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戦略を変える時…

2015.11.2 | ,
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From:小川忠洋

西宮のスタバより、、、

「この部分を抜き出して新商品化しようと思います。そうすれば、この会員が増えるはずです」

先週、うちの事業部長と面談をしていた時のこと。

次はどんなことするの?というような質問をしたら、彼がこんなことを言っていた。会員制の商品のコンテンツがたまってきているから一部を抜き出して、新しい低価格の商品を作る。という施策をすると。

今月、彼の事業部はちょっと売り上げを下げており、あちこちに課題が満載な感じだった。イメージ的に言えば、あちこちに小さい火事が起きているようなもの。あっちを消したら、こっちの火が大きくなり、こっちを消したらあっちの火が大きくなる。

その作業は延々と続くように感じられる。

誤解のないように言っておくけど、彼はとても優秀。しかし、優秀な彼が、なんだか小さい火を一生懸命に消そうとしているように見えた。そこで、、、

「それで、会員は何人増えるの?月に」と聞くと、

「あっちのコンバージョンがこうで、アクセスがこれくらいだろうから、そうですね、、、50〜100人といったところでしょうか。」

「それって事業にどれくらいのインパクトがあんの?」

「会員制が月額〇〇円なので、〇〇万円くらいですかね」

「それ、Sくんがやる価値あるの?」

いや、ないって(笑)お前は事業の経営者だろうと。その事業の年商3−4億円あるんだろうと。数十万円そこに上乗せする仕事は、お前のやる仕事じゃないと。

枝葉じゃなくて幹を狙え

もちろん、その〇〇円上乗せ(ベースアップ)させる仕事に価値がないわけではない。

でも、その仕事は、社長がやるべき仕事なのか?ということを考えないといけない。ま、もちろん違うわな(笑)

社長は「枝葉」の仕事をできるだけ減らして、「幹」にあたる仕事をしないといけない。

葉っぱが枯れてくるのはとってもわかりやすい。だから、みんなそっちに目が行きがちだけど、社長は葉っぱが枯れてる原因はどこにあるかを見つけないといけない。

葉っぱが枯れてる原因は、もちろん「幹」にある。「根っこ」にある。

あなたの周りの樹木を見てみてば、よくわかると思うけど、葉っぱはよく変化するが、幹はほとんど変化がない。

まぁ、強いってことだろうけど、葉っぱが枯れたり、害虫にやられたりしていても、幹は全く変化がない。だから、葉っぱの問題はわかりやすい。そして、幹の問題はわかりにくい。

しかし幹の問題を解決しなければ、葉っぱの問題は、何度も何度も繰り返し発生する。あっちの火を消しても、こっちの火を消しても、ガス漏れを止めない限りは、何度も何度も繰り返し火は発生する。

そりゃーそうだけど、幹の問題ってなんやねん?

マーケティングにおいて、幹の問題とは何か?これは、はっきり言って難しい。

置かれた状況ごとに違うし、会社ごとに違うだろうから、「これですよ!」と美しい答えを提示して「俺って天才やな」と悦に浸ることはできそうにない。

それぞれのケースで、社長自身が調べていくしかない。考えていくしかない。しかし、その答えを提示していくれるのは、「戦略」だろう。

つまり、戦略が間違っていると、どれだけ頑張っても結果が出ないし問題だらけになる。戦略が合ってれば、頑張れば頑張るほど、結果が出る。

実はあんまり「戦略」って言葉は使いたくないんだよね。

というのも、抽象概念だから、意味もわからず使っているケースばかりだし、なんとなく「戦略」って言えばカッコいい知的な響きがあるからってだけで「〇〇戦略」とか言ってるだけな気がするし。

さらには、戦略、戦略言っていると、戦術の方が軽視されるしね。

個人的には、「戦術」は極めて重要で、戦術が戦略を作ると信じている。だから、戦術を知らない人には戦略なんて立てられっこない。

人類の歴史を学んでも、戦略が大きな歴史の変化を作った、というよりも、戦術、つまりは武器の進化が大きな歴史の変化を作った方が圧倒的に多い。

それに加えて戦略って、実行するのに時間がかかるわけで、立てるのに時間をかけてちゃいけない。戦略を立てたり変えたりするのにかける時間は、1年のうちどれだけ必要だろうか。

一方、戦術は年中使うし、戦略の実行にも年中使う。だから、基本的には、「戦略」よりも「戦術」にかける時間の方が圧倒的に長くならなければいけない。

しかし!

時には戦略を変更することで大きな変化を生み出せる時がある。それが、冒頭のように枝葉ばかりで幹がズレてるとかいう場合だ。もっと簡単に言うと、

能力のある人が一生懸命頑張ってるのに結果が思うように伸びない

 

こんな場合は、戦略を疑ってそれを考えなおしてみた方がいい。戦略が合っている場合、能力のある人が一生懸命頑張れば、それなりに結果は出る。

(能力がないとダメだけどね。どっちにせよ)逆に言えば、それ以外の時はそんなに考える必要はない。

冒頭のうちの事業部長の場合、能力のある人物で、一生懸命やっている。

彼の中では、半年以内に結果が出るプランを持っている。なので、半年間一生懸命頑張って、それでも結果が出なかったら、頑張るのを止めて、戦略を変えることを考えてみる方がいいかもしれない。

あなたはどう思う?

ーおがわ

PS:
ただ、本当に注意して欲しいのは、「逃げ」の戦略変更。本当はもっと頑張れば結果が出るにもかかわらず、しんどいからって言って、戦略だの何だのいうのはただの「逃げ」になる可能性が高い。

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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