トップ > ブログ >  > ↓この在庫、あなた売る自信ある?

↓この在庫、あなた売る自信ある?

  •  

From:山田光彦

今から40年ほど前。

当時はまだ新しい機械だった電卓。この電卓5000台の在庫を抱えたあるマーケターが、たった1つの広告で、一気に在庫を処理したという、僕の好きなエピソードをご紹介します。僕もこのアイデアを使って、何度も何度も売上を上げていて、大変お世話になっているアイデアです。もちろん、僕だけじゃなく、たくさんのマーケター・セールスライターが使いまくっています。

このマーケターが在庫をどうやって、一気に処理したのか?(このアイデアは大ヒットしているので、在庫処理という感じでもなくなってしまったのですが…)

あなたがこのマーケターと同じ状況だったら、どうするか?と、考えながら、ぜひ読んでみてください。では、実際にどんな状況だったのか、詳しく話していきますね。

取引先から軽い脅迫を受け、
電卓5,000台を売らなければいけない羽目に…

売らなければいけない電卓は、液晶ディスプレイを使っている最新式。ウォール・ストリート・ジャーナルやビジネス・ウィークなどに広告を出して、すでに販売しヒットしていた商品です。価格は59ドル95セント。実際に、この電卓を広告を使って、ヒット商品にしたのは、他でもない、5000台の在庫を売ることになったマーケター自身です。

広告の反応が徐々に落ちて来た頃、取引先から脅迫まがいの交渉をされることになったのです。具体的には、すでにこの電卓を59ドル95セントで購入してくれた顧客を、大量に抱えていたマーケターに対して、取引先は「手元にある5000台の在庫を1回で全部売り切ってほしい。やってくれないなら、39ドル95セントで売り出します」と伝えたのです。

広告の反応も落ちて来た状況を考えると、5000台の在庫を1回の広告で売り切るのは、かなり厳しい状況です。ですが、このマーケターも39ドル95セントで販売して、既存のお客さんを怒らせるのは避けたいところ。なので、渋々、在庫5000台を売り切ることにしたのです。

このマーケターも39ドル95セントで、この電卓を販売してもいいことになりましたが、この価格でそのまま販売すれば既存のお客さんを怒らせることになるでしょう。

当時の競合は?

当時は、他にもたくさんの電卓が販売されていました。もっとも人気があったのは69ドル95セントの新型電卓。商品が足りないせいでプレミア価格がついていたほどの人気でした。

他には、9ドル95セントの激安電卓が出るという噂はあったのですが、実際には販売されてはいない状況。

ちなみにですが、当時の電卓は今で言うところのスマホとか、パソコンみたいな感じだと思います。

さて、、、

あなたなら、この状況で在庫5000台の電卓をどんなアイデアを使って売りますか?
しかも、高い価格で買ってくれている既存のお客さんを怒らせることなく、1回の広告だけで…

ちょっと考えてみてください。













ヒント:
このマーケターが販売した価格は定価の59ドル95セントではなく、39ドル95セント。でも、既存のお客さんをなるべく怒らせないアイデアで在庫を一気に売りきりました。















アイデアはまとまりましたか?
では、このマーケターがどうやって、在庫の5000台を販売したかと言うと、、、

ハロウィン・セール

やったのはシンプルなアイデア「在庫一掃のハロウィン・セール」。僕らもよく使わせてもらう記念日に割引セールをやるという、あのパターンです。

この広告ではたくさんの種類の電卓を割引価格で販売。しかも、69ドル95セントで販売されていた大人気電卓はマーケター自身が購入して、9ドル95セントという破格で提供。割引率の大きなものは提供数が少なくなると広告に明記し、損失額をある程度コントロールしました。そして、たくさんの電卓を割引価格にしたことで、5000台の在庫を抱えている電卓の割引販売を目立たなくして、既存のお客さんが怒ってしまうということも回避しました。

この広告は大ヒット。大量の注文が殺到することになりました。お客さんから送られてきた注文の封筒を小型の乗用車で郵便局に取りに行ったときに、郵便物が多すぎて車に入りきらず、結局ワゴン車と乗用車の計2台でオフィスまで運ぶことになったほどです。

