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100億円の男の秘密:その2

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今日は、先日の日曜日にお届けした池本さんと小川との対談の、続きをお届けします(日曜日の記事はこちら)。

前回の記事のトピックスは、

  • 人材の採用には時間とエネルギーをかけよ。
  • 人材の選択のポイントは、第一に「素直さ」第二に「向上心」。
  • 面接のときに必ず聞く質問は、「将来、自分はどこで何をしていますか?」
      (30年後くらいの遠い将来)
  • などなど、、、でした。

今回はその続きです。

それでは、今回の記事をお楽しみください。

小川 : シーラボのときは何人ぐらい、社員は何人ぐらいまでいっていたんですか。
池本 : いちばんたくさん人がいたころは、250 人ぐらいではないかと思うのです。
小川 : 250 人? きついですね。
池本 : きついです。
小川 : 250 人はどうなんですか。マネジメントしたというか、一人ひとり育てていくわけでしょう。
池本 : そうです。だから、どこまで自分が、例えば社長だったときに、素直さというポイントで人を採用できるのを継続できるかだと思うのです。だんだん人が増えてきて、採用する人数も多くなってくると、だんだん甘くなってくるというのは、1回1回の面接の基準が甘くなるのではなくて、3回社長面接をやっていたのが、2回になり1回になる。アルバイトさんとか正社員ではない人は幹部役員の面接でいいとか、そういうふうに、実際問題だんだんせざるを得なくなってくると思うのです。
小川 : 時間の関係で。
池本 : 時間の問題もあるし。15 分しか社長は会えないとか、そういうことはもう物理的に想像できると思うんです。そうなったときに同じ基準で選べる人、つまり自分の代わりに同じ基準で採用できる人をちゃんと育てて21おかないと、緩くなってくると思うのです。僕は、理想は幹部社員からアルバイトまで、同じ基準で一貫して採用ができるのが理想だとは思うんですけれども、でも、これは人から人へ基準をコピーしていくのはすごく難しいですね。
小川 : 難しいでしょう。
池本 : 人によって、やはり選ぶ傾向は違うし、簡単に言うと好き嫌いがありますから。
小川 : 池本さんにとっては、会社を大きくする上で、いちばん重要なのは人材なんですか。
池本 : 僕は人材です。
小川 : 何割ぐらいですか。
池本 : 半分以上です。
小川 : では、いい人材をピックアップするのが、社長としての最大の仕事なわけですか。
池本 : そうだと思います。それがあって、いい人材が揃ったらどうにかなります。例えば、商品がまだ無くても、商品を作るところからできる人たちが集まってしまえばできるけれども、いい商品があっても売ることができる人、いい人がいなければ物は売れていかないわけです。となると、やはり人が先かなと思うのです。
小川 : 会社が本当に小さいときでも、それだけ厳しくするんですか。
池本 : やらないと、たぶんスピードが付かないと思います。
小川 : それがスピードになるんですか。
池本 : はい。だって、さっき言ったとおり、例えば、3人で始めたら会社のすべての責任は3分の1ですからね。
小川 : はい。その3分の1が優秀か優秀でないかで決まる。
池本 : それでほとんど決まってしまいます。
小川 : 僕らの中ですと、会社が小さいといい人材は来ないというか、たぶん思いこみだと思うんですけど、あると思うのです。たぶん、みんなそういう人たちが聞いていることがあると思うのですけれども、それは、実際のところはどうなんですか。
池本 : 普通のことをやっていたら来ないと思います。例えば、新聞に広告を打って「こういう会社で規模は小さいけれども、給料は安い」と。(笑)「でも夢はあって将来こんなふうになりたい」と。
小川 : 夢だけ大きいみたいな。
