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“あーまずい!もう一杯!”が凄い理由

2017.5.29 | ,
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From:西埜巧祐

@心斎橋のスタバより・・・

「あーまずい!もう一杯!」
このフレーズを聞いて「懐かしい!」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?そう。これは昔の青汁のCMで言われたセリフです。

メルマガを書いていた時、急にこのフレーズを思い出しました。全く別の記事を、朝8時にスタバで書いていたんです。なぜかフッと、このフレーズを思い出しました。その時書いていた記事を止めて、この記事を書くことにしました。

このCMについて考えてみると、素晴らしいフレーズ、コピーだなと思ったのです。このCMのおかげで青汁は大ヒット。ちなみに、このCMに出ていた俳優さんも、悪役として当時は有名だったそうですが、このCMの後、またたくさんの仕事が舞い込むようになったようです。

なぜ、大ヒットしたか?その秘訣には、私たちも学べることがあると思います。このCMの裏話と一緒にお話ししようと思います。

このCMの誕生秘話

本当に昔の話、印象に残ったCMの一つです。青汁を売り出したとき、CMで流れていたのが印象的でした。普通、飲み物のCMなら「美味しい!」みたいな感じで宣伝しますよね。でも、青汁の出たて?の頃は違ったわけです。「まずい」で売っていたわけです。

面白い裏話があります。

確か、、、みたいな話になりますが、CMを作りたての頃、「これは、悪人にも良いぜ」か、「美味しい」で作ろうと思っていたとか。

俳優さんにも、飲んだ後のセリフを伝えてあります。

そして、いざ本番。撮影スタジオにて、俳優さんも青汁を手に取り、撮影のスタンバイ。監督が、「アクション!」と言って撮影が始まります。俳優さんは手に取った青汁を口に近づけ、「ゴク」っと飲み干しました。

そして、決められたセリフを言う…はずだったのですが、トラブルが起きました。何が起こったかと言うと、飲んだ青汁がマズすぎて、顔に出てしまったのです。

見ている人からすれば「これ、めっちゃマズそうやん・・・」と思ってしまうくらいの顔です。しかも、マズすぎて、台本どおりのセリフを言えません。素晴らしい演技ができる俳優さんでも、こればかりはできないようでした。そこで俳優さんは、青汁を売っている社長に、こんな提案をしたのです。

「これ、まずいんで、まずいって言っちゃダメですか?」

???
おいおい、それはないだろう。と思うかもしれませんが、本当の話です。彼は社長にマズイと言っていいか?提案をしたのです。そこにいた社長さんもイエスと言いました。その結果、できたCMが「あーマズイ。もういっぱい!」と言うCMなのです。

あとはあなたも知っている通りです。僕も記憶に残るほどの印象を持ちました。青汁は大ヒット。ちなみに、出演した俳優さんも仕事がわんさか入るようになったのです。

この当初の青汁のヒット、私たちにも学べるものがあるのではないでしょうか?

1.周りと、”逆”の話をする

当時、こういった食品のCMでは、「おいしい」と言って宣伝するのが普通でした。これは、今も変わらないと思います。そんな中で、全く真逆のことを言ったわけです。これはお客さんにとって、意外なこと。つまり注意を引きます。

しかも、マズイだけではなく、なぜかもう一杯お代わりする・・・

マズイ+もう一杯という組み合わせも、普通ではないですよね。マズイと言ったら、もう食べない。その食べ物を残します。さらに、なぜかもう一杯、お代わりするわけです。

あのCMは意外性が強いです。これは、人の注意を引き、そして記憶に残ります。今思い起こせば、あのCMはセールスライティングの重要な原則を抑えていたのです。

2.商品が持つネガティブな要素を使うこと

当時の青汁はまずいです。俳優さんも演技ができないくらい、まずいわけですからね。でも、この本来の価値を使ってセールスしたことが、素晴らしいところです。もし、このCMで、演技派の俳優を招いて「うまい」と言っても、大ヒットはしなかったでしょう。

もし仮に売れたとしても、お客さんからは「不味すぎ・・・なにこれ?」と言われるのがオチです。商品が売れる時は、なにも広告が入り口な訳ではありません。口コミもあります。もし、このCMのセリフが「うまい」だったら、口コミでは悪評が広がるはずです。

宣伝文句を盛らず、商品の本来の価値をセールスしたこと。ネガティブな要素を使ってセールスしたこと。セールスでは、ポジティブなことを言いがちです。でも、このようにネガティブなことを話すことは、実はウリにつながるのです。

ネガティブな要素が、ウリにつながった別の広告
20億円ビジネスになった広告のオープニング

このような広告は、他にもあります。いわゆる商品の利点ばかりを出すのではなく、ネガティブな要素を出した広告ですね。アメリカの広告で、部屋の温度調整をする機械の販売です。初めて見たときは、信じられないような広告でした。出だしはこう続きます・・・

「あなたは、私たちのいつものセールストークを期待してるかもしれませんが、心の準備をしてください。この機械がいかに素晴らしい商品かを説明する代わりに、情け容赦なく、こき下ろすつもりだからです。初めて機械を見たとき、「これはひどい」と口走ってしまいました。。。」

これを読んだとき、夢中になって読み進めてしまいました。このようにネガティブな要素を使うことは、実は、ウリにもつながるのです。もちろん、ネガティブな要素を言った後は、それを上回るポジティブな要素を使う必要があります。この広告では、「これだけダメだけと、実はすごい機能。シンプルで使い易い・・・」と続きます。

先に話した青汁では、「まずい」と言った後に「もう一杯」と言っています。本来は、もう一杯というのは、美味しくなければ言えない言葉です。まずいだけでは売れなかったでしょう。でも、その後に「もう一杯」というフレーズを入れたことが、売れる理由に繋がっています。

さて、あなたの広告は、、、どうでしょう?

・周りと逆のことを言えているでしょうか?
・ポジティブなことばかりを話していないでしょうか?
・ネガティブな要素を使って、広告することはできないでしょうか?

これを自問することは、自ずと良いコピーを生み出します。ぜひ、考えて見てください。

ー西埜巧祐

PS
今では、ほとんどの青汁は美味しくなっていますよね、もしかしたら、こういう時に、また「まずい」と言ったら、売れるのかもしれません。

西埜 巧祐

2012年にダイレクト出版に入社。1つの商品の販売プロジェクトで3000万円以上を売上げたり、企画したセミナーを告知後8時間で140名(満席)集客したり、年間120万円もするコンサルティングを満員にするなど、、高額商品・セミナーの販売で数々の実績を残す。また、自身が担当した高額セミナーの集客を毎回成功させ、その手順をマニュアル化。現在、それを使ってダイレクト出版の他のマーケッターも、セミナーの集客を行っている。現在は【ザ・レスポンス】のブランドマネージャーとして、プロモーションの企画、運営、商品の開発、人材教育を担当している。

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