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ワタミ赤字。鳥貴族は黒字。その差は?

2016.8.2 | ,
  •  

From:山田光彦

ネットでニュースを見ていたとき。居酒屋チェーンで有名なワタミの業績悪化し、2期連続で営業利益が赤字になったという記事を見つけました。結構、有名な話なので、あなたも1度はこんな記事を見たことがあるかもしれません。

なんでも、居酒屋の市場全体が縮小気味なので、売上も落ちているということようなことが書いてありました。

でも、一方で鳥貴族という居酒屋は売上も営業利益も右肩上がり。居酒屋の市場全体が縮んでいるのに、破竹の勢いで成長してします。

この違いは一体何なんでしょうか?
あなたはどう思いますか?



僕は、ワタミが昔、顧客に提供していた価値をほとんど提供できなくなったからなんじゃないか、、、と思ったんです。どういうことかというと・・・

昔のワタミが提供していた価値…

ワタミは昔、僕らの年代にとっては懐かしい「村さ来」とか「養老乃瀧」といった居酒屋がたくさんあった頃。こういったお店よりも少し安い価格と明るい雰囲気の居酒屋を顧客に提案し、一気に成長。居酒屋業界を代表する存在になりました。

その後、同じようなコンセプトの居酒屋が出てきたりしたとはいえ、「安さ」とワタミであればどこの店舗に入ってもきちんとした品質のものが提供される「安心」を提供することで、成長を続けていました。

ですが、、、

この「安さ」と「安心」を提供する方法などが、少しずつが変わっていきます。

たとえば、ネットが発達してきたことで食べログなどの、口コミサイトが出てきました。

僕も食べログはよく使うのですが、これを使えば行ったことがないお店にも何の抵抗もなく行くことができます。それどころか、評価がいいお店にいくのが楽しみですらあります。

おかげで、行ったことがない店でもどれぐらいの品質なのか、お店に行く前にわかるようになりました。これは、食べログなどのサイトが「どんな店かわからないなー」という顧客の不安を解消し、「安心」という価値を昔とは別の形で顧客に提供するようになったということです。

それに、鳥貴族は鳥を中心としたメニューにすることでより単価を低くし(いわゆるスケールメリット+選択と集中ですね)、メニューが少ないことで調理も簡単になるのでスタッフの育成も楽。しかも、全国に散り散りバラバラに店舗を出していくのではなく、大都市を中心に集中して店舗を出すことで業務の効率化を図ってきました。その結果、今までの居酒屋業界で提供していた単価よりも「安い」価格であっても利益を出せるモデルを作り上げました。
(確か、今調子のいいセブンイレブンも同じような出店の仕方をしていしましたね)

他にも、家飲みが流行し、コンビニが比較的おいしい食べ物を提供したり、、、と「安さ」という意味で、新しい競合も現れました。

つまり、ワタミが提供していた「安心」と「安さ」の両方を顧客に提供できなくなってきた。その結果、業績が悪化してきたんじゃないか、と思うんです。

どんな価値を顧客に提供しているか?
この視点で他の業界・商品を見てみると…

たとえば、大型書店。

昔は色んな種類の本が大量に置いてある。そんな「品揃え」という価値をお客さんに提供することで、町の本屋さんを市場から追い出していきました。ですが、その大型書店であっても、今は「品揃え」という点ではAmazonには勝てません。しかも「今すぐ手に入る」というメリットも、Amazonが配送システムを向上させていることで、差を詰めてきています。(最近、頼んだ次の日に本が来たりしますよね。なので、僕も大型書店に行くことが少なくなりました。オフィスの1階に紀伊国屋が入っているんですけどね、、、)

こうなってくると、大型書店は、自分たちにしかできない価値を見つけなければ、戦いはどんどん厳しくなっていくでしょう。

商品の購入を後押しする、キモになる価値

あなたが洋服を買うときには、、、

・暑さや寒さを凌ぐために服を買っているでしょうか?
・それとも、デザインや色で服を選んでいるでしょうか?(←こっちが重要ですよね?(ずっと昔は上だったと思いますが))

化粧品を買うときには、、、

・中身に入っている化学物質が大切でしょうか?
・それとも、イメージや化粧品が入っている容器のデザインが大切でしょうか?(←僕は、たぶんこっちが購入を後押ししていると思います)

パソコンを買うときには、、、
・実用性?
・それとも、Coolなイメージ?(←Macのアピールはこれですよね)

購入のキモになる価値がなんなのかで、
広告に書くことも変わる

たとえば、コンビニで売っている栄養補助食品?の「SOY JOY」。この商品で提供している一番の価値や商品を買う一番の理由が「食べても太らない」「美しいスタイルを維持する」といったことなら、、、広告に書くことも「これだけ食べても◯◯、△△個分のカロリーしかない」とか(要するにカロリーが低い=太らないというアピール)、美しいスタイルの女性を登場させるとか、そういったものになるでしょう。

でも、この商品で提供している一番の価値を全く別のモノと考えるなら、、、広告に書くこともまったく違うものになります。たとえば「昨日、食べ過ぎてしまった。だから、今日のお昼や間食はSoy Joyで我慢しておこう」。そんな一種の罪悪感を消すためのものと考えるなら、広告で書くことも「昨日、食べ過ぎても、これを食べれば大丈夫」みたいなことを書くことになるでしょう。

あなたの商品が顧客に提供している価値とその方法は?

あなたの商品が顧客に提供している価値は何でしょうか?
顧客が購入を決断する後押しをする、一番強力な価値はなんでしょう?
その価値をもっと顧客に提供するには、どうすればいいでしょうか?

これはあなたのビジネス全体もちろん、広告やセールスレターのコンセプトを考えるのに、とても使える質問です。

それに顧客にお店に入る前の「安心」を届ける方法が、全国チェーンだからということだけではなく、食べログなどの口コミサイトで提供されるようになったり、、、書籍の品揃えを提供する方法が「大型書店」から「Amazon」に変わってしまったように、、、顧客に価値を提供する方法は時代とともに変わっていきます。

なので、これらの質問を定期的に自分に問いかけてみてください。きっといいアイデアがたくさん出てくる、、、と思いますよw

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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