池本 : 「だから一緒に働きませんか」と。だから、普通に、例えば、転職しようと思っていたときに日経新聞の人材募集欄を見て、履歴書を送って電話するかと思うと、僕はもうしないと思うのです。
小川 : そうですね。
池本 : でも、逆に小さい会社の経営者の方でも、取り引きしてくれている会社の方とか自分の知り合いとかそういう中で、この人いいなとか、こういう人がうちの会社にいてくれたら、助かるなと思う人はいると思うのです。その人をいかに口説くかです。
小川 : ほう。口説くんですか。
池本 : 口説くのです。「来てくれ」「一緒にやってくれ」。そうしたら新聞に広告募集を出すコストはかからないです。
小川 : それは、問題は起きないですか。大丈夫なんですか。
池本 : いいえ、黙って引き抜いてしまえば問題が起きるかもしれないです。でも、例えば担当の社長さんのところに、相手の会社の社長さんのところに話をしに行くとか。
小川 : 「あの人がほしい」と。
池本 : そうです。実はこういうことをご本人とお話して、本人もオッケーした後、例えば、「うちの社長の問題があります」とか、そういうことはあると思うのです。
小川 : なるほど。
池本 : そうしたら、ちゃんと挨拶をしに行くとか、仁義を切りに行く。それぐらいのことをやらないと、小さい会社で、でかくなろうなんて、そう簡単なものではないです。そういうことをやったらいいと思うのです。
小川 : ちなみに、いい人材というところで、例えばその人が、その人の持っているスキルとかは一切考慮しないですか。
池本 : 考慮はします。一切しないかというと、します。でも、それよりも先に人間性を見ます。そこがよければ何とかなる。
小川 : 確かにね。
池本 : 特定のスキルだけよくても、そのスキルがかみ合わなかったらどうにもならないです。何かの技術を持っているから、その技術がほしくて招き入れたとか、「一緒にやろうぜ」とか言って入ってもらったんだけれども、実はその技術は自分の会社にフィットしなかった。あるいは周りの社員とうまくやれなかったとか、そうしたらもうそれでだめでしょう。
小川 : そういうときに、ベースがないとだめですね。
池本 : そうです。修正できないです。
小川 : ベースがしっかりしていれば、他の方向でも。
池本 : あるいは、違う仕事を与えてもできるかも知れない。さっき言ってたように、学んでもらって追いついてもらうこともできるかも知れない。そこの違いはあります。
小川 : やはり、採用ということに対してそこまで考えているということは、たぶんいろいろご自身でも調べていたわけでしょう。何かいいリソースというか、お薦めの本でも何でもいいんですけれども、これはすごい役に立ったというものはありますか。
池本 : ありますよ。『最強組織の法則』。外国の翻訳された本です。ピーター・センゲです。
小川 : たまたまありましたね。ピーター・センゲ。『最強組織の法則』。
池本 : 徳間書店から出ていますね。これはいいです。
小川 : 最近のビジネスとは全然関係のない。他は、これがいちばんよかったですか。
池本 : これがいちばんよかったですね。
小川 : ちょっと人材の話が長かったんですけど、次、いきます。もう一つ、皆さんの質問で多かったのはモチベーションのことです。これがおもしろい。「池本さんはいつも壮大なことを考えて行動していらっしゃるのでしょうか。それとも、目の前のことを考えて行動していらっしゃるのでしょうか」、これはおもしろいです。林さんからです。僕もちょっとこれは興味があります。
池本 : なるほど。どちらかと聞かれたら、壮大なことを考えています。ほとんど妄想です。(笑)
小川 : ちなみに、今はどんな妄想を考えているんですか。
池本 : 200億、百何十億とかぐらいの企業をやったことがあるので、もう一ケタ上の仕事がやりたいなと思います。1000億の売上ってどんなふうになるかというのをやってみたいです。
小川 : ほう。尽きないですね。100の次は1000。
池本 : 1000億。100の次は200じゃないだろうと思って、もう一ケタ上をやりたいです。
