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仕組み化の弊害

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From:小川忠洋

From:小川忠洋
西宮のスタバより、、、先週先々週と続いた米国視察の報告から、もう一点だけ付け加えて終わりにするわね。実は一番、収穫があったのは、有名なザッポスでもなく最近話題のNetflixでもなく、セールスフォースという会社だったんだよね。セールスフォースってのは知ってる人は良く知ってるだろうけど、まぁ何ていうのかな、営業とかCRMを管理するソフトをクラウドで売ってる会社で(使ってないからよく知らんけど)5年連続で、最もイノベーティブ(革新的な)企業に選ばれているスゴい会社なんだよね。

売上も確か6000億円くらいあって、しかもその上、年率30%で成長しているという超優良企業。

その会社では、さすがに革新的なソフトウェアを販売しているだけあって、マネジメントもすごくシステム化されてんのね。

例えば、CEOから一社員までの、目標やビジョンなんかがシステム上で全部、見る事ができたり。まぁ、ザ・レスポンスのメインテーマは経営じゃなくてマーケティングだから、そういう話は置いといて、、

じゃあマーケティングの仕組み化は?

という所なんだけど、もちろんセールスフォースはマーケティング支援のソフトウェアを売ってる会社だからその辺りはバッチリできてるでしょう(笑)

しかし、話を聞いていると、オンラインマーケティングがどうこうというより「営業」をどう育てるか?みたいな話が中心だったわな。

セールスフォースの顧客獲得の仕組みを見てみると、まず「資料請求」させてリードを獲得して、それからそのリードに対して、営業マンがふつーに営業をかけていくというオーソドックスなやり方をやっているっぽいね。

ウチにも時々、営業の方からメールが来るが、その営業のやり方が高度なシステムで運用されている感じだね。

こないだ、資料請求してからしばらく放置して、何かの機会にたまたまホームページを覗いたら、その翌日に「お久しぶりです」ってメールが営業から来てたしね。

仕組み化の弊害

ところで、「仕組み化」と言うと何だかみんなスゴく魔法の杖のようなイメージを持っている人が多い気がするんだけど、それも注意したほうがいい。

マネジメントの仕組み化、営業の仕組み化ってとても良いと思うんだけど、マーケティングの仕組み化って、やり過ぎると効果は落ちてくる。

もちろん、ウェビナーでも話しているように、仕組み化はある程度のレベルまでは絶対にあった方が良い。しかし、モノゴトには何事もバランスというものがあって、やり過ぎると、人間味を損なうので良くない。

というのもマーケティングの仕組み化が上手くいくと、人間の改善欲は果てしなく(笑)今度は売上全てを自動化しよう何て話が出てくる。(実際ウチのある事業部でもでてた)

例えば、ステップメールという機能があるから、その機能を使って全てのメッセージをあらかじめ設定しておく。これを1年分2年分やろうと思えば5年分だってできる。

そして、それに対応するページを設定しておく。商品発送などのロジスティクスは外注に依頼しておく。

仕組み化v.s.アナログ
驚きの実験結果

こうすれば全てを自動化できるような気がする。。。が、これをやるとある程度のところまでは売上が上がるが、それ以上は伸び悩むことになる。

実際、365日あらかじめ設定したメルマガと、毎日毎日書いたメルマガとどっちがいいんだ?とテストした人がいた。

結果は驚き。あらかじめ設定した自動メールはものの2,3週間で読まれなくなったそうだ。そう。人間はそういうのを“感づく”ものなんだよね。ナメちゃいけない。

例えば、このブログだってそう。こういう内容を1年前から書いて自動的に設定しておくことはできない。だって、2015年8月末に起きたイベントの話をしているわけだからね。

例えば、最近、起きたニュースやイベントに関する話はできない。

んで、考えてみてほしいんだけどさ、友達や同僚と普段何気ない会話で、何話してるの?「最近起きたニュース」じゃない?「いや〜こないだこんな事あってさ」とか「ラスベガス行ってどうだった」とか。

そういう経験や考えを共有することで、関係性ってのは育まれていくわけじゃない?それってお客さんとも同じでしょって話。

もちろん、当然、お客さんとの関係は商売の関係で、モノを売ったり買ったりするのが基本的な関係だけど、それだけじゃ、ダメだよね。

お客さんと本当に友達、というか仲間のような関係性を作ることを目指さないと。現代にドラッカーが生きていたら「事業の目的は顧客の創出」以上に

『事業の目的はファンを創ること』

 

だと言うはずだと誰かが言っていた。まさにその通りだよね。

マーケティング、もっと言えば『顧客とのコミュニケーション』を仕組み化して、果たしてファンはできるのか?と。

ファンってのは人間と人間との関係だから、人間とソフトウェアの関係じゃないわけ。あなたが効率化をしすぎて、人間味を失ったら、果たしてお客さんは、あなたとの関係性を感じてくれるかね?

単純に、機械とコミュニケーションしてるように感じないかね?

温かさ、冷たさ

昔、スタバでドリンクを頼んだ時には、店員さんがカップにマジックで手書きで「L」とか書いていた。時々、メッセージを書いてくれる店員さんもおり、とても人間味があって温かかった。

しかしある時、紙に印刷されたシートが貼られるようになった。恐らくそういうシステムが導入されたんだろうね。これでミスはゼロになるかもしれない。

でも、正直なんだか冷たく感じてとてもがっかりしたのを覚えている。最近ではまた手書きに戻ったのかな。

ある種の「アナログさ」が残っていないと人間味を感じられないよね。そして人間味を感じられない人とは「関係性」を育むことなんてできないよね。システム化すれば、仕事はラクになるかもしれないけれど、、、

それって本来の目的から逸れていないか?と考える必要がある。ラクしてカネを儲けたからと言って何の自慢にもならない。自慢になるのは、どれだけの顧客に貢献して、どれだけの顧客をファンに変えていったか。じゃないか?

ーおがわ

PS:
ぐおぉぉぉぉっぉ!iPadプロがでたぁ〜〜〜待ちに待ったぜ!iPadプロ。なんてったってあのスタイラスペンがどうしても欲しかったので、一時はマイクロソフトのサーフェスなんかに浮気してしまったが、、、(余談だがサーフェスはかなり微妙だった。ネットのレビューとか見てたらそこそこ良さげだったが、個人的には、商品として発売するのはまだ早いだろうと、、、正直思ったね)しかしこれで、愛するアップル製品に戻って、スタイラスペンを使う事ができる…

嬉しい(T-T)

ここ最近で一番、嬉しい(T-T)

嬉しすぎて、2台買いそうだ・・・

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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