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広告の基本

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From:小川忠洋

From:小川忠洋

西宮のオフィスより、、、

 金太郎???先日、大阪梅田駅のど真ん中でどでかい金太郎がいるのを発見。なんだろう?と不思議に思って見てみると、近くに桃太郎がいる。そして、浦島太郎もいた。。。ははぁ〜ん。またどっかのバカが作った無意味極まりない広告だな、、、と思い、そのどでかい金太郎のポスターをくまなく見ると、下の方に小さく、、、

AU

 と書いてあった。。。AUか。。。え?これもしかして、エーユーと英雄とかけてるのか!!??衝撃だった。。。ぼくはソフトバンクのiPhoneを使っているが、もしAUだったら恥ずかしくて即座に解約したいと思うくらいのインパクトだ・・・

 おそらくソフトバンクの犬の広告に対抗したのか何なのかで作ったんだろうが、、、まぁ、ダメすぎるだろと。。。この広告みてAUっていいなぁAUにしたいなぁと思う人はいるんだろうか。。。謎すぎる。。。ってかどーしょーもない広告をこれだけ大胆にカネをかけてやるわけだから、ホントにカネを燃やしているようなもんじゃないか。。。

 ちなみに広告の3大巨人と言われるセルジオジーマン(元コカコーラ)の言葉を借りても、「広告の目的は売ること」それ以外にない。この広告で売上が伸びないなら、どっかの自分はクリエイティブでかっこいいと勘違いしている輩の自己満を満たしただけである。

 当の本人だって、自分のビジネスだったらこんな広告は出さないだろう。賞か何かを狙って、「オレの才能を見せてやった」広告じゃないか。だめすぎてため息しかでない・・・

 ちなみに同じ大企業でも、アップルの広告は最高に良くできている。アップルの広告はそれを見たら、アップルの商品が売れるようにできている。めちゃめちゃ良くできている。天才的な広告だ。それに比べて、、、はぁ、、、恐らくアップルの広告と自分の広告の違いも分からないんだろうなぁ、、、

広告の目的は売ること。それ以外にはない

 大切な事は、こういう事をわれわれが真似しない事。(良い子は真似しちゃダメよーであるw)エーユーの広告は微妙すぎて真似しちゃダメ。アップルの広告は天才的すぎて真似しちゃダメ。ザレスポンスの読者であるあなたは、おそらくダイレクトレスポンス広告しか目に入ってないだろうから、忘れているかもしれないが、、、世の中、大半がこんな広告だ。(しかしインターネットがそれを変えつつある。昔、インターネットマーケティング最強の戦略という本にも書いたが、インターネットはダイレクトなメディア、ダイレクトレスポンス広告しかない、、、くらいのメディアだ)

 しかし。。。しかしこんな偉そうな事を言っていても、「そんなの当然だろ」と思っていても、、、ぼくらも同じ罠にはまることがあるので気をつけなければいけない。特にカネに余裕がでてくると、どうしても「エゴ」を満たしたい欲求が強くなる。そして最悪のケース、そのエゴは、広告を使って満たそうとしてしまう。

 売れる広告よりも、かっこいい広告を作ろうとしてしまう。これはいわゆる「能力証明」のための広告で、そんなのは、まちがいなく悲惨な結果に終わるだろう。たとえば、良くある間違いが、

  • ベネフィットをアピールするよりも、好奇心にアピールするようなイケてるヘッドラインを書こうとしてしまう…
  • メッセージそのものよりもイメージにこだわってしまう・・・
  • 気の利いた(シャレてる)言葉や言い回しで表現してしまう・・・

 このような間違いは、レスポンス広告を書いている人間だってやってしまう。だってハッキリ言って、ベネフィットをどーんとアピるヘッドラインとかって、かっこ悪いのよ。大抵。だからカッコ良く、いわゆる糸井重里のようなコピーライター風の、ヘッドラインが刺さるとか思って書いちゃうわけ。そうすると、大抵刺さらない(笑)そして刺さったとしても、買わない(笑)(笑)

 小洒落た言い回しなんかもね、それを言ってる側は、いい気になってるけど、受け取る側は「???」だからね。だいたい小洒落た言い回しとか、言葉って、仲の良いもの同士だって、理解まで一瞬の「間」があるでしょ。瞬時に理解して「おおー」って腹落ちすることってほとんどない。たとえば落語とかで、めちゃめちゃうまい落ちを言った時とか(ねずっちを想像してもらうと分かるw)ちょっと考えて、あーなるほど上手いなぁ〜って思うはず。

 それって、仲の良いもの同士だったり、落語家と聴衆の中盤から落ちの部分だったり、めちゃめちゃラポールができてる状態だからね。見知らぬ人が広告をチラッと見る時とは全く違うでしょ。言うなれば、落語家が寄せの席で最後の落ちを言うのと、新宿で見知らぬ人に向かって言うのでは、全然違うよね。

 だからこそ、小洒落た言葉や言い回しってのは、広告において、特にヘッドラインにおいては基本NGなわけよ。意味分からんもん。その意味を分かろうともしないから。

 だからどんなにかっこ悪くても、売るために「ベネフィット」相手のメリットを伝えた方がいいわけ。

「この言い回し、この言葉考えた人、天才じゃないか?」

 と思われたい気持ちはわかるけど、そう思われたら負け。その広告は失敗。どう思われなきゃいけないかっていうと、そりゃー決まってるでしょう・・・

「これ欲しいっ!」

 しかない。つまり、これ欲しいって思う人は、どんな言い回し使ってたか、どんな言葉を使ったか何か記憶にないのよ。記憶にあるのは「この商品すげぇ」「これ買ったら○○できるかも」つまり商品のことと、自分の願望のこと。

 エーユーの広告は、めちゃめちゃシャレが効いてるよ。英雄とエーユーだからね。「へぇ〜こんな事、考えるやついるんだぁ〜」って思ったよ。。。

 でも買わない。

 AUのケータイの魅力、1ミリもupしてない。ベネフィットの臭いもしない。ソフトバンクがシェアをがんがん伸ばしたのって「無料通話」でしょ。ベネフィットじゃん!そして、個人的には最近は「やっぱドコモの方が回線とか早いんかなぁ」とかってドコモに魅力を感じつつある・・・ベネフィットです。

 「いいから黙って売ってこい!」

 最高の格言である(笑)

ーおがわ

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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