小川 : 1000億といったら何でしょう。ホットペッパーとか。
池本 : ホットペッパーって1000億もあるのでしょうか。
小川 : 確か1000億ありますよ。
池本 : ネットプライスの佐藤さんという社長がいますけれども、小売業の世界だと1000億売って、やっとトップ100ぐらいなのです。
小川 : えっ?マジですか?トップ100?100ですか。
池本 : だから、1000億いくと一人前です。
小川 : それは日本ですか。
池本 : 日本です。だから田舎で数十店舗やっているぐらいのスーパーぐらいで、たぶんいっていないと思うのです。
小川 : ちなみに、今ネットプライスはどのぐらいあるんですか。
池本 : 120~130億でしょう。全然、まだです。グループのいろいろなものを集めるともうちょっとボリュームは出てきますけれども、それでも1000億にはまだ全然届かないです。
小川 : でも、小売りというのは、要は今までのタイプの、昔のタイプの小売りですね。
池本 : それも入っています。今だといちばんはヨーカドーですか。イオン、ヨーカドー、ダイエーみたいな会社が上のほうです。その次に百貨店があってという感じです。スーパーがあったりディスカウントがあったり、ドン・キホーテみたいな会社があったり、そういう感じです。
小川 : なるほど。利益率はだいぶん低いのではないですか。
池本 : まあ一ケタの会社がほとんどでしょう。スーパー。
小川 : それから思うと通販の会社とかで効率良かったら、だいぶん高いのではないですか。
池本 : そうですね。利益を追いかけようと思ったら、やはり粗利が高いものを扱わないと残らないので、そこはちょっと考える必要があるかも知れません。
小川 : 通販をやるのは、やはり粗利はどれぐらい必要だと思いますか。
池本 : 通販やるなら粗利はどれぐらい必要か。
小川 : 商品を選ぶときに、だいたい僕だったら最低8割ぐらいないと、きついなという感はあるんですけど。
池本 : 通販でものを動かす、最低50でしょう。
小川 : 50でいけるんですか。
池本 : はい。最低50です。
小川 : 50でいけるんですか。
池本 : はい。できたらそれは多いほうがいいですけれども、ギリギリで行けるとなると、やはり50ぐらいはないと。でも、よほど効率よく広告コストを回さないと利益は残らないでしょう。
小川 : ぶっちゃけ、ぶっちゃけていいのか分からないですけど、シーラボの最初のころ扱った商品は、どれぐらいあったんですか。
池本 : 商品粗利はやはり80です。
小川 : それぐらいないときついですね。
池本 : はい。ないときついと思います。それぐらいだと、わりといろいろなことがチャレンジできるんです。70、80は欲しいです。
小川 : 中小企業はだいたいそうですか。
池本 : そうです。シーラボの場合も公開されているから、その資料を見て算出するとそれぐらいになっている。
小川 : そうですか。ぶっちゃけなくても大丈夫。
池本 : もう公開しています。それは他の化粧品会社も似たようなものだと思います。ただ、研究開発費を原価に盛り込んで、ちょっとふくらましているケースがあるかも分からないです。あまり粗利が高いと、消費者からのいろいろなご批判があるといけませんから。
小川 : ちなみに、1000億って、どんなことをやるつもりですか。
池本 : 質問の中にもありましたけれども、これから先、やはり海外にビジネスを考えていかないと、1000億だからというわけではないですけれども、海外に絡めていかないと、たぶんでかくならない、なりにくいと思うのです。
小川 : どういうことですか。
池本 : 日本の国内だけだと、やはり購買力が落ちてくると思うのです。
小川 : 要は、世界に売るということですか。
池本 : そうです。
小川 : ほう。でかいですね。(笑)
池本 : 外に行かないと、日本は人口が減って年寄りが増えて、年寄りは、年配の方はものを持っていますから。だから、新しいものでただおもしろいとか、はやっているだけでポンポン買わないでしょう。だから、きっちりいいものをご提供して買っていただくという方法も一つあります。
