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トイレットペーパーを集めたくてたまらない

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From:寺本隆裕

From:寺本隆裕

僕には来月で2歳になる息子(隆星(リュウセイ))がいます。リュウセイは「トミカ」が大好きで、それをたくさん集めています。「トミカ」というのは、おもちゃメーカーのタカラトミーの出してるミニカーで、300円くらいで売ってるもの。

実際に走っているトヨタやスバルの車、工事車両や救急車などの緊急車両などが、なかなか精巧に作られています。他のメーカーの、同じくらいの価格帯のミニカーと比べると、その出来は全然違います。

トミカのメインのシリーズは全部で120種類なのですが、毎月そのうちの一部が入れ替わっていくので、毎月買い続けないと全種類を集めることはできません。しかも関連商品もたくさんあって、例えばそのミニカーを走らせる「山道」「高速道路」「サーキット」なんかのコースがあります。しかもそれらのコースはそれぞれ接続して長いコースにできるとあって、まんまと何個も買わされてしまうのです。

トミカの別シリーズもたくさんあって、「レスキュー隊シリーズ」、「特殊警察シリーズ」、「クラッシックカーシリーズ」「カーズ(映画の)シリーズ」などなど、120種類以外にも、いくつものシリーズものがあるのです。「子供のために」買ってあげた最初の1台をスタートに、いつのまにか(あまり認めたくはないけど)僕の方が「欲しい」と思うようになってきてしまったのです。

買えば買うほど、別の関連商品が欲しくなります。こないだ本屋に行った時も、「歴代トミカベスト1,000」という本が置いてあって思わず買いそうになったのですが、嫁さんがナイスディフェンスでそれを阻止してくれました。(子供は横のアンパンマンの方が興味がありそうだったのです)。

リカちゃん人形の秘密

リカちゃん人形も、人形を買うと次々に関連商品を買いたくなるようになっています。人形を買うと、人形には洋服が一着しかないから、新しい洋服が欲しくなります。靴もカバンも買います。住む家がないのもかわいそうだから、家も欲しい。良く考えてみたら、リカちゃんはひとりぼっち。ボーイフレンドが必要です。だからボーイフレンドの人形も買わないといけません。

それでそろったかな、と思いきや、ボーイフレンドには服が一着しかない。。。その後二人には子供が生まれて(しかも三つ子!!)、みんなで住める新しい家や、子供の服、車なども必要・・・・。こうやって、1体の人形を買うことから始まり、たくさんのモノを買わないといけなくなってきます。なぜ、こんなに次々に買ってしまうのでしょう・・・

買わずにはいられない、「隙間心理」とは?

行動心理を研究しているハース兄弟によると、人間の興味とは知識と知識の間に「隙間」を感じたときに生じるというのです。隙間を認識すると、それを埋めたい、、、という欲求が本能的にわいてくるのです。そしてその隙間を埋めたい欲求は、知識を得れば得るほどどんどん強くなります。

例えばトミカ。1台しか持ってない場合に2台目を買いたい(埋めたい)欲求と、全119台持っていて、最後の1台を買いたい(埋めたい)欲求、どっちが強いでしょう?

例えば47都道府県のうち、

  • 2つしか答えられなかった人
  • 45の都道府県を答えられた人

どっちの人が、「自分が答えられなかった都道府県(埋められなかった部分)」に強い関心を持っているでしょうか。

つまり、得れば得るほど、知れば知るほど、自分が持ってないものや知らないものが、より強く認識されます。そしてその「足りない部分」を埋めようとする欲求が強くなるのです。自分の興味のある分野の知識に隙間を感じたときなんてのは、ものすごくこの欲求が働きます。

情報ジャンキー

例えば僕は、コピーライティングに関連する情報が好きで、ほとんどジャンキーのように情報を買っています。

最初は、コピーライティング、広告、などの情報を入手するも、知れば知るほど自分の知らない部分が気になってしょうがない。教材の中で「これはダイレクトレスポンスで有名な広告です」と紹介されてた広告を知らなかったなら、もっと広告のサンプルを見ないと!と感じる。コピーライティングの教材販売で有名な会社だとわかれば、とりあえずセールスレターもほとんど読まずに教材を買う。

「買う」という行為が心理的なもの(感情)だとわかれば、心理学の本を集める。

インターネットに活用するためには、「WEB」コピーライティングの情報を探す。デザインも必要な要素だとわかれば、売れるデザインの作り方を学ぼうとする、、、、など、知識を得れば得るほど、「埋まってない知識」がフォーカスされ、そこを埋めたくてしょうがなくなるのです。

これはとても強い心理トリガーなので、マーケターであるあなたがこれを活用しない手はありません(お客さんに対しても、あなた自身に対しても)。その方法を3つ、紹介しておきます。

1.ウォンツに訴えろ!

