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入口を任せきりにしてはいけない

2019.7.31 | ,
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From:中谷佳正

ここ最近、利益がめちゃ伸びている会社の経営者と話をする機会があったのですが、そこで利益が伸びている秘訣を聞かせてもらったのですが、売上がすごく伸びているわけじゃなくて、利益が伸びているっていうところが興味深いわけで、そこのところを深堀りさせていただいたのでシェアしたいと思います。。。

売上は減ったが利益は増えた

その経営者の話によると、会社全体としてある期間の売上自体は減ったらしく、実際に6%ぐらいは減ったとのこと。だけど利益は増えた。。。
その理由は、、、セールを止めたから・・・めっちゃシンプルですね。普通一般的な感覚として、より売上を上げようと思ったらセールやキャンペーンなどをするのが常識的なんだと思いますが、その方はあえてセールやキャンペーンを止めることで利益を上げることを優先したんだそうです。その結果、売上は6%ぐらい減りましたけど利益は恐らく数十パーセントは増えてるはず。なぜなら、例えばセールに関しては20%オフとか30%オフで行うのがよくあるパターン。本来1億円の売上があるところが8千万円とか7千万円という売上になる。でもセールをせずに自社の希望小売価格で販売したなら1億円の6%減ですから9400万円の売上です。で、どちらも仕入れ値自体は変わらないですから、1400万円とか2400万円といった利益が増えることになる訳で。。。なかなかグッとくる数字だと思いませんか(笑)

セールやキャンペーンの手間もかからない

さらに面白いのがセールやキャンペーンにかかっていた手間もかからなくなったということ。ほとんどの場合、セールやキャンペーンを行う時は、それ用にチラシやポスターやあるいはPOPであったり、ホームページであればバナーを作ったり画像を入れ替えたりしないといけない訳で。撮影が必要であれば撮影なども行わないといけないでしょうし、商品そのものを入れ替えるならその商品を仕入れる手間暇も必要になる。そういったものから開放された結果、経費もかからないし時間も取られないっていうので、単純に利益率が良くなったという効果以外に販管費が減るというメリットも得られるはず。

メッセージが変わる

見込客や見込顧客へのメッセージが大切だということは、このメルマガを読んでおられる方であれば理解はされているとは思いますが、セールやキャンペーンをすれば、いつか安売りをするからその時買ってねというメッセージを無意識に消費者は受け取る。それをしなければ消費者は欲しいものを今買わないと売り切れちゃうとよいうメッセージを受け取ることになる。あなたは、見込み客にどちらのメッセージを伝えたいと思うだろうか?
まあ、聞くまでもないですが前者だという人はそのままセールやキャンペーンを続けて欲しい(笑)

入口を任せきりにしない

とはいえ、同じようにセールやキャンペーンをしないで済むというビジネスモデルであればいいのですが、全ての人がそういうわけじゃない。競合と同じ商品を扱っているので、市場価格に合わせないとやっていけないなんてことだってある訳で。今、話した例はオリジナル商品を取り扱っているからできた話でメーカー寄りの戦略なので、小売とか一般的なサービス業には当てはめにくいところがあります。そういう時は、他にも利益が上がっている要因がないか尋ねてみたんですが、、、そこで挙げられたのが入口の仕事を自分の仕事として巻き戻したという話。。。
簡単にいうと入口というのは広告のことです。お客さんの流入経路に関する部分を今までは従業員に任せていたのだけれど、経営者自らが再びやるようにしたということです。するとどうなったか・・・まぁ当然かもしれませんが従業員の人には申し訳ないですが劇的に反応率が良くなったそうです(笑)

入口の要素は自分でチェックする

その経営者はネットで商売をしていたので、広告のバナーであったりホームページ内のバナーを自分でチェックするようにした訳ですね。僕も実際見せてもらったんですが、たしかにその経営者がチェックを入れたものの方が僕から見ても良いバナーができている。そりゃあ反応率も良くなるなと感じましたが、逆に何で従業員の人たちでは再現できなかったんだろう?という疑問も生まれます。。。
まぁ、結論として再現できない理由は・・・勘によるところが大きいんでしょうけど、別の言い方をするならセンス?(笑)こんなことを言っちゃあ元も子もないんですけど、本来はそういう勘の要素を取り除く為にABテストというものが生み出されました。実際に市場でAとBとのどちらが反応が良いのかを試してみるというのがABテストなんですが、、、実際現場でABテストが実施されているかというとそうではない。だから、ABテストが行われていない現場で鼻が利くのは何なのかと言われると、、、結局は経営者の勘が一番ということになってしまうんですね。

勘はデータベースに基づいている

まあ、勘はその人の知識や経験によって作られた脳のデータベースから弾き出されているものらしいので、実はまったく根拠がないというものでもない。ただ、そのデータベースを明らかにすることは簡単ではないですし、体系化されてはいないので説明することも難しく、科学的ではないと感じて敬遠されるかもしれません。ただ、それなりにやってきている経営者の方であれば一応は根拠があるものから導き出されているので自分の勘は信じてもらって良いと思います。
なので、もし自社にABテストを運用する環境が整っていないとか、自分と同じように判断できる従業員がいないと感じているのであれば特に入口になる要素、広告のチラシとかバナーとかもしくはセールスコピーといった要素は、任せっきりにしないで自分の手元に戻した方が良いかもしれません。ここで学んでいることを活かすなら、一番勉強されている経営者やマネージャーがやった方が良いよねってことです(笑)
もし、従業員に任せて業績が下がってしまったみたいな体感があるのであれば、入口の部分だけでも見直すと変化が生まれる可能性は高い、思い当たるようであれば試してみてください。

-中谷佳正

P.S.仕組み化の話をしたり、勘の話をしたり一体どっちなの?と言いたいかもしれないけどこれが生のビジネスなんだよってことですね。体系化も大切だし完全にできないところを補うことも大切。。。だってビジネスをしているのは人間だもの(笑)

中谷 佳正

Web制作会社 有限会社WINKSの代表。独自の手法で売上を上げるホームページを作る方法を確立し、いままで630社以上のWeb制作、運営に関わる。現在は、Web制作会社の経営と、同業社向けに売れるホームページを作るための中谷塾を運営、人気を博している。リッチ・シェフレンのナビゲーターでもある。

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