このコーナーは、ダイレクトマーケティング界の寵児「ニセ ・ダン ・ケネディ」が、絶対に成功すると噂されているマーケティング手法を紹介します。※本物のダン ・ケネディとはあまり関係がありません。

【第1回　利益率を上昇させる革命DM】

こんにちは、ニセ・ダン ・ケネディです。この連載では、私が絶対成功するダイレクトレスポンスマーケティングの方法をお教えします。

ダン ・ケネディから委任状をもらって連載している（という幻覚にさいなまれて、週2回医師のもとを訪れている）私ですので、何も心配することはありません。

ただし、あらかじめ断っておきますが、実践は全て自己責任でお願いします。

【セクション1　まずすべきこと】

私はいつも多くの経営者に問いかけます。「最も元手が少なく、最もリターンの多い事業とは何？」と。

「不動産投資？」―その答えはナンセンスだ。元手が少ないという前提を無視している。私の話をキチンと聞いていただろうか？

「革新的なサービスを作るITベンチャー？」―ふむ、悪くない。だが、プログラマーの人件費はどこから出る？

「自動販売機の下に落ちている小銭を集める？」 ―実にユニークだ。あなたは経営者を辞めて、コメディアンへ転職すべきだろう。

どれも私を満足させる回答ではありません。私が聞きたい一言は「金持ちの子どもを誘拐して身代金を要求する」。たったこれだけなのです。

【セクション2　目を惹いて興味を持たせる】

すべきことを実行した後は、もうひとつのすべきことを実行します。つまり、あなたのお客さんにダイレクトメールを送るということ。

ここで注意したいのが、その他の郵便物に紛れてしまわないように魅力的でエキサイティングなダイレクトメールにする必要があることです。

新聞紙や雑誌の切り抜きで文字を作るというのはどうでしょう？

これならあなたのお客さんの目を惹くことは間違いないでしょう。また筆跡がわからなくなるため、警察の捜査も撹乱できます。

【セクション3　利益を最大化するダイレクトメール】

ただしもちろん、目を惹くだけでは意味がありません。さらに大事なのがダイレクトメールの内容です。

「誘拐 ―それは素晴らしいもの。一度誘拐を体験すると平凡な日常にさえ感謝できる」

こんなダイレクトメールを送ってしまった人はいませんか？ これは大きな間違いです。イメージやブランドを確立するために無駄金を使うのは、様々な制約のある大企業だけで充分です。

「あなたの息子さんを誘拐しました！ さあ、急いで700万ドルをご用意ください！ 1時間以内にパークアベニュー223で取引しましょう！ もちろん1名様限定です！ 複数の人影が見えたら、息子さんの安全は保障しませんよ！」

これこそが私たちの求めている広告！ このダイレクトメールから得られるのは直接的な利益そのものです。

「息子さんの声が聞きたければ090-****-****までお電話ください！ 10秒限定でお聞かせします！」

さらにアドバイスを与えるなら、この一文を加えるのはどうでしょう？ 私の目にはこちらのほうが、よりエキサイティングに映ります。

 【セクション4　罪を償う】

現代の警察は非常に優秀なため、以上のことを行うとすぐに捕まります。裁判所で懲役を申告され、刑務所でしっかりと罪を償ってから、また人生をやり直しましょう。

「失敗は成功の母」

これこそがダイレクトレスポンスマーケティングの極意と言えるかもしれません。