小川 : 例えば、具体的にこんなものだったら世界に売れるみたいな、日本のものは世界に売れるというイメージが全然付かないのです。考えたらいろいろ売れているんですか。
池本 : はい。だって、日本のもの、例えば外国の人で日本のもので評価の高いものは、オタク文化はそうです。アニメとかフィギアとか、そういうものは、外国の人すごく欲しがります。ただ、マーケットが小さい。コスプレの衣装にしても。1000億のマーケットを取るなら全部取ってなるのか、よく分からないけれども、小さいと思うんです。
小川 : 考えると、コンテンツとかも結構。
池本 : いけます。そういうものを入れたら、そういうコンテンツビジネスまで入れたら1000億は楽ですね。後は、だから大きいシェア、マーケットを取れるところというふうに考えると、やはり衣食住に絡むということです。着るもの、食べるもの。後は住むところ。この中で日本で評価されているものはありますから。
小川 : 食べ物とかですか。
池本 : 食べ物もそうですし。ある会社が北海道のワインを、北海道のワインは日本人だとあまりイメージがないでしょう。
小川 : 全然ないですね。
池本 : 日本でワインだと山梨ですか。勝沼のあたりでメルシャンとかは名前が通っていますけれども、北海道というと確かに十勝ワインって、そう言われてみればある感じはしますけれども、でも日本のワインでイメージないでしょう。
小川 : 全然イメージないですね。ワインはフランスだとかそういうイメージです。
池本 : それを、やはりアジアで売って、3ヵ月で5000万円ぐらい売ったらしいです。
小川 : え? 日本から直接売ったんですか。
池本 : そう、日本からの通販です。
小川 : へえ。
池本 : 北海道ワインが売れるんです。
小川 : それは、ネットで売ったんですか。
池本 : ネットは使っていないです。紙メディアです。売った人がいるんです。
小川 : アジアのどこですか。
池本 : 中国です。中国人が日本のワインを買ったわけです。そういうことは、やはり何か見せ方の問題ではないかと思います。
小川 : 中国の人は、自分のところの国のクオリテイをまったく信用していないですね。
池本 : まったく信じていないです。
小川 : 逆に、日本製のものとかのほうが売れやすいということですか。
池本 : そうですね。だから中国のお金持ちが、日本にたくさん旅行で観光に来ています。
小川 : じゃんじゃん来ていますね。
池本 : 米を買って帰っていますからね。
小川 : え? 米?
池本 : 米。米を買って帰るのです。
小川 : ほう。
池本 : だから、自国、中国の米は信頼してないのでしょう。あまりおいしくない。それから、農薬だとか健康に良くないとかということも、もう分かっているみたいです。でも、まさか事故米を日本でも売っているとは思わなかったと思うのですけど。(笑)だから、日本の食べ物は結構、買って帰っているみたいです。中国とか韓国とか台湾の方は。ということは。
小川 : 何かがある。
池本 : はい。中国の人で米だけを取ってみても、日本には来ていないけれども、お金を持っているとか、お金もあるけど別に旅行に興味ないとか、そういう人ももうケタが違うほどいっぱいいるわけです。そういう人たちに、日本からちゃんとしたお米を届けますよ、それがちゃんとずーっとつなげられればビジネスになりますよ。
小川 : 米を送ったら最高ですね。
池本 : はい。ただ、粗利は低いです。粗利はめっちゃ低いですけれども、リピート性がある。米を送れたらおもしろいです。
小川 : 米は最高ですね。日本の農家の人は大喜びですね。
池本 : 大喜びです。その辺をまじめに考えても日本の農業の活性化とか、そういうこともあるわけです。
小川 : 話がでかいなあ。
池本 : おもしろいですよ。
小川 : ちょっと話がでかくなりすぎるので、小さいことを考えていきたいと思います。
池本 : はい。

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