トップ > ブログ >  > 差別化戦略:付加価値のワナ

差別化戦略:付加価値のワナ

2016.6.14 | ,
  •  

From:山田光彦

競合。
あなたと同じような商品を売っていて、顧客を奪い合っているところ。

そんな競合は、あなたにとってあまり気持ちがいい存在とはいえないでしょう。とはいえ、現実には、あなたのビジネスが儲かるなら、競合がいなくなる、なんてことはありません。儲かるビジネスであればあるほど、新しい競合は次々に参入してくるもの。

もしかすると、あなたのビジネスにも競合が増えてきているかもしれません。そこで、今日は顧客に競合ではなく、自社を選んでもらうための差別化戦略の中で、僕が好きな方法をご紹介します。
まず、その方法の話をする前に、いくつか事例を紹介させて下さい。

競争が激しい業界の差別化戦略

競争が激しい業界というのは、いろいろありますが、そのひとつが家電業界でしょう。テレビや掃除機、洗濯機などなど、似たような商品が大量に出回っています。

その中でも、今までになかった付加価値を商品につけることで、ヒット商品が生まれてきています。たとえば、電子レンジで言うと「ヘルシオ」。なんでも過熱水蒸気を使った調理をすることで、食べ物の余分な油や塩などを落とせるので、ヘルシーな調理ができる。そんなコンセプトを打ち出すことで、ヒット商品となりました。

その後、電子レンジは「2品同時あたため」「かんたん煮物」「両面焼き」機能が付けられたり、「ヒーター加熱、過熱水蒸気加熱、この2つを組み合わせた3つのタイプから、オーブン機能を選べる」しかも、、、、、といった具合に、書いていけばキリがないぐらい付加価値がどんどん追加されています。

こんな風にどんどん機能が追加されて、できることが増えています。こういう風になっているのは、電子レンジだけではありません。

たとえば、テレビのリモコン。昔はチャンネルと音量、テレビ/ビデオの切り替え、あとは電源ぐらいしかなかったように思うのですが、今では数えきれないほどのボタンが付いています。携帯電話もそうですね。たくさんの機能が大量に搭載されています。ですが、、、

付加価値のワナ

僕だけではないことを願うのですが、テレビのリモコンで「これはいったい、なんのボタンなんだろう??1回も使ったことないけど、、、」といったことになっていたり、携帯電話でいえばメールと電話、あといくつかのアプリを使うだけ、、、あとの機能は正直良く分からない、なんて状況に陥っています(僕はひどい方だと思いますが)。

他にも、掃除機でいえば「サイクロン式」と「紙パック式」があって、掃除機の先についているヘッドの種類も「パワーブラシ」「タービンブラシ」「床ブラシ」があって、静かなのがあって、フィルタのお手入れを自動でやってくれるのがあって、、、という具合にどんどん付加価値が追加された商品が出てきています。

ですが、僕には意味が分かりません。僕があまりにも使いこなせていないだけ、ということが原因の可能性ももちろんあります。特にスマホなんかはその可能性大ですw

でも、僕みたいな人。「ちょっとついていけないな、、、」「そんなたくさんの機能はいらなんだけど、、、」そんな人がある一定数になると、こんな商品がヒットすることがよくあります。

原点に戻る

「掃除機はやっぱり吸引力でしょ。それはウチが一番です」そんなことをアピールして大ヒットしたダイソンの掃除機。競合がいろんな付加価値を付けて競争している中で、原点に戻ることで大ヒット商品が生まれました。

他にも、これと似たような事例はいろいろあります。

いろんな機能が付いているノートPCに対して、あえてテキストを入力するというワープロ機能だけに絞って、小型化、軽量、2秒で立ち上がるなどを打ち出してヒット商品になった「ポメラ」。通話やメールといったシンプルな機能だけに絞ったヒット携帯電話「らくらくホン」。ちょっと業界は違いますが、マッサージなど色んなサービスが増えてきた美容室業界で、カットのみに特化したQBハウスなどなど、、、

しかも、この原点に戻るようなシンプルな商品コンセプトのいいところは、競合が付加価値をつければつけるほど、ガンバれば、ガンバるほど、勝手にその違いが目立つようになるということ。相手がガンバるほどこちらも強くなる、合気道みたいな商品コンセプトなんですw

あなたももしかすると社長・起業家として、こんなことやあんなこともやってみたい。新しい商品やサービスを試したい。そんなアイデアマン・タイプかもしれません。きっと商品をよりよくするためのアイデアをいくつも持っているでしょう。しかも、ビジネスをずっとやっていると技術やスキルが上がってきて、ちょっと前にはできなかったことができるようになる、なんてこともあるでしょう。でも、それが行き過ぎてしまうと逆効果になってしまうこともあるんです。

みんなの逆へ行く

付加価値を付けて差別化するか。あえて付加価値を減らすことで差別化するか。そのひとつの目安になるのは、競合やライバルはどっちの方向に行っているか、ということ。

よく言われている言葉でいくと「みんなと逆のことをやれ」「ナンバーワンと逆のポジションを取れ」ということです。つまり、競合が付加価値をドンドン追加しているなら、自分はシンプルなコンセプトで勝負する。逆に、競合がシンプルなことしかやっていないなら、付加価値をつけていく。

これがひとつの目安になるでしょう。

そして、もう1つ。最大のポイントは、顧客に注目すること。付加価値をつけるにしても、付加価値を削るにしても「それを顧客が求めているか」。これがすべてといってもいいかもしれません。(ちょっと残念ではありますが)売り手がいくら大切だと思っている付加価値も、顧客がいらないといえば、いらないわけですから。

・あなたの業界での競合はどんな差別化をしているでしょうか?
・あなたはどんな付加価値を付けますか?それとも付加価値を削りますか?
・それを顧客は求めていますか?

売れる商品コンセプトを見つけることができれば、セールスがかなり簡単になるので、ぜひ一度やってみてください。

PS.
売り手が重要だと思っている。けど、顧客にはなかなか伝わらない。そういうわかりにくい価値でも、本当に価値があることなら、それを顧客にきちんと伝えるのは、マーケターやセールスライターの仕事ですねw

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

山田光彦の記事一覧

ブログ一覧へ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします

ページトップへ
Loading