このアイデアを見たとき、僕はシビれました。

すべての問題を1つのアイデアで鮮やかに解決しているからです。そして、僕は一瞬でこのマーケターのファンになりました。ちなみに、このマーケターは、ジョセフ・シュガーマン。アメリカの伝説的なマーケター・セールスライターで、日本でも著書がいくつか翻訳されているので、あなたもご存知かもしれません。

このエピソードを知ってから、僕が記念日を使ったキャンペーンを何度も繰り返しやったのは、言うまでもありませんw

問題は”売れるアイデア”の母

この事例もそうですが、今までにはなかった問題を抱えた時。新しいアイデア、しかも素晴らしいアイデアが生まれることはよくあることです。実は僕にも経験があります。シューガーマンに比べれば、小さすぎる規模なので、詳細は省きますが、ある事情でダイレクトメールの注文用紙を送ることができなくなったんです。そのとき、どうしようかと頭を悩ませていたんですが、いろいろ考えてみて、ダイレクトメールを送るのはやめて、代わりに少し工夫したハガキを送ることにしたんです。結果、そのキャンペーンでは過去最大の売上を上げることになりました。

それに、シュガーマン自身もこう言っています。

「最も創造的なマーケティングのアイデアが湧くのは、単に必要に迫られたからという場合が多かった。通常、それはある特定の問題の解決策だった。頭の痛い問題を抱えているとき、単にその問題をチャンスとしてとらえ、そのチャンスに乗じて実行に移すと、たいていの場合はうまくいった」

今、あなたが売上を上げるために抱えている問題はありますか?
今回紹介した事例のようなものではなくても、チラシではお客さんは集まるけど、ネットは全然。。。といった問題はありますか?

あるなら、それはきっとあなたのビジネスで売上を大きく伸ばすアイデアを発見するチャンスです。

ですが、、、

実はマーケティングのアイデアは
ゼロから自分で考える必要がないことがほとんどです…

え?じゃあ、今までこの記事で書いていたことはなんなの?という、ちゃぶ台返し的な感じではあるのですが、実際そうなので仕方ありません。なぜ、自分で考える必要がないかというと、、、

マーケティングの歴史の中で、天才たちが素晴らしいアイデアをたくさん発見し、実践してくれているからです。ダイレクト・レスポンス・マーケティングはアメリカでは100年以上の歴史があるので、天才と言われる人がたくさんいます。そういう人たちが発見したアイデアを借りることができるからです。

これをダン・ケネディはswipe and deploy(盗んで活用する)と言っています。

僕たちマーケター・セールスライターの仕事は、天才たちが発見したアイデアの中から、自分のビジネスに合いそうなものを見つけて、試すこと。少しズルい感じもするかもしれませんが、僕たちもそうやって売上を伸ばしてきましたし、レスポンスを読んでくれている人たちからも、この方法で売上を上げたという報告をたくさんいただいています。

もちろん、自分で考える必要がないということはありません。ですが、マーケティングの天才たちが生み出したアイデアを超えるものを生み出すのは、相当キツイ仕事であることは間違いないでしょう。とはいえ、広告の文言をそのままパクったりしてしまうと、違法ですし、相手にとっても迷惑なのでやってはいけません。僕たちが借りるのはマーケティングのアイデアの部分です。

そして、その素晴らしいマーケティングのアイデアが凝縮されているのが、成功したセールスレターの事例集「スワイプ・ファイル」です。なので、マーケティングのアイデアに困ったら、まずはスワイプファイルを見てみましょう。そして、あなたの問題を解決してくれそうなアイデアを探して、試してください。

あなたが抱えているマーケティングの問題を解決するのに、天才たちが過去に生み出したアイデアがきっと役に立つと思います。

ー山田光彦

PS.
成功したセールスレターの事例集「スワイプファイル」が大量に手に入る。そして、そのスワイプ・ファイルからマーケティング・アイデアをどうやって借りてセールスレターを書くのか?
その方法をお話ししているのは、昨日、募集がスタートしたばかりのこの講座です。

講座の詳細はこちら

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

山田光彦の記事一覧

ブログ一覧へ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします

ページトップへ
Loading