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一発屋で終わらないお笑い芸人から学ぶ生き残り戦略

2017.6.17 | ,
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From:藤岡将貴

あなたは「AMEMIYA」というお笑い芸人を知っていますか?

2010年、深夜に放送されていたお笑い番組に出演して「冷やし中華はじめました」の歌ネタを披露したのをキッカケにブレイクしたお笑い芸人です。先日、テレビで彼の密着番組をやっていたので、何気なく見ていました。(「AMEMIYA」をまったくご存知ない方は、こちらで「冷やし中華はじめました」のネタが見れます。

その番組の中で、「冷やし中華はじめました」の歌ネタでテレビ番組にひっぱりだこだったピーク時の最高月収は900万円を超えていた、と言っていました。でも、そんな話はよく聞きますよね?前にも、いわゆる「一発芸人」と呼ばれている、ある別の芸人の過去の最高月収は数千万だったとか、そんな話を聞いたことがあります。

そんな彼の今の月収はいくらだと思いますか?僕はお笑い番組は好きなので、たまに見たりするんですが、でもここ最近彼を見た記憶はありません。一発屋だったお笑い芸人が、今はコンビニでバイト生活、なんて話も聞いたこともありますので、ちょっと興味があって続きを見ていました。

すると、、、最近の最高月収は260万円。年収は1000万円を超え、スカイツリーが見える都内の4000万の高層マンションに住んでいる、とのことでした。「それこそ中華料理店かラーメン屋でも始めて儲かっているパターンか!?」と思いましたが、どうもそうではないようです。テレビの露出はピーク時より減ったものの、今もなお営業に引っ張りだこで、仕事のスケジュールは半年先まで埋まっている。とのことでした。

そのまま続きを見ていると、、、彼は”ある1つの戦略”をとって、今もなおお笑い芸人として稼ぎ続けていたのでした。それが、僕たち中小企業が生き残る戦略としても使える方法だと思ったので、今日はその戦略をシェアしたいと思います。

「AMEMIYA」が取った、他とは違う戦略とは!?

かつて大ヒットした1つのネタでブレイクしたいわゆる一発屋芸人。その中にはその後、一発屋のイメージを払拭しようと芸風を変えて失敗する人…調子に乗って大御所と呼ばれる人に嫌われて干された、なんて噂が立つ人…実は引退して第二の人生を歩んでいる人…などさまざま。そんな生き残り続けることが難しい「お笑い」という世界で、彼はどうやって今も稼ぎ続けているのでしょうか?

その戦略とは、、、彼はブレイクした「冷やし中華はじめました」というネタをカスタマイズして、お客さんオリジナルの曲を作って提供する、という売り方に切り替えたのです。

どういうことかというと、依頼人のお客さんを徹底的にリサーチし、その情報を使って「冷やし中華はじめました」の替え歌のようなものを作って歌う、ということです。例えば、結婚する新郎新婦二人のエピソードを使った替え歌を作って、それを結婚式の披露宴や二次会でプレゼントとして生で歌ったり。企業の周年祝いのパーティに呼ばれて、その会社の歴史やローカルネタを使って替え歌を作って、余興として歌ったり。これが、テレビで見たことのある「冷やし中華はじめました」の替え歌で、自分だけのオリジナルソングを作って歌ってもらえるということで大人気、ということなんです。

僕は彼のこのやり方を聞いたとき、これは中小企業が生き残る戦略としても使える方法だな、と思いました。

というのも、例えば、今は低価格でどれだけお客さんを集められていたとしても、いずれ価格では大手には敵わなくなりますよね?規模の経済が効く分、価格で長期的に大手に勝ち続けることは難しいでしょう。

また、新しいアイデアの商品やサービスを開発してヒットしたとしても、大手にすぐにマネされた、なんて話はよく聞きますよね?ヒト・モノ・カネのリソースは大手の方が潤沢にあるので、それをマネしてもっと高性能や高品質の商品を作られたら敵わないでしょう。そういった意味で、中小企業が価格や商品で長期的に勝ち続けるのは、難しい場合が多いのではないでしょうか?

ではどうすれば生き残れるか?

その1つの方法が、「顧客に合わせる」という方法です。ここでは、顧客に合わせる3つの方法をご紹介したいと思います。

(1)ニッチ、専門化する

お客さんはより専門化されたものを欲しがるものです。もし、あなたが整体院を経営しているのなら、「社長のための集客セミナー」よりも「整体院のための集客セミナー」の方が参加したいと思いますよね?そんなふうにニッチ化、専門化が進んでいる業界は、例えば、女性ファッション誌業界があります。

男性の方はご存知ないかもしれませんが、女性ファッション誌には、「赤文字系」「青文字系」「紫文字系」「黒文字系」と呼ばれている4つのジャンルがあるそうです。ざっくり言うと、男性にモテそうな「赤文字系」、個性的な「青文字系」、赤青の良いとこ取りの「紫文字系」、カッコイイ大人ギャル系の「黒文字系」ということなんです。ただ「20代前半の女性向けのファッション誌」よりも、こんなふうに専門化されていたら、もちろんそっちの方が自分にピッタリの情報が得られることが期待できますよね?それに、専門化した方が信頼してもらって、プロっぽい印象を受けてもらいやすいでしょう。

