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「お客様の声」を効果的に使う方法

2016.11.5 | ,
  •  

From:マイケル・マスターソン

「誰かにあなたを自慢してもらいましょう。自分で自慢するよりも、倍の速さで広がっていくでしょう」

ーウィル・ロジャース

マーケティングの分野に1日でも関わったことがある人なら、「お客様の声」がどんなに価値があるかはもうお分かりのことと思います。

論理的な根拠、データ、公的機関の認証といった証拠を揃えるよりも、「お客様の声」はマーケッターが商品について特に強調したい部分を証明してくれるのです。

しかし、他のマーケティングツールと同じく、「お客様の声」の効果は見せ方に大きく左右されます。

通常のやり方で広告に「お客様の声」を使うと、効果はあまり期待できないでしょう。なぜなら、そのような「お客様の声」では注目を集めないばかりか、感情に訴えるメッセージがまったく伝わらないからです。

「お客様の声」を届ける方法を工夫することで、その効果はとても力強いものになるのです。

パワフルな広告を作るためには、お客様の声を"お客様の声らしく使わない"ことが大切

私が若い広告ライターたちにいつも強調して伝えていることは、パワフルな広告を作るためには、お客様の声をお客様の声らしく使わないことが大切だということです。

もし顧客があなたの商品のことを「この分野での最先端の商品」とか「画期的な最高の商品」などと言っているのを聞いたら、あなたはきっと感激することでしょう。なぜなら、それはあなた自身が好んで広告に使いそうな文句だからです。

しかし、だからこそこういう文章を広告に使うべきではありません。

最高の「お客様の声」とは、注目を引き、前向きなメッセージを伝え、信ぴょう性の高いもののことです。

「ジューシーで良い味がします」

よりも私が使いたいのは

「この魚バカうまい!」

なのです。

「バカ」という言葉が思わず私の注意を引き、言い方にはとても信ぴょう性があります。これを聞いたら食べてみたいと思いませんか。

お客様の声を効果的にする3つのポイント

ポイントはここです。以下の基準を満たす言葉を、選ぶなり、探すなり、作るなりするのです。

・注意を引きつけること
・利点を伝えること
・信ぴょう性が高いこと

しかし、これが全てではありません。

お客様の声を効果的にするには、上記の3つのポイントを使った上で上手な見せ方を演出しなくてはいけません。

例えば広告の場合、お客様の声は通常本文の中、もしくはページ右側のサイドバーの中に書くのがいいでしょう。もし1~2行のお客様の声がたくさんあるのなら、この方法で使うのが一番簡単だと思います。

信ぴょう性がありあなたの商品への強いメッセージが含まれているお客様の声が一つあったとしたら、それをどのような形で使うかを考えなくてはいけません。たとえば、誰かがその商品を使う様子を撮った写真と大きなヘッドラインを目を引くように配置し、それを補足する形でお客様の声を使うといった具合です。

お客様の声に信ぴょう性をもたせる、もっとも効果的な方法

パワフルな言葉と心をとらえる見せ方を実現するには、本物感を演出するのが一番でしょう。

富を築くためのコーチングプログラムの広告で、本物の顧客が彼らの成功を語るコマーシャルをよく見かけます。しかし、場所の設定がビーチだったりプールの前だったりとセットっぽい雰囲気があったり、彼らのコメントがなんとなくセリフじみていたりすることが多々あります。

こういった人々が自分の家の中やオフィスを案内し、友人や同僚とざっくばらんに話をしていたり、商品のおかげで彼らの人生がどう変わったかをぶっつけ本番で話を聞くなどした方が、ずっと信ぴょう性があると思いませんか。

ホーム・デポ(アメリカ最大の住宅リフォームチェーン)の新しいコマーシャルでは、家をリフォームした顧客をドキュメンタリー風に取り上げています。その中の一つに、アフリカ系アメリカ人の母親、その妹、娘、息子が登場するものがあります。

母親は妹と子供に囲まれ、リビングルームの壁を自分で塗り替えたことをとても誇らしく話すのです。彼女が自分が塗り替えたリビングルームで「子供たちが、これはママがやったのよ、これもママがやったのよ、と言ってくれるの」と話し出すと、娘が「最初は、ママが家をめちゃくちゃにしちゃうんじゃないかと心配したのよ」と遮ります。

このコマーシャルでは、ホーム・デポで母親が壁の穴を埋めるやり方のレクチャーを受けている回想シーンや、リフォーム前と後の写真が挿入されます。最後に母親が「こうして、ここがマイホームになったのよ」と言って、コマーシャルは終わります。

別のバージョンでは、若い母親が「この話を涙なしで伝えられるかしら」と話し出すところから始まります。「私がこの家を買って2週間後、父が亡くなったの。私が住んだすべての家は、父がリフォームしてきたの」と言い彼女は泣き出してしまいます。

ホーム・デポの広告代理店であるリチャードグループの広告チームのトップであるゲイリー・ギブソンはこう言います。

「我々の顧客以上に家のリフォームのストーリーを語れる人はいない、というコンセプトでこのコマーシャルの企画が始まりました。彼らは、私たちが用意したものよりも素晴らしいものを語ってくれました。」

私も全く同感です。この、短いコマーシャルの中に潜むメッセージは力強く、とても感傷的にさせられます。しかし、役者が言わされているセリフと違い、この感傷的なメッセージが成功しているのです。ドキュメント風のスタイルで顧客のストーリーを描写することで、一気にドラマチックかつ信ぴょう性の高いコマーシャルが作り上げられているのです。

結論はこうです。

お客様の声は、それが真実であればとてもうまく作用します。真実に近づけば近づくほど、広告のメッセージは力強くなっていくのです。あなたがお客様の声を使うときは、「顧客の経験を、できるだけドラマチックに、できるだけ真実に近く見せるにはどうしたらいいだろう」と考えてください。

こうすることで、あなたの広告はより効果的なものになるでしょう

マイケル・マスターソン

年商100億円以上の会社を2社、50億円以上の会社を2社、10億円以上の会社を10社以上保有、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界で屈指の実績を誇るスーパー起業家。その事業構築の手腕は多くの起業家、マーケッターから高く評価され、推薦分などを書くことがないジェイ・エブラハムが著書に序文を寄稿するほど。AWAIのファウンダーの一人であり、450,000人の会員を誇るメールマガジン「Early to Rise」のファウンダーでもある。

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