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10倍でも売れます…

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From:小川忠洋

From:小川忠洋

大阪のスタバより、、、

『これっていくらで売るべきだと思います?』
先日、ライター養成講座の懇親会での事。こんな質問を受けた。どうも、彼は自社で新しいサービスを作ったようで、それがいくらくらいで売れるか?という事を知りたかったようだ。マジで?それ聞いちゃう?と最初は思った。けど、彼の話を聞いていくと、とても大きな間違いをしているように感じた・・・

『いくらで売ろうと思っているんですか?』

『○○○円です。』

『えっ!!?マジで???何でですか?』

彼が言った価格はめちゃめちゃ安かった。あり得んくらい安かった。そのソフトウェアを使うと広告のパフォーマンスが良くなるという。ま、もっと簡単に言うと、コンバージョンを簡単に上げることができるソフトだ。

コンバージョンに命を懸けている我々からすると、そのソフトは、ヨダレが出そうな商品である。男子校に通う高校生にとってのエロ本。コピーライターにとってのスワイプファイルである。


それを激安で売ろうとしている。なぜか?

理由は簡単だった。何故なら、そのソフトを作るのは、プログラム的に大したモノではないという事。要するに誰でも簡単に作れるプログラムであるという事だからだ。つまり、開発コストがかかっていない=安い。というロジック。

安くできたら安く売るのか?
これは、ほとんどの人が価格設定について考える最もよくある間違いである。つまり、価格は商品原価を元に決めるという方法。

  • 「制作費がこれくらいだから、50%くらい上乗せしてこれくらいの価格にしよう」
  • 「仕入れ値がこれくらいだから、利益を○○円乗せてでこれくらいの価格かな」
  • 「原価がこれくらいだから、これくらいだろう・・・」

みたいな。つまり、価格と商品原価、価格と制作コストの関連性だ。ほとんどの人は価格と商品原価との関連性を強く意識する。しかし、これは間違いだ。あなたのお客さんが払う価格に、商品原価なんて言うものは全く関係ない。考えても見れば分かるだろう。ほとんどの消費者は、商品の原価なんて知らないものだ。

飲食店の原価が3割くらいだと言っただけで「ボッタクりだ」なんて言っちゃうのが消費者という生き物である。我々のような社長、起業家的なビジネス思考で考えているわけではない。消費マインドなのである。

そんな消費マインドのお客さんにとって、商品原価なんてものは、何の判断の要素にもならない。どれだけ原価率が高かったとしても、買わないものは買わない。どれだけ原価率が低かったとしても買うものは買う。以上だ。(個人的に、以前、僕はある有名な宝石屋の原価が20%だと知ってビックリした覚えがある。へぇー、あのダイヤの指輪とかが原価2割くらいだったんだ・・・と)

あなたも気にしてない・・・
あなただって、買った車の原価知らないでしょう?今、使ってるパソコンの原価も知らないでしょ?ケータイだって、なんだって、原価なんかお客さんは気にしちゃいない・・・

・・・なのになんで価格を決める時に原価をベースに考えるのか?おかしいと思わないか。価格を決める時に大切なのは、見込み客が、顧客が、その商品がもたらすベネフィットに対して、どれだけのお金を払うかだ。そのベネフィットが、顧客にとって、どれくらいの金銭的な意味でのインパクトがあるかである。

最初、僕がそのソフトの話を聞いた時(僕は理想的なターゲットである)彼が提示した金額の10倍くらいだったら即買いだなと思った。別の人間に価格を伏せて聞いてみたら、100倍くらいの値段が出てきてた。

『え??』

彼はとっても驚いた表情で嬉しそうに笑っていた。

『そりゃ、そうですよ。だってこのソフトどんだけ制作が簡単かは知らんけど、使ったら、コンバージョン上がるんでしょ?だったら、即導入でしょ。』

『コンバージョン上がったら広告費がウチの場合は○○円くらい節約できるわけだから、インパクトはめちゃめちゃ大きいよね。』

価格設定は世の中で最も難しい。ぶっちゃけ、ほとんどの社長は自社の商品の価格を「えいやっ!」で決めていると言っても過言ではない。しかし、その設定した価格によって、全くビジネスの展開は変わってくる。

先週、北岡さんが言っていたように(参照http://www.theresponse.jp/?p=8878)価格を上げても、購入者数が上げた分だけ減るかって言うと、減らない。反対に価格を下げても、下げた分だけ購入者数が増えるかって言うと、、、増えない・・・

僕らが持っている最大の勘違いは、この価格と購入者数のバランスだろう。多くの人は、このバランスは、正反比例していると思っている。つまり、、、

>価格が50%上がったら、購入者は50%減る>価格が50%下がったら、購入者は50%増える

んで、なんとなーーーく、売上は同じくらいしか上がらない・・・と。そんな勘違いをしている。しかし現実には全くそんな法則は当てはまらない。価格を上げたら、購入者数が増える場合だってある。多分、彼の商品は、最初の価格で売るよりも10倍くらいの価格で売った方が、購入者数も増えるだろう。だって、利益が出る分、広告を出せるわけだから。

教訓:価格を決める時には、原価を見るな!顧客が得るベネフィットを考えよ。

小川忠洋 

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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