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商品開発の落とし穴

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From:小川忠洋

From:小川忠洋
西宮のスタバより、、、

「Time To Market」以前にザレスポンスのお客さんから聞いた話。誰とは言えないけれど、よくセミナーに来てくれている人で、元々、IT業界の外資系の超大手に勤めていた人から聞いたおもしろい話だ。きっとマジメな社長、起業家であるあなたの役に立つと思うのでシェアしたい・・・

タイム・to・マーケット。とはどういう意味かというと、「市場に出すスピード」の事を意味している。つまり、競合他社よりもできるだけ早く、商品を市場に出す。これが何より重要だという価値観。イケイケのIT業界にありそうな話だ(笑)

しかし、この価値観、マジメな日本人にはとってもウケが悪い。もしかしたら、あなたも商品は完璧にしてから市場に投入すべき、、、市場に投入するなんて言葉を使ったら、感覚がわからないかもしれないので、言い直そう。

「商品は完璧にしてから顧客に売るべき」

だと思っていないだろうか?この価値観、一見とても素晴らしいものだと思えるが、あなたがこの方針で事業を運営していたら、きっと競合には負けるだろう。ちなみにその話を教えてくれたお客さんは米国企業がいかにタイムtoマーケットを意識していたか?(いかに不備がありありの状態でも売ってしまっていたかw)という事を教えてくれた。まぁ、IT業界にいる人ならなんとなく想像はつくだろう。。。売った商品がバグだらけ、、、仕様どおりに動かない、、、そもそも使えない、、、など残業代がたくさんもらえて嬉し涙が出てしまう状況だ(´Д`)

しかし、そのボロクソの商品を誰よりも早く、市場に投入していた会社はどうなったか?もちろん、とっくの昔に廃業・・・・・・してはいない。その業界で、最大手にもなろうかというレベルの大成功を収めている・・・

残念ながらタイムtoマーケットは正しい

マーケティングおたくならアルライズの「ポジショニング戦略」を読んだ事があるだろう。そこでも言われているように、市場に一番最初に入った会社が、なんだかんだ言って超優位に立つのである。だから、商品が完璧にできてなくても、、、、売らなければならないのである!

こんな事を言うと二度とウチの商品を買ってくれなくなるかもしれないが(^^ゞこれは真実だし、この現実を受け入れなければあなたのビジネスが競争相手にやられてしまうから、あえて言おう。ウチの商品だって最初に販売する時は、不備だらけである。

例えば、ダンケネディのマグネティックマーケティングと言うベストセラー商品があるが、これなんか最初に売ったときは、文字通り「返品の嵐」だった。なんてったって翻訳がわかりずらい、資料が見づらい、etcetc、、、(しかし今では2度3度とアップデートしてかなりイケてる商品に生まれ変わっている)自己弁護ついでに言うが最初のひどいバージョンはウチが作ったものではない(^^ゞ

新しいセミナーをやるときだってそうだ。セミナーを企画する、やってみる、お客さんの反応を見る、反応が悪かったらスグ変える。それを何度も繰り返すと、最初にやった第一回のセミナーの内容とはずいぶん変わってしまっている…なんて事も良くある。

こんな事を書くとダイレクト出版は詐欺か?!とんでもないな!なんて話になるかもしれないが、世の中の会社、全てそうである。リリースしてから、商品の改善をしない方が、おかしい。そして、商品の改善をする時点で、もともとは完璧じゃなかったって事だ。

**余談**
ちなみに最近、このタイムtoマーケットを強く感じたのがマイクロソフトのSurface Pro3である。タッチペンの感度がとても良いので、ウェブセミナーなどに使えるんじゃないかと導入してみたが、、、ハッキリ言ってクソだった。よくこんな商品売ったな!と思えるくらいのレベルだった。ここに延々と愚痴を書いていきたいが、とても非生産的なので、止めることにする。Surfaceのクソレビューが読みたい方のリクエストがあればフェイスブックでやろう。。。ま、そんな話はさておき、これで「3」だってんだから「2」や「1」はどんな有様だったんだろうと想像するだけで恐ろしい。。。とは言え、「4」「5」とバージョンを上げていくうちに、商品の品質はかなり上がっていくだろう
******

完璧にしてから売るの間違い

商品は完璧にしてから売る。なんて事をやっていたら間違いなく、競合に先を越されて○○と言えば、A社さんですよね。的なポジションを取られてしまう。そして、あなたがいくらがんばったところで、完璧な商品はできない。絶対にできない!

そして、完璧な商品を作ろうと改善、改善を繰り返していると、、、、簡単に1年や2年は経ってしまうだろう。1年2年、新商品からのキャッシュが入ってこない状態でやっていけるのか?という現実問題がある。たいていやっていけない。そして潰れる。残念ながらこれが現実だ。

商品というのは、実際に顧客に売ってみて、顧客が実際に使ってみない限り、評価はできない。と言うことは、顧客が買わない限り、点数がつかない。なのに顧客に売る前から、100点満点を目指そうなんて、、、、なんだか順番がおかしくないか?商品の評価は買い手である顧客がするのであって、売り手であるあなたがするのではない。なのに完璧な状態って、、、、何???

しかし、自分の中でも、満足できる商品を売りたいという気持ちはあるだろう。その気持ちはよく分かる。なので、ある程度の判断基準というか、そういったものが自分の中にも必要だと思う。なのでこう考えてみると良い、、、

必要なのは完璧な商品ではなく 現時点でベストな商品

必要なのは完璧な商品でなく、「現時点でベストな商品」であると。そして、現時点でベストな商品とは8割OKなら、OKである。自分の基準の8割くらいを満たせていれば、それはベストな商品とみなして良いだろう。10割は永遠にやってこないし、10割のものが作れたら基準が低いのでは?という考え方もできる。

本という商品も同じだ。例えばあなたが本を書くとしよう。10割の本は絶対にできない。10割OKの本を書こうとすると、2年経っても3年経っても完成しないだろう。どんなに最高のものを書いたとしても、毎月、毎月、新しい知識が入ってきて、もっともっと良くしたいと思ってしまう。

とにかく8割のものを作る。それを売ってみる。顧客からのフィードバックを受けて、改善する。それを売ってみる。>>>>の繰り返しをする。そうするとタイムtoマーケット。スピード感があって、商品はどんどん改善していくし、キャッシュフローも良好だろう。(ここで4割の商品を出してはいけない。4割の商品を出したら評判が地に落ちて誰も買ってくれなくなる。サムスンのギャラクシーノートは酷かった、、、)

8割ゴー!

ダンケネディも言うようにスピードこそがわれわれ起業家の最も強いところだ。そしてスピードがお金を引き寄せる。市場に投入するスピード。顧客からフィードバックを反映させるスピード。スピード、スピード、スピードである。

ーおがわ

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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