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商品中心主義の罠に注意せよ

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From:小川忠洋

From:小川忠洋

大阪のデスクより、、

今日、ふらっと寄ったコンビニで雑誌コーナーを見ると、プレジデントの表紙にこんなキャッチが載っていた。

「餃子とTシャツと机どれが一番儲かる?」

なかなか、面白いキャッチコピーだったので、一冊買ってみた。中身を読んでみると、どうも、「餃子の王将」「ユニクロ」「ニトリ」の3社の話だった。この3社は、今、消費が低迷してると言われるなか、超効率経営で、バンバン売り上げが上がっている企業だと言う・・・

  • 餃子の王将は利益が90%増で61億円
  • ユニクロは利益30%増。しかもブラトップは大人の女性4人に1人が持っていると言う・・・
  • そして、ニトリは22期連続増収増益と言うミラクルを達成している。

サクッと流し読みしただけだけど、今月のプレジデントは面白そうだった。しかし、この記事、注意して読まないと、とんでもない勘違いをしてしまうので気をつけよう。危ないのはこのタイトルにある、、、

このタイトル、「餃子とTシャツと机、どれが一番儲かる?」と言うタイトルは読んで字のごとく、めちゃめちゃ、「商品中心」なアイディアがベースとなっている。

そして、記事の内容もマネジメントが中心の話になっていて、「どうやって新規客を集めるのか?」と言った、僕らのような小さい会社の社長やWEBオーナーに最も必要な情報は載っていない。

あなたに、勘違いしてほしくない事は、この記事のタイトルを読んで「どの商品が儲かるか?」と言う考えに陥ってほしくないと言う事。商品はもちろん、ビジネスの中で最も重要な要素ではあるが、その前にもっと大切な要素がある。

それが、お客だ。

お客、つまりマーケットの事。なので「どんな商品が儲かるか?」と言うマインドセットは持ってはいけない。「どんなマーケットが儲かるか?」と言うマインドセットを常に持つべし。

つまり「何を売るか?」ではない。「誰に売るか?」なのだ。

誰に売るか?が決まってから、次に何を売るかを考える。この順番がとても大切だ。そのステップをすっ飛ばして、最初から「何を売るか?」を考えてしまうと、とても悲惨な事になる。(もちろん、時にはヒットする場合もあるが、まぐれだと思っていい)

考えてみよう・・・

餃子を売って儲かるんだったら、何故、王将以外のお店は儲かっていないのか?Tシャツを売っても儲かるんだったら、何故、他の衣料品店は苦労しているのか?机を売って儲かるんだったら、何故、家具屋がどんどん潰れるのか?

もっと、言えば、

  • 王将の餃子は日本で一番美味い餃子なのか?
  • ユニクロのTシャツは日本一の品質なのか?
  • ニトリの机は日本で最高の机なのか?

もちろん、そんな事はない。3社の強みは、実際は商品以外の所にある。実際、成功しているビジネスのほとんどは、本当の強みは商品そのものにはない。例えば、マクドナルドは最高のハンバーガーを売ってるわけじゃない。(個人的にはモスの方が断然、美味い)でも、世界で一番売れている。

考えてみよう。マクドナルドが、ハンバーガー以外のモノを売ったら成功すると思う?それとも今のハンバーガーじゃないとダメかな?ハンバーガーが法律で禁止になって、例えば、マクドナルドがおにぎりの店になったとする。そうだったとしても、僕はマクドナルドは大成功するだろうと思う。

なぜなら、マクドナルドの強みはハンバーガーではないからだ。

一方、商品ってのは、すごく分かりやすい。何故なら、目に見えるから。(マーケティングは目に見えない。マネジメントも目に見えない。ビジネスモデルも目に見えない。)しかも、大抵、成功している会社は商品の改善を常に行っているので、それなりに良い商品ができている。(儲かっているので資金を投資できるから・・・)

とても分かりやすいので、フォーカスされるのも常に商品の方だ。だから、こんなタイトルが生まれる・・・「餃子とTシャツと机、どれが一番儲かる?」とても分かりやすい。キャッチの力もある。

なので、あなたにお願いだから、
「商品中心主義」の罠に陥らないで欲しいと思う。

特に、今回のようなすでに成功している大企業の特集の場合、(しかも今回は小売業だからなおさら)どうやって新規客を獲得しているか何て話はほとんど触れられない。お客がたくさんいる所にお店をオープンするだけだから。

しかし、僕らのビジネスは違う。

特にインターネットを使う場合は全然違う。あなたもきっと、ユニクロのお店に一度は行った事があるだろう。でも、ユニクロのWEBサイトに行った事があるかな?僕はない。そして、このメルマガを読んでいるほとんどの人もないだろう。

インターネットは、サイトを作ればお客が一度は来てくれる・・・なんて事は起きない。インターネットでお客を集めるにはこちらから、僕らのサイトに来てくれるように、広告を打たなければいけない。

そのためには、

  • どんなお客がWEBでの買い物を良くするのか?(自分の客層はWEB での買い物をするタイプか?)
  • そのお客はどんな事を考えているか?(どんなキーワードで広告を出すべきか?)
  • そのお客は他にどんな情報を必要としているだろうか?(サイトにはどんな情報を載せておくべきだろうか?)
  • そのお客は他にどんなものを読んでるだろうか?(どんなメルマガを読んでいるか?誰とJVできるだろうか?)

などなど、お客の事を知って、そのお客が今どこにいるのか?どんな言葉で反応するのか?どんな情報を求めているのか?などお客を知って、ソレに対して、広告を売って行かなければならない。

マーケティングのマスター。ジェイエイブラハムはかつてこう言った。

「ほとんどのビジネスオーナーは、商品に恋している。
これは間違いだ。自分のお客に恋しなければいけない。」

あなたがプレジデントを読んで、「餃子を売ろう!」と思わない事を願って(笑)

小川忠洋 

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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