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事業の強さの秘密…

2014.10.27 | ,
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From:小川忠洋

From:小川忠洋

西宮のオフィスより、、、

 同じ業界でも、業績の高い会社と低い会社の違いはなにか?同じ商品を扱っていても、業績の良い会社と悪い会社の違いはなにか?ある研究によると、その答えは、、、

「ビジネスのシンプルさ」

 であるという・・・今日の話はマーケティングの話とはちょっと違って、事業構築の話だ。ビジネスがシンプルだとどんな事が良いのか?最大のメリットは「顧客がその会社と事業内容を分かりやすい」という事だ。スタバが何の会社か分からない人はいないが、タリーズをやってる伊藤園が何の会社か分からない可能性は少し高い。ヤフーのビジネスはとても分かりやすいが、楽天のビジネスは複雑だ。(ちなみにヤフーは楽天の売上2倍以上、利益が2.7倍と圧倒的な差がある。ちなみにちなみに連結決算にすると、楽天の方が売上が高いが、それでも利益はヤフーの方がまだ2倍以上ある)

 マーケティングを学んでいるあなたならよくご存じの通り、あなたの顧客、見込み客は基本的にはあなたのビジネスの事なんて、ほとんど関心が無い。(あなたのビジネスが何をしてくれるか?に関心がある)そして、世の中にはいろいろなオモシロい情報ややらなきゃいけないタスク、仕事、納期が迫ったプロジェクト、などなどたくさんの注意しなければいけない事があるので、、、あなたの商品やビジネス、広告に関してじっと考える時間やエネルギーなどほとんどない・・・

 仕事で疲れ果てて「ふーっと」一息ついたような状態で、あなたの広告、ビジネスを見ているので、それが「複雑」であったり「分かりにく」かったりすると、すぐさま次の事に注意がいってしまう・・・(ちなみにセールスレターでよくある間違い、トップ3に入るのが「いろんな事、言い過ぎ」てメッセージが複雑、、である)

 なので、ビジネスがシンプルである、商品がシンプルであると、おのずと広告やマーケティング・メッセージもシンプルになるので、伝わりやすくなる。もう1点、、、

ビジネスが複雑になると、
間接コストが増える。

 この間接コストの上昇はなかなか目に見えないので、とっても把握しにくい。例えば、いま、ウチでは基幹システムの開発をやっている。既存のシステムが古くなってきて、これからの事業の成長にはついていけないんじゃないかと言う事で、もっと安定するものを作ろうという開発だ。(ちなみに初回のお見積もりが開発コスト2億円だったのを見て、気絶した_| ̄|○)

 その開発をやっていると、各担当者から「こんな機能が欲しい」「あんな機能が欲しい」という要件がたくさんでてくる。デカいのから超細かいのまでいろいろ出てくる。もちろん、各担当者は、いまの仕事をより良くするため、顧客に対してもっといいサービスを提供するために、”善意で”提案してくれている。。。

 しかし、それを「OK、OK」と言っているとどうなるか?システムはどんどん複雑になる。一番、分かりやすいのは「TVのリモコン」じゃないだろうか?若い世代は知らないが、ぼくと同じかぼくより上の世代だったら、今のTVのリモコンを完全に操作できるとは思えない。ボタンがめちゃめちゃ増えて、完全に意味が分からなくなってしまった。しまいにゃ、赤、青、緑、黄色と、分かりやすくしたつもりがかえって混乱するようなカラー配色まで、、、一体どれくらいの人がこのリモコンを完全に操作しているんだろう?と時々、疑問に思う。

 一方でTVよりもはるかに複雑なシステムであるはずのスマホ「iPhone」には、ボタンが一つしかない。今では当たり前になっているが、iPhoneが登場したときは、驚きだったはずだ。その前は、ブラックベリーとかいうケータイにキーボードがついたような端末が流行っていた。ご存知のとおり、iPhoneは大大大ヒットした。世界を変えるくらいに大ヒットした。ちなみにどれくらいヒットしたかというと、iPhone単体の売上が、、

  • ヤフーと
  • フェイスブックと
  • ツイッターと
  • リンクトインと
  • グルーポンを

 

 合計した売上より高く、さらにはアマゾン全体の売上より大きいという、これぞまさに驚異と言える状況になっている。一方、醜いボタンでごつごつしているTVはどうか?どの会社でも信じられないほどの赤字を出している。

 ボタンが増えるという事はマニュアルが厚くなるという事である。マニュアルが厚くなるという事は、理解できる人がどんどん減るという事である。そして機能が増えれば、機能同士の連携などが必要になり、エラーが出る確率が上がる。そうしたらコストが上がる。ウチのシステム開発でも全く同じで、システム的に機能が増えるという事は、覚えなければいけない操作が増えるという事である。そうなると、新しく入ってきた新人がそのシステムを使えるようになるまで、研修しなければいけない時間が増えるという事になる。それはつまり、研修を受ける側と研修をやる側の時間を奪う。そして、たくさんの機能を頭に入れているので、おそらく、作業スピードも遅い。そうすると、同じ規模のビジネスを回すのに、一人ですむところが、1.5人必要になる。人数が増えればコミュニケーションコストもあがる。。。これら全てのコストは、間接費、固定費であって、利益を全く生まないコストになる・・・

シンプルなビジネス

 なんだかんだ言って、世の中にある好業績、「素晴らしいな!」と思うビジネスはみんなシンプルである。そーいやスタバも一時期、どん底に落ちたが、その時は、店舗でぬいぐるみやチーズバーガーみたいなんを売って、バリスタのいるコーヒー屋からはかけ離れていた。(ハワードシュルツが戻って全部変えた)

  • インテルは何故パソコンを作らないんだろう?インテルが作れば絶対に高品質なものができる。しかし何故やらないんだろう???
  • アップルの商品ラインはなぜ4つしかないんだろう???世界最大の時価総額を持つ会社だから、商品ラインが4万個あっても不思議じゃないが???
  • ソニーは一体何の会社になってしまったんだろう???昔はソニーの大ファンだったんだけど、、、

 

 ちなみに今、ぼくが書いているテキストエディタは、とてもシンプルで、いろんな事ができるワードとは全然違う。(ワードには死ぬほどいろいろ機能がついてるので、結果的にクソ遅くてやってられん)

シンプルさこそが強さだ。

 あなたのビジネスは複雑になっていないだろうか?次回はその話を少ししてみたいと思う・・・

ーおがわ

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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