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経営者の本能

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From:小川忠洋

From:小川忠洋
西宮のスタバより、、、、

先日、ロイスと話をしててオモシロイ話を聞いた。というのも、ここ最近「やること」「プロジェクト」が多すぎて、なんだか、頭がパンクしてる感じがしていたのだが、、、

ま、ここ最近に限った話ではなく、ここ数年ずっとこんな調子ではあるが。。。

これは会社、事業としてってのもあるけど、「個人」の仕事のレベルに落としても、同じことが言えるだろう…これは、現代人特有の病的症状だ・・・ネットとかスマホとか技術が発展して、同じことを昔よりも速く、効率的にできるようになった。

しかし、それで生活がシンプルになっていったか?というとそれは逆で、どっちかっていうと、忙しさはどんどん増殖してる感じだ。なぜだろう???

恐らく、昔より速くできるようになった結果、「もっと」「もっと」と自分から多くの事を求めて、「あれも欲しい」「コレも欲しい」というような買い物依存症みたいになったんじゃないかと。。。

アレもやりたい、これもやらなきゃ…

そんな風にしているうちにtodoリストが積み上がって、やればやるほど忙しくなる状況になったんじゃないか。。。

しかしエクセレントな企業はたくさんの事を上手くやっているというよりも、、、一つの事を圧倒的に上手くやっているという事がほとんどだ…

スタバはコーヒービジネスを他社を圧倒するレベルで実行している。が、コーヒーしかやっていない。

一時期、このコア以外のところに出て行ってブランドはボロボロになり散々な目にあっている…音楽事業もやっていた。ちょっとハンバーガーみたいなフードに偏っただけでコーヒーはめちゃくちゃになってしまった…考えてみてほしい。コーヒーとバーガーだったら、そんなに事業ドメインとして離れていない。コーヒーとパソコン事業をやっているのとはわけが違う。しかし、たったそれだけの「寄り道」でも、優秀な事業からダメな事業に転落してしまう…

ブランドを作るのは10年以上かかるし、大変だが、それが転落するのには、1年も必要ないという事を目にした…ちなみにだが、USスタバの株を昔買ったんだが、購入した時は$37くらいだった。それが、その頃あっと言う間に$16くらいまで落ち込んだ…

あ~あ。やっちゃった。と思いながらも、ハワード・シュルツに惚れ込んでいるので、いつか復活するだろうと放置しておいた。そして、ハワード・シュルツがCEOに復活して、コーヒーに再び、集中した。それからスタバはまた絶好調で、現在の株価は$66までになった。(ヤッター♪)

一つの事をとてつもなく上手くやっている会社がエクセレントな会社になる…という手本のような事例だった。

増やせば売上アップ?

大幅に話が逸れて、戻ってこれない感があるが(汗)再びロイスの話に戻ろう。集中しなければならないのは分かるが、とてつもなく難しい。どうすればいいか。ちょっとロイスに聞いてみた…

「どうやって一つの事に集中し続けのか?」

ハッキリ言って、ものごとをスタートするのは非常に簡単。しかしものごとを”やらない”と決めたり”断捨離”したりするのは非常に非常に難しい。

するとオモシロイ話を教えてくれた。

一時期、FC社ではSKUが30,000以上にもなった事があると。SKUってのは在庫の種類ね。要するに3万種類も商品があったと。。。

「あれ?FCって企業研修の会社じゃなかった?なのにそんなに商品があるの?」

と聞くと、マニュアルやら手帳やノートや鉛筆やら鉛筆には色が何種類もあってetc,etcって事らしい。。。

んで売上は上がったかというと、
まったく上がってはいなかったと。

なぜなら、在庫が3万種類に増えたからと言ってお客は「いろいろ買う」わけではなく、「いろいろ選べる」ようになっただけだからだ。

選択肢が増えただけで、
購買単価が増えるわけではないと。。。

なので、それからSKUを3万から2~3000に減らしたと。その量たるや、10分の一以下だ。想像してみて欲しい。あなたの会社の商品点数が10分の1以下になることを…

かなりドラマチックな事じゃないか?

さて、そうしたらどうなった?もちろん利益は上がった。そりゃ間接コストが大幅に減るからね。利益は向上して当然だろう…

驚いたのは、売上も向上したという事だった。直感的に言えば、売上は下がりそうなものだが、、、売上も利益も向上したとの事…なぜか?お客が選ぶの簡単になった。売り手が一つの商品を売るエネルギーが増えたetcetcなどなど様々な理由があるだろうが、重要なのは、商品を減らして売上が増えた…という事実。

「増やす」事ははっきり言って誰にでもできる。「こんな事やれば上手くいくんじゃ?」「これ、儲かるんじゃないか?」しかし誰にでもできない事は「減らす」こと。断捨離することだろう。

  • 事業の断捨離
  • 商品の断捨離
  • 業務の断捨離

これをやるのは、非常に勇気がいる。そして、分析も必要だ。どれを捨てるのか?どれを止めるのか?そして、どれは続けるのか?スタートする時には必要のなかった分析がいる。

忘れてはいけない。増やすこと。は経営者の本能みたいなものだ。本能のおもむくままに事業をしていてビジネスが成功するわけがない。本能に反する、捨てることを意識しなければいけない。

その商品、その事業、本当に必要だろうか???

小川忠洋(自戒の意を込めて)

 

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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