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ケンカの理由

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From:北岡秀紀

FROM:北岡秀紀

経営者Hさんの話。
彼は私と同い年の34歳で、5年ほど前からコンサルティングしている最古参のクライアントの1人です。

最近まで自分のビジネスを成長させるために仕事一本の生活でしたが、最近、とても魅力的な彼女ができました。
けっこうウキウキだったのですが、その彼女とケンカした、という連絡がありました。
(この話に限らず最近、彼にはコンサルというより、なぜかプライベートのコンサルばかりしている気がします(苦笑))

理由を聞くと、私のせいだ、というのです。
私は、その彼女を見た事はありますが、連絡先も知らないですし、全く身に覚えがありません。

で、よくよく話を聞くと・・・

入れ違いと勘違い

このHさんは、私の仕事のやり方を真似て、22時就寝、6時起き。
メールや電話は絶対にすぐに取らずに、決まった時間にまとめて処理する、ということをやっていました。

当然、そんな生活をすると、彼女が電話をかけてくる時間には寝ているなんていうことも多いわけです。
しかも、その着信履歴を見て返信するのは、次の「まとめて処理する」時間。
15時間後に折り返し、ということもしばしば。

それでも、付き合いたてでラブラブなこともあり、当初は何も問題はありませんでした。

しかし・・・
あるとき、何度も何度も連絡が入れ違いになってしまい、
(当然、まとめて処理をするとこういうことも当然あります。)
さらに悪い事に、その間に彼女の体調が悪くなったり、クリスマス前後のイベントと重なりました。

後日、ようやく連絡が取れた訳ですが、彼は彼女に
「22時就寝とか、電話はまとめて処理とか言っているけど、奥さんがいて、それをごまかすために、そんなこと言ってるんじゃないの!?」
と怒られた、というのです。

・・・だとすると、相当な確信犯なわけですが(笑)

事実、彼には奥さんなんていません。
それどころか彼女もたまァにできますが、あまりに仕事が忙しくほったらかしになるために、すぐにフラれるという、仕事はできるけど恋愛下手なかわいそうな人です。

ポイントは発想に至る道筋

私が第三者的に見て、
連絡が取れない=奥さんがいる
という発想は、相当短絡的だなと感じました。

普通は、連絡が取れない事そのものに怒るとか、奥さんではなく「他に彼女がいるんでしょ?」となるはずですから。
で、よくよく聞いてみると、彼女は以前、付き合っていると思っていた彼氏に奥さんがいた、という経験があったようです。

だから、「他に彼女」をすっ飛ばして、「実は奥さんが・・・」という思考回路になっていたのです。

どう思う?

さて、この話に何を感じますか?

こりゃ連絡しない男が悪いよ、でしょうか?
22時就寝とか電話をまとめて処理とかやるとモテないな・・・、でしょうか?
この彼女メンドくさいな、でしょうか?

どんな風に感じていただいても構いませんが、ここでポイントになるのは、なぜその答えに至ったのか、です。
それは、あなたの価値観によるものです。

そして、22時就寝、6時起き、返事はまとめて、というのは、仕事を効率的・効果的にするための価値観です。
もしかするとそうではない方法を使う事で、もっと効率的・効果的になる方法があるかもしれませんが、それが一番と信じている。
(もちろん、Hさんだけでなく私も含めてです。)

30代のそこそこの男にはたいてい奥さんがいる、というのは彼女の価値観。
30代でイイ男(しかも、お金も持っている)、でも独身で彼女無しなんて、私の周りにゴマンといます。

以前、最終の新幹線で大阪の家に帰ると23時着になってしまうから、睡眠時間が短くなり、翌日の午前中のパフォーマンスが落ちる。
だから、もう一泊して午前中は東京で仕事してから大阪に帰る。
なんて話をしたら、「いや、一刻も早く自宅に帰ろうよ」という人もいます。
それは両方とも価値観。

毎年売上を伸ばすことが成長、というのも価値観。
経営者は長時間働けというのも価値観だし、経営者がいなくても回る仕組みを作れというのも価値観。
経済的自由は素晴らしい、というのも価値観。

普段の生活もそうですが、仕事においても私たちは様々な価値観に縛られています。
どれが合っているとか、間違っているとかじゃありません。
優劣もありません。

あなたは選んでますか?

でも、あなたが自分でビジネスをしているということは、人に使われるより、自分で人生を選択したいという価値観を持っているからのはず。

なのに、縛られている価値観に気付いていないとすれば、人の奴隷になっていなくても価値観の奴隷になっている、ということ。

もちろん人間ですから、価値観を完全に捨てることはできません。
でも、自分がどんな価値観に縛られているのか?気付くことはできます。

・会社をしたからには最低、年商10億くらいは越えないと
・人を増やす、会社を大きくする、というのがいい
・会社にとって最も大切な数字は売上、利益を上げることだ
などなど、これって本当に「あなたにとって」正しい価値観なんでしょうか?

それに縛られて、大きくしようと、どんどん人を入れて、利益率が下がり、管理する手間も増え、自分の時間がなくなった経営者をたくさん知っています。
人を増やす、多くの部下を抱える、仕事中心がいい、という価値観が本当にあなたのものであれば、それでも全く構わないわけです。

しかし、多くの人は、自分のものだと勘違いしていた価値観に流されて、大きくしたけれど「前の方が良かった」と頭を抱えています。
一度大きくなってしまうと、元に戻すのは非常に困難ですから。

周りや世間の価値観を自分の価値観と信じていないでしょうか?
もし
「~しないといけない」
「~したほうがいい」
と感じたら、何かの価値観に縛られているサイン。
その価値観は自分の意志で選択したものでしょうか?

ぜひ来年は、周りではなく自分の価値観を実現する一年間にしませんか?
きっと今までとは全く充実感の違う一年になるはずです。

北岡 秀紀

マーケティングコンサルタントであり、コンサルタントを指導するコンサルタントでもある。これまで約900以上のクライアントのコンサルティングを実施し、数々の店・中小企業・オンラインショップの売上改善を果たす。その成功率は91.7%を誇る。(2011年10月現在)単に机上の空論ではなく、「自身で実証済みのノウハウだけを伝える」ことを信条としている。年商1億円を突破したい社長向けの情報サイト『オクゴエ!』を主宰。また、自身のノウハウを受け継ぐコンサルタントを育てるプログラムを主催しており、一人あたりの参加費は350万円という超高額にも関わらず、申込が殺到。参加希望者の77%以上を断っている。

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