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初体験

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From:中森清久

「痛いといやだなぁ~」

一枚のはがきを手にしながら、最初に頭に浮かんだ想いです。毎年、誕生日月に、ぎっくり腰の治療に通っている整骨院から送られてくるはがきです。このはがきには、無料オファーが書かれています。

オファーの内容は、針治療のお試し。普段は保険の適用内で、腰の治療をしてもらっているので、針での治療をしてもらったことはありません。針を体に突き刺すわけですから、なんとなく「痛そう」という想いが真っ先に頭に浮かび上がります。

しかし、その次に思い浮かぶのは、「効果がありそう」です。「痛い」=「効果的」という単純な発想です。なので、一度、針治療を試してみたいと常々思っていました。

そのようなタイミングで無料オファーを見ているわけですから、興味津々です。ですので、今年こそは、意を決して針治療を試してみることにしました。

忙しいときに無料の施術をしてもらうのは、少し抵抗がありますので、まずは、電話をしました。そうすると、1コールで、「はい。○○整骨院です」

早い。

と思いながらも、「あ、中森ですが、○○先生ですか?」

「はい。そうです」

「あの~。誕生月のはがきがあるのですが、今日、今から針治療を試してもらってもいいですか?」

「いいですよ」

と、ありがたい仰せです。真冬の寒いこの時期の夜に、はがきを持って外に出るのもすこしおっくうだったのですが、電話をした以上、出かけないわけには行きません。いそいそと、出かける準備をして出発です。

と言っても、整骨院まで、徒歩1分。はがきを握りしめながら、歩いてもあっという間です。

「こんばんは」と言いながら、ガラガラと引き戸を開けて玄関を見ると、靴が1足あるだけ。ラッキーです。わたしの前にお客さんは1人だけ。

ということは、、、、ガラガラ。

きっときちんとした針治療をしてもらえるのだろうと期待しながら靴を脱いで上がります。ベットが6台並んだ施術室に入るとお客さんは案の定一人だけでした。これなら、何の遠慮もなく施術をしてもらえます。

とはいえ、「よろしくお願いします」少し恥ずかしそうにはがきを出します。先生も、気安く「はい。では、上着を脱いでから、こちらのベットの上に、うつぶせで横になって下さい。」おっしゃってくださいます。

針治療のベットは、施術室の一番奥にあり、そこだけ、カーテンで隠れるようになっています。ベットの上で横になるとすぐに先生が来られて、カーテンを閉められました。

「はい。では、始めますね。場所は、腰でいいですか?」

と問われました。よくぎっくり腰の治療をしてもらうので覚えていただいているようです。

「はい」と答えてから、一番不安に思っている訊きたいことを訊いてみました。「痛くないですよね?」

そうすると優しげな声で「大丈夫ですよ」とおっしゃってくださいます。「では、始めますね」と言いながら、針を何本か刺していっているようです。何本刺さっているのか見たいのですが、背後ですので見られません。

で、すぐに、「はい。電気を入れますね」という声がかかりました。えっ。電気。

というよりも、針刺し終わったの?全然痛くありませんが。。。うーん。どうなっているのだろう。見えないだけに不安です。

しかし、いつもの電気治療のときのように腰の辺りが少しピリピリとします。そして、「では、このまま少しお待ち下さい」という声がかかったあと、先生は、カーテンの向こう側に消えていきました。

・・・・

たまに、チクチクするぐらいで痛みは全くありません。

部屋の温度も快適で疲れがたまっていたためでしょうか知らぬ間に眠りに落ちていました。

・・・・

ピピピピピピ・・・。

いつもの電気治療が終わった合図で気づきました。横になること10分ぐらいでしょう。

カーテンを開けて、先生が入ってこられて針を抜いてくださりました。そして、「お風呂にすぐに入りますか?」と予期せぬ質問です。何でそのようなことを訊かれるのだろうと思いながらも、「いいえ」と答えます。

そうすると、「今、のぼせやすくなっていますのでお風呂にはいるときは気をつけてくださいね。」という事でした。どうやら、針治療のあとは、のぼせやすくなっているようです。他にも何か注意があるかな?と一瞬沈黙したのですが、

・・・・・

何も言葉がありません。

えーーーー。

せっかくの無料オファーなのに効果効用をここで話さないと、何のためのお試しなのかわかりません。せっかくのオファーが無駄になってしまいます。

と思うのですが、やっぱり説明はありません。

実は、こういったケースは意外と多くあります。例えば、スーパーの食品売り場で見かけるサンプルの飲食です。ジュースやビールを飲ませていただいたり、お肉やソーセージを食べさせていただきますが、ほとんどの方は、手渡されるだけです。

どんな味なのか?どこに違いがあるのか?といった説明はありません。

説明があれば、もっと買ってみようという気持ちがわき上がってきます。しかし、説明がないので、単なる返報性の原理にのみ依存してしまっています。※返報性の原理とは、人間がもつ心理のひとつ。人に何かしていただいたら、お返しをしなければならないという感情を抱くこと

今回の、無料お試しの針治療についても同じ事が言えます。治療にほとんど費用がかかっていないためでしょうか?それとも、わたしがぎっくり腰ではなく健康であったためでしょうか?理由は、よくわかりませんが、針治療の効果説明がありません。

のぼせやすくなっているという表現は、どちらかというと、デメリットです。

そうではなく、わたしは、針の効果を訊きたいのです。効果があるのであれば、継続して、施術をしてもらってもいいと思っているからです。(全く痛くありませんでしたし、、、)しかし、残念ながら説明はありません。

ですので、仕方なく握りしめていたはがきに施術をしました判子を押してもらっただけで帰宅しました。

なかなか良い整骨院で、院長さんもとても良い腕をしているのですが、LTV(顧客生涯価値)で考えると随分と損をしています。

もったいない!!

ー中森清久

PS. お客さんは、無料オファーを試した後に、満足しています。そのチャンスを逃していませんよね?

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