(2)お客さんに合わせてカスタマイズする

これは、先ほどご紹介したお笑い芸人の「AMEMIYA」がやった方法ですね。彼は、お客さんに合わせてカスタマイズした歌という商品を作って、それを提供する、というビジネスで成功しました。他には、一戸建ての住宅もそうですね。1つのテンプレというか型で作られた「建売の住宅」に対して、お客さんの要望に合わせて作るのが「注文住宅」です。

おそらく、一般的に、カスタマイズして作る商品の方が、手間と時間がかかるので大量に生産できませんが、その分、高価格で売ることができるでしょう。人材や設備などに多大なコストがかかる大手は、ある程度効率化を重視せざるを得ないでしょうから、これは中小企業だからこそできる戦略と言えるのではないでしょうか。

(3)レコメンド(推薦)

2番目の「カスタマイズ」が、お客さんの要望に合わせた商品やサービスを作って提供する方法に対して、この「レコメンド」はお客さんに合った商品を紹介してあげる、という方法です。

この方法で有名なのが、アマゾンのレコメンド機能です。例えば、アマゾンでダン・ケネディの「億万長者のビジネスプラン」という本を検索すると、このように「よく一緒に購入されている商品」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という欄に別の商品が紹介されます。

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これは、アマゾンでこのダン・ケネディの「億万長者のビジネスプラン」という本を買った人が、他にどんな本のページを開いたか、どんな本を買っているか、というデータをもとにオススメ商品として紹介しています。

こうすることで、お客さんの方からしたら、欲しい商品や情報を探す手間なく、すぐに見つけることができますよね?僕も、アマゾンでボールペンを購入した時に、そのボールペンの替え芯が紹介されていて、買った経験があります。もともと一緒に買いたいと思っていたので、探す手間が省けて便利だなー、と思いました。

レコメンドで「ついで買い」を促す

このレコメンド機能は、もちろん売り手側としてもメリットがあります。というのも、今のボールペンの例で言えば、ボールペンを買いたいと思って探した人が、替え芯も欲しいとは思っていない場合があり得るからです。でも、「これを買った人は替え芯も買っています」という情報を知ることで、「あ、たしかに必要だな。一緒に買っておくか。」と「ついで買い」してもらって、客単価を上げることができるからです。

これは、小売店ではよく使われている手法です。僕は前職でシステムエンジニアをやっていて、そのときにスーパーやドラッグストアなどの小売店の売上分析システムというものを作っていました。このような小売店の売上分析システムの中には、レジと連動させてオススメ商品のクーポン券を出す、というものもあります。

例えば、オムツを買った人がレジでお会計をすると、レシートと一緒にビールの割引クーポン券が出てくる、といった感じです。(余談ですが、小売店業界では、スーパーでオムツを買った人はビールも一緒に買う、という話がなぜか有名で、よく言われます。)小売店の業界ではIT化がどんどん進んでいるので、もしかしたら今では、売り場で商品を手に取った瞬間に、今、手に取った商品とよく一緒に買われている別の商品の紹介が商品棚から音声で流れてくる…なんてこともあるかもしれません。

また、この方法は、店頭で購入するような小売店でなくても、サービス業など他のビジネスでも使えるでしょう。例えば、美容室でヘッドスパを受けた人に、スカルプケア用のシャンプーのダイレクトメールを送る、なんてこともできますよね?

かつては街の魚屋でも普通にやっていたレコメンド

もしかしたらあなたは、こういったレコメンドは、難しいデータ分析が必要だと思われるかもしれません。たしかに、スーパーなどの小売店は、1日に何万とか何百万といった単位の取引があるので、とてもじゃないけど、コンピュータを使わないと、その分析はできないでしょう。

ですが、すべてのビジネスで、必ずしもコンピュータを使ったデータ分析が必要、というわけではありません。サービス業などでは、エクセルや手動の計算でも十分な場合もあるでしょう。振り返れば、昔は街の商店街の魚屋に行くと「奥さん、新しい魚が入ったよ!」と常連のお客さんに合わせて商品をオススメしていました。これも立派なレコメンドですよね?でも、街の魚屋さんはコンピュータを使っていたわけではなく、記憶していたはずです。ですので、せめて、手書きで記録するくらいで、まずは十分だと思います。

以上、商品やサービスをお客さんに合わせる3つの戦略をご紹介しました。いずれも大手よりも中小企業向けの戦略と言えると思います。ニッチ化・専門化は大手には市場が小さ過ぎる場合もあるでしょうし、カスタマイズやレコメンドは、手間や時間がかかるので、効率を求める大手ではなかなか実践しにくいでしょう。

もしあなたが、低価格競争に陥っていたり…今はいいけど、このままだといずれ先細りするかも、と思っていたり…市場を大手に奪われつつあると感じているのなら…この3つの戦略を考えてみてはどうでしょうか?

– 藤岡将貴

藤岡 将貴

大学卒業後12年間、システム・エンジニアとして自社開発プログラムの企画・開発に従事。その中で、いかにして商品を売るかを模索してきた中で、セールスライティングの技術にその可能性を感じ、【ザ・レスポンス】の「12週間セールスライティング通信講座」でセールスライティングを学び始める。その後、2013年に第1期メンバーとして参加した「セールスライター養成講座アプレンティス」をキッカケに、翌2014年にダイレクト出版に入社。寺本隆裕の監訳本のPPC広告担当を経て、現在は、ダイレクトメールの企画・作成を主に、プロモーションの企画とセールスライティングを担当。

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