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断れないオファーの作り方[中級編]

2016.8.16 | ,
  •  

From:山田光彦

オファー。

マーケティングやセールスライティングを学んでいる人なら、一度は聞いたことがある言葉でしょう。オファーを日本語にすると、商品を販売するときの提案内容(取引の条件)、といったところでしょうか。

そして、オファーを作るときには、無料特典をつけたり、割引したり、返金保証をつけたり、といったテクニック的なところは、よく使われているのを目にします。

でも、オファーをどうやって作るのか?といったことや、断れないオファーの裏側にある仕組みはあんまり紹介されていないような気がしたので、今日は断れないオファーの裏側の仕組みについてお話します。

では、まずその仕組みについて説明するために、あなたもきっと知っている大ヒットしたオファーの有名事例をいくつか見ていきたいと思います。

1.ドミノ・ピザ

「熱々の新鮮なピザを30分以内にお届けします。30分以上かかったら、代金はいただきません」

この超有名なオファーで大ヒットした宅配ピザ・チェーンのドミノ・ピザ。最近では、持ち帰り限定で「1枚買うともう1枚無料」というのがあたっているようですね。でも、その話は置いておいて、、、

この「30分以上かかったらお金はいらない」というオファーを出した当時。お客さんは、冷えたピザが配達されることに不満を持っていました。なので、30分以内にピザを届けられるように体制を整え、宅配ピザ業界で大きな成果を上げました。

2.Yahoo!BB

今でこそ当たり前になった、インターネットのブロードバンド。そのブロードバンドを普及させるためにやった、Yahoo!BBの施策「モデムの無料配布」。街頭で「無料なので持って帰って下さい」的な感じで配っていたこともあり、当時、相当話題になりました。

無料で配っていたこともあって(大きな批判を受けながらも)、Yahoo!BBは大きなシェアを獲得。それまでブロードバンド回線を持っていなかったたくさんの人たちにアプローチしたことで、日本に高速インターネット環境のインフラを整備することに大きく貢献しました。

ですが、、、

無料でやっていたので、モデムの部分だけを見ると当然、赤字になります。しかも、単なる赤字というレベルではなく、、、1,000億円規模の赤字を何度も出てしまっていたんです。そんな状態なので、銀行からもまともに融資を受けられず、持っていた株や事業を売却することでなんとかその状態を乗り切ったそうなんです。ですが、、、数年後、きちんとブロードバンド事業は黒字化しています。

ドミノ・ピザのケースもYahoo!BBのケースも「スゴい思い切ったオファーだなー」「そんなオファーを出すのは、すごく勇気がいるなー」という印象がありますよね。実際、思い切ったオファーを出していると思います。ですが、、、

思い切っているだけではなく、その裏側にはきちんと仕組み、計算があります。

強烈なオファーの裏側にある仕組み

ドミノ・ピザの場合。単に思い切りがよくて「30分以上かかったら代金はいらない」というオファーを展開していたわけではないんです。

というのも、ドミノ・ピザは「ピザを30分以内に届ける」ということを実現するために、ピザの大きさを2種類だけに減らし、トッピングも6種類のみに限定。飲み物にいたってはコーラだけを提供することにしたのです。つまり「30分以内に届ける」ためにどうすればいいのか、ということを考えて、この大ヒットしたオファーを実現できるように事業を変化させたのです。

つまり、今までのピザ宅配ビジネスのやり方をやっていると、実現することができないオファーを顧客に提案していたんです。つまり、競合他社にない「強み」をベースにオファーが作られているということです。

Yahoo!BBのモデムの無料配布の場合は、当時の孫正義氏は「1顧客あたりの獲得コストが2万5000円に達するまでは、この方法を続けます」ということをおっしゃっていたようなのです。つまり、顧客獲得コストを2万5000円以内に押えることができれば、数年後に利益が出るという計算があったということです。

これはあまり強みという感じがしないかもしれないですが、競合はマネすることができないでしょう。なぜなら、こんなに巨額の赤字を出すリスクを負うのは難しいからです。単に雇われてやっている社長ではなく、創業からやってきた求心力の強い孫正義氏だからこそできた、大きな決断といえるでしょう。

他にも、少し前に紹介した破竹の勢いで成長している鳥貴族。鳥貴族も、鳥を中心としたメニューにすることでより単価を低くし、調理も簡単にして人材育成コストをカット。しかも、大都市を中心に集中して店舗を出すことで業務の効率化を図る。そういった裏側の構造があって、あの安さを顧客にオファーできています。僕らも無料で本を配ったりしていますが、利益を出す仕組みを作っているからできるわけです。

強みを土台に、オファーを作る

ドミノ・ピザが、「30分でピザを届けられる体制」という強みをベースに「30分で届けられなかったら返金」というオファーを作ったように、強みの上のオファーを作っていけば、簡単に競合他社にマネされることはありません。最近で言えば、Amazonがはじめた電子書籍の読み放題サービス「Kindle unlimited」。大型書店からすれば、マネできないオファーです。他のネットで本を売っているサービスからすると翌日配送がマネできないオファーになるでしょう。

そして、あなたの会社にも強みはあります。あなたの会社を選んでいる顧客がいるんですから(もし、あなたが自分の会社には「強み」なんてあるのかなー、と思っていたとしても、きっとあります)。でも、なかなか何が強みなのか、思いつかないなら、、、あなた個人の強みに目を向けて下さい。そして、その強みからどんなオファーが作れるか、考えてみてください。

あなたが提供しているサービスの品質がいいなら、、、ライバルと同じオファーにするよりも、高額にして返金保証を付ければいいかもしれません。今後のことを考えて、今から伸びてきそうなビジネスに役立つ強みを育てていく。そんなやり方もいいですね。

・あなたのビジネスの強みは何でしょうか?
・あなた自身の強みは何でしょうか?
・その強みをオファーにして顧客に提案するなら、どういう内容になるでしょうか?

PS.
強みについて詳しく知りたいなら、こちらのウェブセミナーがオススメです。

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PPS.
ちなみに、断れないオファーの作り方[初級編]は書いてませんw

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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