぱり最高だね。んで、実際、自分でやってきた経験から思うだけど、仕事を好きな状態と、お金が儲かった状態、どっちが良いか選べって言われたら、「好き」を選ぶね。ぶっちゃけ、仕事を始めたばかりで毎日、牛丼で暮らしていた頃は、金はなかったけど充実してたしね。

長期的には、どうか?

 で、ぼくが経験から思ったことは、短期的には、嫌いな仕事・商品でもお金を儲けることはできる。でも、長期的にはそれこそ10年単位とかでは、嫌いな仕事、嫌いな商品でお金を儲け続けるってことは、とても厳しい。

 実はこれ、根拠がある。最近は、パフォーマンスの高い人たちが「なぜ、他の人よりもハイ・パフォーマンスなのか?」という事の研究が進んでいる。もちろん、お金を儲けるには、人よりパフォーマンスが高く、仕事をしなきゃいけないよね?

 んで、ハイ・パフォーマーに共通するものは何だったかというと、、、ここが大切なところだけど、

結論:特別な才能ではない

 彼らが他の人達よりも、特別な才能に恵まれていたという事は検証できなかった。(ホッ)つまりは、生まれつきの才能とか関係ないと。じゃあ、何が彼らをハイ・パフォーマンスにしたか?というと、答えはなんと、、

実践時間だった

 つまりは、その仕事に対して費やした「実践時間」の違いが、彼らの偉大な成果の違いとなっていた。時間と言っても、数時間の話じゃない。10年、20年の話だ。実際、すばらしい業績をあげた人の仕事を調べた結果、そのキャリアの中で、最初の10年位は、ほとんど大した仕事をしていないという事が分かった。これを、専門家は

沈黙の10年

 と言った。つまり、その仕事を始めてから最初の10年位は大した仕事ができないと。でも、世の中には、最初っから天才的な業績あげる人間とかいるじゃないか?例えば、、、モーツァルトとか、、、彼は26歳で第九を仕上げていて、最高傑作だと言われているが、、、こういう才能に恵まれた人間もいるんじゃないか?

 モーツァルトが凄かったのは、実は彼自身ではなく、彼のお父さんだった。彼のお父さんも音楽家で、モーツァルトが生まれた時から「音楽家に育てよう」と徹底的に教育した。そして、父親の教育方法がなかなか秀逸だった。そのため、モーツァルトが26歳で第九を仕上げた時、、、彼はすでに18年間の厳しいトレーニングを受けた後だった。

 つまり、その道18年のベテランだったってことだ。音楽家だけじゃなく、ぼくらのようなビジネスマンも同じ。よく言われることで、ビル・ゲイツやジョブズは中二くらいの時からコンピュータをいじっている。彼らが大学をドロップアウトしてビジネスを始めた時、その分野ではもう10年近い経験があった。

ウォーレン・バフェットだって時間がかかった

 投資の神様と言われるウォーレン・バフェットもそう。彼が投資を始めたのは11歳。それから始めて資産1億円になるまで20年ちかくかかっている。ちなみに彼の現在の資産は9兆円(!)だから、現在の資産の9万分の1だ。ネットを見渡せば、数年で1億円くらいの資産を作った投資家なんてたくさん見つかるだろう。まぁ、彼の時代の1億円と現在の1億円の価値は違うけども。でも、その差分を考えても、バフェットが1億円の資産を作るまでの時間は、決して早いとは言えないんじゃないか?

 つまり研究の結果分かったことは、一流になるためには「実践時間」をどれだけ投入するか?がポイントだと言うことだ。

卓越した成果を上げるために必要な事

 そして、考えてみてほしい。嫌いな仕事・商品に、どれだけの時間を費やすことができるか?10年20年、難しいだろう。それだけじゃない、普段でも、嫌いなことなんて考えたくないから仕事以外の事を考えるだろう。一方で、好きな仕事・商品であれば、常々、ほぼ24時間そのことばかりを考えているだろう。そして、それを10年20年30年40年と続けることができる。(ぼくはライティングが好きだが、これをあと10年続けることなんて朝飯前だし、むしろ続けたい)

 つまり、一流になりたい。卓越した成果を上げたい。と思ったら、自分の仕事や自分の商品を好きである、いや、愛することは、必須なわけだ。んじゃあ、好きであればいいのか?もちろん、ビジネスにおいてはそんなことはない。

 ビジネスにおいては、顧客から評価されることが最重要。なので、顧客の事を知り、顧客に商品を販売する行為として、マーケティングが必須になる。

 つまりは、この2つの円の重なる部分を見つけることが大切だってこと。ザ・レスポンス読者のみんなは、ぼくを含め、マーケティングの方に偏りがち。一方で、ダイレクト・マーケティングというとっても楽しい世界を知らない社長は、「商品さえ良ければ、分かってもらえる…」との信念から、商品やサービスの方に偏りがち。まぁ、こっちが大多数だろうけどね。

 しかし、どちらか一方に偏ってしまうと、「儲け」と「充実感」が重ならない。つまりは、冒頭で話したぼくの経験のように、カネが儲かってもストレスで現実逃避、、、か、頑張ることは楽しいがいくらやってもカネが儲からない。というようになってしまう。その二つが一致するポイントが見つかると、楽しい仕事をやってカネが儲かる。そして、より多くの顧客に価値を提供して貢献できる。という理想状態になれる。

「好きなことを仕事にすれば成功する」

 自己啓発でよく言われるこの格言は、半分正しい。もう半分は、「それが顧客に評価されれば」なので、

「好きなことを仕事にして、それが顧客に評価されれば、成功する」

ーおがわ

PS:

結論:現在、好きな商品・仕事を持っているならマーケティングを必死で学ぶ必要がある。マーケティングの技術が一流になったら、本当に好きな商品を探す必要がある。

PPS:

ちなみに、この仕事、大好きだけど楽じゃないよ(笑)

PPPS:

家族がインフルエンザにかかった。最初、A型にかかり一週間ほどダウン、次にB型にかかりまた一週間ほどダウン。ぼく以外はみんな死んでた。流行ってるみたいなので、気をつけてね。マジで。

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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