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トランプ氏に学ぶマーケ戦略

2016.11.15 | ,
  •  

From:山田光彦

トランプ大統領が誕生。
このニュースは株価や為替はもちろん、暴動が起きるなど世界に大きな衝撃を与えています。

トランプ氏は不動産王と呼ばれていて、ダン・ケネディとも一緒に講演をしたりしていた人。なので、気になって見ていたのですが、本当に大統領になってしまったのには、驚きました。

下馬評をくつがえして、大統領になったので、その選挙戦略も色々とニュースになっているようです。昌子さんも3日前にトランプ氏の選挙戦略は調べて見る価値がある、という記事を書いていたので、僕も少し調べてみることにしました。

色々と学びはあったので、その中から、いくつかシェアしたいと思います。
(僕は政治の専門家ではないので、マーケティングの視点からの学びをシェアしますね)

調べてみた背景情報、、、

日本版のNewsweek(日本版)の記事によると、トランプ氏が勝利した要因となったのは、白人対マイノリティ・移民という対立の構図の原因が大きいようなのです。記事を引用させてもらうと、、、

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アメリカの国民は依然として白人が最も多いが、近年はマイノリティが急増している。1992年には有権者の84%が白人だったが、現在は70%でしかない。彼らは、それを肌で感じているはずだ。

白人の支持が多いのは共和党で、92年には党員の93%が白人、16年現在も86%を維持している。一方の民主党は、92年は白人支持者が76%だったが、現在は57%に減少し、半数近くがマイノリティになっている(ピューリサーチセンターの調査より)。
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そして、、、

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アメリカでマジョリティ(多数派)としての地位を失いつつある白人有権者は恐れ、反発を覚えたのかもしれない。

トランプの「Make America Great Again(アメリカを再び偉大にしよう)」という選挙スローガンと「アメリカを優先する」というメッセージの本質は、「アメリカを、マイノリティや移民が乗っ取る前の、居心地がよい白人の国に戻そう」ということだ。トランプに投票した裕福な白人有権者の言葉からは、そういったセンティメント(心情)を感じる。
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とのこと。

他の記事も読んでいると、昨年12月のCNN/ORC世論調査で、アメリカ人の69%が国内情勢について「とても怒っている」か「やや怒っている」というデータもあって、今の政治への不満が高まっていたようなのです。

正直、アメリカで起こったことなので、この情報が正しいかどうか、自分の目で確かめたわけではありません。それに僕は、政治の専門家でもありません。ですが、この情報からだけでも、マーケティングの視点から見て、トランプ氏が国民の心を掴んだ理由がいくつか見えてきます。たとえば、、、

ヒラリー氏にはできない
トランプ氏の選挙戦略

(推測や主観がかなり入るので、その点はご容赦を)

これらの情報から、有権者の多数は現状に大きな不満を持っていたということがわかります。つまり、現状を維持したり、そのまま続けていくのではなく変化を求めていた人が多かったんでしょう。たしか、オバマさんが当選したときも「Change(チェンジ)」ということを何度も言っていたので、その当時から変化を望む人が多かったのではないでしょうか。

そう考えると、何年もの間、政治に変化を期待しては裏切られ、、、という政治不信みたいなものもあったのかもしれません。そうだとすると、この状態は、マーケティングの視点でいえば、誇大広告ばかりになってしまって、お客さんが広告を信じなくなっている、というのに近い状態になっていたんじゃないかと思うんです。何を言っても「どうせウソだろ」というような感じですね。なので、今までと同じような事を言っていたのでは、なかなか反応が取れない、という状態です。

そんな状況の中、登場した2名の大統領候補。ヒラリー氏とトランプ氏。2人は対象的でした。ヒラリー氏は元大統領を夫に持つ、政治家として素晴らしいキャリアを持っている人。それに対して、トランプ氏は政治経験はまったくなし。まったく常識に縛られない言動で人々の注目を集める人。

この2人のどちらが今までの方向性に変化をもたらしてくれそうかというと、、、おそらく、トランプ氏が有利。

しかも、ヒラリー氏はトランプ氏のように大胆な変化をアピールする戦略を取るのは、難しかったんだと思うんです。というのも、今まで政治活動を応援をしてくれる人たちがいるので、その人達を完全に無視することはできないからです。つまり、トランプ氏はヒラリー氏の痛いところをついていたわけです。マーケティングの言葉で言うと、ヒラリー氏にはマネできない、トランプ氏独自のUSPをアピールすることで、トランプ氏が支持を集めていった、というような状況なんじゃないかと思ったんです。

そして、約束していることは「Make America Great Again(アメリカを再び偉大にしよう)」。おそらく、アメリカの人たちの記憶に残っている昔の良かった頃に戻しましょう、というアピールなんじゃないか、と思います。(セールスレターで言うところのビッグ・プロミスにあたるところですね)

トランプ氏=常識破り。だけではなく…

トランプ氏のニュースを見ていると、今までの常識では考えられないようなことばかり言っている人、というところばかりがクローズアップされています。

ですが、常識破りに見えても、裏側では、アメリカの人達の不満やニーズに自分独自のUSPで応える。具体的には、政治的なしがらみのないトランプ氏が、大胆な変化を起こして、昔の偉大なアメリカに戻してみせる、、、というメッセージを、かなりきちんと戦略的にやっておられたんだなー、という印象に変わりました。それに、、、

「反感を買うことを恐れてはいけない
 胸に抱く野望が大きければ、それだけ反感を買う可能性も大きくなる」
 どの程度、有意義なことを成し遂げられるかは、
 どの程度、他人を怒らせる勇気があるかに比例する」
By ダン・ケネディ

とケネディも言っていますが、ここまでこの言葉を実行する人というのも珍しいな、と。

正直、トランプ氏が大統領になったほうがいいのか、ヒラリー氏が大統領になったほうがいいのか、僕には分かりません。個人的にどちらが好きということもありません。完全に素人です。

ですが、今回のトランプ氏の選挙について、マーケティングの視点から調べてみて、僕が一番感じたこと。それは、常識破りのような破天荒なことをやるときにでも、やっぱりいちばん重要なのはお客さんが何を望んでいるか(今回の選挙で言うところアメリカの人たちがなにを望んでいるか)なんだな、と。

やっぱり事業でも、ビジネスでも、選挙であっても、、、競合やライバルにどれだけ嫌われたとしても、お客さんがすべてだな、という王道の気づきがありました。

あなたはこの選挙を見て、どう思いましたか?
あなたも興味があれば、ぜひ一度調べてみてください。単純に面白いと思いますし、そのエッセンスをあなたのビジネス(特にマーケティング)にも活かせると思います。

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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