商品を売るときには「顧客の感情に訴えかける」といった、世の中にあるクロージングのテクニックやセールス方法を用いる人が多いです。
ですが、アメリカで12年間3万5000件セールスの方法を調査してみると、高額商品と低価格の商品を販売する時の方法が全く違うということがわかりました。
よく知られているようなクロージングテクニックだと、低価格商品を販売するときは使えますが、個別相談やコンサルのような高額商品を販売するときは、あまり効果を発揮しないということがわかっています。
では、高額な商品を販売する時には、どのような方法を使えばいいのでしょうか?
今日は西埜に「高額商品を売る!個別相談の成約率をあげる方法」について聞いてみました。
商品を売るときに、なにかで学んだテクニックを使うことってよくあると思います。
例えば、「クロージングの仕方」「反応処理の方法」「感情に訴求する」というようなことです。
セールスの世界でこのようなクロージングテクニックが活きるのは、単価が低くて決断しやすい商品の場合です。
しかし単価が高くて決断しづらい商品は、このようなテクニックは通用しません。
大型商品を取り扱う会社が、このようなクロージングテクニックを導入した結果、成約率が下がってしまったという実例もあります。
つまり、あまりよくわかってなくても感情的に買ってもいい価格帯の商品と、価値がわかっていない状態では決断ができない価格帯の商品があるということです。
では単価の高い商品の場合は、どのような手法が有効的なのかというと、SPINセリングという手法を使います。
SPINセリングとは、4つの質問をベースにセールスをしていく手法で、それぞれの質問の頭文字を取って「SPIN」と呼んでいます。
この順番通りに進めれば、高額商品でも成約しやすいです。
状況質問では、どんなビジネスをやっているのか、誰にどんな商品を売っているのか、どれくらいの期間ビジネスをしているのか、など知っておきたい情報をヒアリングします。
ただし、質問の仕方によっては「このビジネスのこと、わかっているんだろうか?」と不安を持たれてしまいます。
ですから事前情報をもらっている段階で、そのビジネスやマーケットについてある程度調べておくようにしてください。
どんなビジネスをやっているのかを状況質問で把握ができたら、抱えている問題についてヒアリングします。
このような問題を抱えているケースがとても多いのですが、「その他に悩んでいることはありませんか?」と、さらに細かく問題点をあぶり出します。
あぶり出された問題点は、このあとに続く示唆質問と解決質問で役立つので、なるべく多くの問題点を聞き出すようにします。
商品を売るときに、「あなたの悩みを解決するのはこの商品です」と言いたいのですが、それでは売れません。
なぜなら、お客さんはその悩みを解決することが最重要なのかどうか、把握できていないケースが多いからです。
そこで、あぶり出された多くの問題点の中で、とくに深い悩みにつながっている問題と、それによって生じている状況について、お客さんの口から話してもらうようにします。
さらに、その状況を放っておくとどうなってしまうのか、こちらから伝えるのではなくお客さんに話をさせてください。
など、問題点を放置したらどうなっていくのか、深堀りをしていきます。
こうすることで、お客さんの持つ悩みが本人の自覚以上に深刻で、解決しなければならない重大な問題であると気付いてもらえます。
問題質問で多くの問題を炙り出せていれば、示唆質問の幅も広がります。
示唆質問で問題の重大性に気付いてもらったあとは、その問題が解決されるとどうなっていくのか、お客さんの言葉で話してもらいます。
「こうなりますよ」とベネフィットをこちらから話すのではなく、お客さんから話してもらうことが大切です。
お客さんが話してくれた問題点やベネフィットに対して、こちらが提供できるサービスだったりデータを伝えて、改善できることを知ってもらいます。
商品を売りたくてもうまくいかない人は、「しゃべってるけどうまくいかない人」と「話しを聞いているけどうまくいかない人」のどちらかのパターンになっていることがほとんどです。
「しゃべっているけどうまくいかない人」は、たくさん質問をしてお客さんにしゃべらせるようにしてください。
自分がしゃべっているということは、しゃべりたい言葉があるということなんですが、それがお客さんの心を動かせていない理由のひとつです。
お客さんから出てきた言葉や表現に差し替えて話すだけでも、反応が変わるということはよくありますので、たくさん質問をしてお客さんの言葉を拾うようにしてください。
「聞いているけどうまくいかない人」は、示唆質問を増やすことを意識してみてください。
もともと抱えている問題が、どんな問題を引き起こしているのか。
それがどれくらいの悩みの深さなのか。
悩みの深さをお客さんが理解したら、話を聞く姿勢に変わってきます。
そういうタイミングで、解決法である商品を提示するようにしてください。
示唆質問は他の質問よりも実行する頻度が少ないと考えていますので、ここの頻度を上げるだけでも反応は変わるはずです。
高額商品を売るときは、SPINセリングという手法を使います。
「状況質問」で状況を把握し、「問題質問」で抱えている問題点をお客さんに話させます。
問題点を聞きだしたら「示唆質問」で、その問題が引き起こす新たな問題を聞き出して、その重大さを理解してもらいます。
最後に、その問題が解決されたらどうなるのか、「解決質問」でお客さんに話してもらいます。
ポイントは、こちらから伝えていくのではなく、お客さん自ら質問に回答してもらうことです。
そうすることで悩みの重大さ理解しますので、解決をするために必要な高額商品を購入してくれるようになります。
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