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マーケティング最大の間違い/ダン・ケネディ・インタビュー(3)

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From:ダン・ケネディ

この記事は、ダン・ケネディがガシーレンカー社CEOのグレッグ・レンカーにインタビューしたものです。ガシーレンカー社はダン・ケネディのクライアントでもあり、年商700億円を売上げる有名なダイレクトレスポンスマーケティングの企業です。日本ではニキビケア用品の「プロアクティブ」を展開しています。

Dan: さて、重要な、広範囲に及ぶ質問をします。ご自身のことでも、観察によってでも構いませんが、最も一般的に繰り返される、またはビジネスにとって十分致命的だと思われる、マーケティングの最大の誤りは何だと思われますか?
Greg: 主としてダイレクトレスポンスで、ですか?
Dan: ええ。
Greg: そうですね、恐らく私の性格だと、絶えず対処したり戦ったりしなくてはならないものがあります。優れた企業家のほとんどが、多少はこれと戦う必要があります。それは切迫感です。切迫感は、経営者として成功するために重要なものです。みなさんは動き続けなくてはなりませんし、急がなければなりません。けれどもダイレクトレスポンスにおいて、慌てて実行するととても経費がかかるのです。なぜなら、みなさんは準備が整う前にその仕事を終らせたいし、商品がすばらしいものになる前に売り出したいからです。さらには、成功する確信があるのなら、すべての事実が手に入る前にキャンペーンをやりたいからです。

主に、成功したダイレクトレスポンスを読んだり、ダンやジョー・シュガーマンなどの専門家から学んだりして、長年かけてわかったことがひとつあります。忍耐強ければ報われる、ということです。特に、成功していると思っているときにこそ、忍耐強くあるべきなのです。じっくり時間をかけてください。焦ってはいけません。特に成果を見るのです。キャンペーンはまるで終ったかのように扱うのです。収益や再注文に目を向けるときは、キャンペーンはまるで完了したかのように分析するのです。終ってしまった事業のように、キャンペーンを思い描くのです。なぜなら、ダイレクトレスポンスでは、事実があなたを変え、事実自体がすぐに変わってしまいますから。

ふたつ目は、もう一度言いますが、ダンのような専門家から学び、何度も何度も思い出すべきことです。ダイレクトレスポンスでは初めに学ぶことのひとつです。実行すれば、いつも勝者になれます。それは、何度も何度もテストしてみるということです。

私のパートナーのビルは、テストするということに関して提案するのが上手く、新しい考えをすぐに思いつきます。価格を変える新しい方法やオファーの提示の仕方、インバウンド・スクリプトの取り扱い方などを、いつも思いつくのです。そして私たちは、ただひとつの分野に集中した結果、差別化においてすばらしい成果をあげることができました。しかし、テストの結果、いつもこう思ってください。あなたは答えを知らないけれども、消費者は知っているのだと。「直感では上手くいかないと思うけど、テストしてみるよ」という意思と柔軟性を持つ必要があります。たくさんの驚きがありますからね。そしてそれらは実り多いものです。

Dan: 効果はどのくらいありますか?インバウンド・スクリプトやその他小さなことに手を加えて、大きな影響を及ぼした例をあげてもらえますか?「大きなドアは小さな蝶つがいで動く」です。あなたに莫大な影響を及ぼした、何か小さなことを教えてください。
Greg: 小さなことはそのような莫大な影響を与える可能性があるということと、もしすぐにやらなければ、それは惨めで見苦しいものになってしまうということに気付きました。惨めで見苦しくなる理由は、企業家としての私たちは、常に全体像について考えようとするあまり、細部に注目するのを忘れてしまうからです。細部や微調整や改良に気を配れば、結果は驚くべきものとなるでしょう。

例えば、我が社には新しい方針があります。これもまた、私のパートナー、ビルのアイデアなのですが、週に一度腰を落ち着けて、主力商品のインバウンド・スクリプトをすべて再検討しています。文句や文章、オファーに手を加えます。6週間前、我が社の主力商品のアップセルで私たちが行ったことと言えば、その文章に2語加えただけです。この商品は2人の皮膚科医により提供されたもので、彼らは我が社のマーケティング・キャンペーンに目立って取り上げられています。ですからアップセルでは、ただ、「今ならこの保湿液が、2,980円です」と言う代わりに、「あの皮膚科医推薦の保湿液です」と追加したところ、売上げは2倍に伸びました。

ひとつの商品に関して年間数百万本の電話がかかってくるのですから、売り上げが2倍になれば、明らかに、驚異的に収益は拡大します。それで頭をかいてこう言います。「どうして前に考えつかなかったのだろう?」と。以前に考えつかなかった理由は、小さなことに注目していなかったからです。

インバウンド・スクリプトやコマーシャル・スクリプト、そしてヘッドラインなどの変更が挙げられますが、ご存知のとおり、我々はダンを訪ねて、チラシの中の限界を追い払ってくださいとお願いし、ヘッドラインを変更して、自分たちの限界をなくすのを手伝ってくださいとお願いしました。これらの些細なことに注目すればするほど、ひとつの小さな変更、それが全体の量のわずか2~3%の増加だったとしても、みなさんの事業に莫大な影響を与えると確信しています。

アウトソーシングに関する考え方

Dan: いいポイントですね。それがマーケティングです。それを企業家的な問題に広げましょう。ご指摘のように、お二人の会社は巨額の経費がかかります。ですがアウトソーシングも多くなさっていますね。外注に対して社内でやることに対する考え方や、プロジェクト組織、人・お金・資源管理に対するガシーレンカー全体の考え方を教えてください。あなたがたのすばらしい発見、あるいは何度もやってしまった大きな過ちがあれば、お願いします。
Greg: そうですね、今あなたが述べられたすべてのことをちょっとずつやりました。初めはすべてをアウトソーシングし、それから社内に吸収しました。そしてまたアウトソーシングに戻しました。そして現在は、まさかとお思いでしょうが、元に戻ってまた社内でやっています。特に、商品の注文から発送までの管理運営業務、製造、カスタマー・サービスなどの分野についてお話します。多くのことがあなたのビジネスと関係がありますね。

例えばもしあなたと私が明日、スキンケア部門の新しいビジネスをゼロから始めるとするなら、間違いなく第一段階からすべてを外注するでしょう。そして商品が売れ、利益が劇的に伸びた場合、もしヒット商品があって、それがこの先も売れ続けることがわかっていれば、インソーシングを始めるでしょう。そしていずれこう言うかも知れません。「あれは上手くいかなかった。商品管理運営部門をインソーシングするのは必ずしもすばらしいアイデアではなかった。少し利益があったが手間も増えてしまった。それはやめて、テレマーケティングを社内でやろう」と。そして、そのとおりにしてこう言います。「わあ、20%も売り上げを伸ばしたし、カスタマー・コミュニケーション管理もさらにすばらしくなった。それをするべきだったんだ。」そして、それが発展すると、「ああ、ずっとそれにかかりっきりだ。エネルギーも資源も。それをまた元に戻して、別の部門を持ってこようかな。」

ですから、絶え間なく続く潮の満ち引きと同じです。何が内部で、何が外部かについて堅苦しいルールはありません。予測可能な、再発する、安定した収益が見込まれないのでなければ、すべてをアウトソースしてもさしつかえありませんし、もしそうすればきっと、やって良かったと思うでしょう。そして、収益の点は期待しないことです。なぜなら、もし手に負えなくなって、続ける理由がないなら、経費の心配をして必死になってその削減方法を見つけ出すより、ずっと良いでしょう。

次回「インターネットについて、ダン・ケネディが知らない事」へ続く…

 

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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