300円のトミカはどんどん買う。必要ないのに買う。嫁に怒られないようにこっそり買うor理由を付けて買う(今日はおりこうさんだったから、とか)。でもこんな行動を取るのは、「欲しい」と思った時、つまり欲求(=ウォンツ)のある商品だけです。

例えば同じ300円だったとしても、トイレットペーパーなどのコモディティは、できるだけ買いたくないor安く買おうとします。トミカよりもトイレットペーパーの方が、確実に生活において必要なもの(むしろトミカなんてたくさん持ってるし、なくても全然困らない)なのに、です。

いろんな種類のトイレットペーパーを集めようとか、そんなことはあんまりしないでしょう。つまり、必要なものより欲しいものを扱う方が楽に売れる、というわけです。または、ニーズではなくウォンツに訴えるメッセージの方が、よりインパクトがあります。

ちなみに、ウォンツのある商品で、もっともらしく「買う理由」をサポートすることができれば、ますます買いやすくなります。例えば、トミカで遊ばせると指先を使うため知育にいい、とか。そんなことを言われると、もう買うしかありません。自分の欲求を正当化し、嫁さんを説得する好材料です。

2.バックエンド!バックエンド!バックエンド!

バックエンド、クロスセル、アップセル、呼び方は何でもいいですが、つまり関連商品をどんどん売れ!ということです。トミカにもいろんな関連商品があって、そして次々に買います。1つ買った人の方が、1つも買ってない人よりも売りやすい。10個買った人の方が、1つしか買ってない人よりも売りやすい、のです。

ダン・ケネディは「お客が商品を消費するスピードは、あなたが商品を作るスピードよりもはるかに早い」と言っています。

商品の作成をショートカットするためには、ジョイントベンチャーも有効な方法です。

3.DO! IT! NOW!

見込み客や顧客にこの隙間心理が作用するということは、あなた自身にももちろん、強力に作用しています。

もしあなたが、勉強して知識をたくさん吸収しても、あまり行動できないタイプなら、「知識の隙間を埋めたい」という、呪いにかかっているかもしれません。

知れば知るほど知らないことが気になるという、あの呪いです。自分の知識に足りないことを見つけてそれを埋める作業は、自分自身に厳しくしている気分になったり、自分の知識レベルがアップして、とても気分がいいものです。

でも、自分の知識の隙間は一生埋まることはなく、埋めれば埋めるほど、隙間は大きくなるのです。隙間を埋める作業そのものに意味はありません。当たり前のことですが、一つの知識を得たら、まずはそれをすぐにやってみましょう。知り合いの話をシェアします。

彼はある参加費数十万円の2日間のセミナーに、初日の午前だけ出席し、午後と2日目はセミナーに参加していませんでした。その2日後連絡を取ったところ、「あのセミナーの内容の元はもうすでに取ったよ」というのです。

一体、どうやって?2日でどうやって?と思って良く聞いてみたら、彼はセミナー初日の午前中に聞いた情報を午後には実践し、2日目の朝にはその結果の検証をしていたそうなのです。そしてスグにリターンを得ることができていた、ということだったのです。

実は彼は、1日3時間程度の労働で、従業員なしでたった一人で年収5千万円を稼ぐ起業家。セミナーにフルに参加した人に比べ、彼が学んだ知識は4分の1かもしれません。ですが、彼の秘密はここにあったのです。

寺本 隆裕

ダイレクト出版取締役。セールスライター兼マーケター。クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、プロジェクト1件で、一流企業のエリートサラリーマンの年収を軽く超える額をチャージ。さらにそこから売上からのロイヤリティがかかる。これほど日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず「書いてください」という人が後を絶たない。著書には『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』『ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)がある。

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