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『ジキル博士とハイド氏』

2013.10.12 | ,
  •  

From:高橋大介

『ジキル博士とハイド氏』
二重人格を題材にしたロバート・ルイス・スティーヴンソン著のこの小説はあまりに有名です。
ウィキペディアによるとこのジキル博士のモデルは、18世紀半ばのエジンバラの市議会議員で、石工ギルドの組合長をしていたウィリアム・ブロディとされています。

彼は、昼間は実業家、夜間は盗賊として18年間に数十件の盗みを働き、スコットランド間接税務局本部の襲撃計画が露見、処刑された人物だそうです。
ここまで極端ではなくても「えっ あの人が!? 信じられない」ということも世の中にはありがちです。

人あたりが良さそうに見えて、実は冷たい人間だったり、人を寄せ付けない雰囲気であっても、本当は誠実で心あたたかい方もいます。
一人が好きだから、一概に内向的とは言えないでしょうし、人とベラベラしゃべりまくる人が心底、外交的とは限らないのと同じように、外と内ではテンションの全く違う人がいれば、ほとんど変わらない人もいるわけです。

超能力者でもない限り他人の全ての内面的な部分などわかるわけがありません。
ですが、内面的な部分をできるだけ分析することで相手の行動心理も見えてくるのではないでしょうか。

ターゲット設定する上で、心理的要因の深堀は必要不可欠であると言えます。
精神科医で心理学者のカール・ユングは、一時期、フロイトと非常に親密な関係になるのですが、1909年、フロイトとともにアメリカに招聘された時、旅中の船上で口論になりました。

原因は、その当時世間をにぎわせていたミイラ発掘のニュースをユングが食事中に持ち出したことでした。このユングの言動に対し、フロイトは「そのように死体に興味を持つのは、私の死を願っているからだ!」と非難しました。ユングはこの言葉に大きなショックを受け、出会いからわずか6年にして、二人は決別してしまいました。

「食事中にミイラ(死体)の話をするな!」ではなく死体から自分の死に結びつけるのはすごいな、とは思いますが、私は、ここまで人間の心理を研究している人でもこのような被害妄想的な事を言ってしまうのか、と少々落胆しました。

まあ完璧な人間などいるわけがありませんが、何が相手のご機嫌を損ねるか、どんなことで喜んでもらえるのか、人それぞれなわけです。
それを少しでも詳しく心理分析ができたなら、顧客獲得に役立つのでは、と思いました。

ということで話は戻りますが、後年、ユングは「分析心理学」で人間には2つの心構えがあると述べています。この2つの心構えとは、「内向性」と「外交性」の2つです。

「内向性」とは、自分の内的な世界に焦点を当てる人で自分の考えを表現するのが苦手で、なかなか自信が持てない人です。
それに対して「外交性」とは、社交的で自分の内的な世界ではなく外部世界に注目する傾向を持ち自己表現が得意で自信を持っている人のことです。

この2つからさらに「思考」「感情」「直観」「感覚」の4つの機能に枝分かれさせ合計8種の累計に区別された「タイプ論」を展開しています。このタイプ論は、人間の性格傾向を分類しています。

思考
外交的思考 現実適応力が強く、社会適応力が強い。内向的思考 現実に左右されず自分の信念・内面に執着する。

感覚
外交的感覚 五感を使って現実的な外界をキャッチ。内向的感覚 内面の感覚的なイメージをキャッチ。

感情
外交的感情 他人の感情を読み、自分の感情をコントロールできる。内向的感情 大人しく見えるが内面的に感情をたぎらせる。

直観
外向的直観 常に新しい可能性を狙うチャレンジャー。内向的直観 非現実的な側面は強いが、内面的な素質を開花する力を持っている。

以上、ターゲット設定の心理的要因を分析するうえで参考の一つにしていただければ、と思います。
タイプ別に区分けすることができれば、あなたの顧客・クライアントの各々の敵がわかり、
何に対して怒っているのか、どんなことで喜ぶのか「欲しい」というイメージを抱かせやすくなるのではないでしょうか。

「誰がいつどこで何を買ったか」が分かったからといって、購入の動機など心理的な要因はなかなか分かりません。
消費行動の心理的な背景を解き明かすためには、価値観やライフスタイル、嗜好といった心理面での特性が分かる必要があります。

このように分析することで、あなたの商品、サービスが好まれる理由や興味を持たれなかった理由がより深く分かります。
さらには、あなたの敵に対しての差別化も見つけることができるのではないでしょうか。

そうすることで、あなたの商品・サービスのベネフィットをどのように伝えるか、どうすれば共感してもらえるか、そして行動に移してもらうためには何が必要なのか、あなたの商品・サービス購入まで、どのようなステップで導いていけば良いのかその入口から出口までの全体像が見えてくる。

そうなると、ビジネスの流れがつくりやすくなり、それぞれの顧客・クライアントに合ったアプローチができるのではないかと考えています。
それも1本のビジネスラインではなく何本ものビジネスラインができるようになる・・・
見込み客を獲得し、新規の客へ、さらにリピーターへとステップアップするためには、有効な手段と言えます。

あなたの商品・サービスを売るための、そして顧客管理・アフターフォローをする上での参考になれば幸いです。

ー高橋大介

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