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【事例】ボートでピザを配達

2015.11.8 | ,
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From:ダン・ケネディ

From:ダン・ケネディ

革新的なビジネスの中で私が一番好きな事例は、トム・モナハンが創業したドミノピザです。

実を言うと、「サクセス・ツアー」で10年間、トムについて話していました。

トムは、非常に革新的で創造力が豊かな人であり、彼の革新的な姿勢はドミノピザのあらゆる職位のスタッフに浸透しています。ドミノピザの事例の中でも特に気に入っている事例を話しましょう。

あるフランチャイズオーナー(以下、FCオーナー)がリゾート地の湖の近くに土地を購入し、店をオープンしました。オープン後、この商圏の最初の課題が判明しました。それは、ほとんどの住民が1年のうちわずか6ヶ月しか住んでいないということでした。いわゆる避暑地であるため、夏はその地域で過ごすものの、冬は本当に誰もいなくなってしまうのです。

FCオーナーの次の課題は、これも店をオープンしてまもなく気づいたのですが、30分以内にすべてのピザを配達するのは不可能だということでした…

これがドミノピザの約束だということはみなさんご存じでしょう…このリゾート地の湖は大きく、湖のほとりに家が点在していたので、すべてのピザを車で30分以内に配達することは不可能だったのです。

30分以内に配達するためには、2地点を結ぶ最短ルートを見つける必要がありました。そこで、ボートを使ってピザを配達することにしました。すべての家は湖に面していて、それぞれ専用の小さな船着き場があったからです。

こうして彼は、ボートでピザを配達した最初のFCオーナーになりました。

次に課題となったのは、ボートは車のようにしっかり安定していないため、30分で配達できたとしてもピザが箱の中で片寄ったり、蓋にくっついたりすることでした。ドミノピザが宣伝する内容とは逆のようなことが起きていました。

この課題について、どのような対策を取ったと思いますか?

ドミノピザのエンジニアたちが、このFCオーナーのためだけに、ある装置を開発したのです。他に理由はありません。ピザを固定し、温かさを保ち、ボートがどんな状態でもピザを安定して運ぶことができる装置です。ジャイロスコープという制御装置がどこかに使われているのでしょう。

その次の課題は、夜間、道路や家には明かりがあるのですが、船着き場や湖は暗いということでした。配達スタッフは湖上で迷ってしまいます。

そこで、このFCオーナーは各船着き場に自腹で電灯を設置し、それぞれに割り当てた番号をペンキで書いておくことにしました。そうすることで、ピザを注文する客は自宅の船着き場の番号を伝えるだけで済み、配達スタッフはボートで注文者宅へたどり着くことができました。

ピザのビジネスを成功させるために、これほど多くの工夫が必要なのかと思いますか?

結果は次の通りです。このFCオーナーの6ヶ月間の売上額は、ドミノピザのFCオーナーが通常1年かけて得る売上額の3分の2以上に達しました。また、他のFCオーナー2,999人の前年の売上額と比較すると、年間ベースでは(このFCオーナーの6ヶ月間の売上額を2倍すると)、ボートで湖を渡ってピザを配達するこのFCオーナーが売上額第1位となりました。

ビジネスを成功させるために、革新的なことをする意欲と能力があることは、とても重要な素質なのです。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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