トップ > ブログ >  > へたくそな爪切り

へたくそな爪切り

  •  

From:寺本隆裕

From:寺本隆裕

この間、僕の飼っているウサギ(モコ)の爪切りに行ってきました。

ウサギは、定期的に爪切りをしないといけないんですが、実はこれにはなかなかのスキルを要するのです。実際、僕と嫁で2人がかりでも、1日に数本ずつしか切ることができず、数日間かかる大仕事です。

ウサギの爪は、だいたいボールペンの芯の太さくらいあります。それを専用のペンチのような爪切りで挟んで切るのですが、これもなかなか角度や力加減にコツがいって、難しいのです。

しかもウサギの爪には、血管が通っていて、ちょっと切りすぎると血管を切ることになり、そこから出血してしまいます。(そうなると病院に行かないといけない。)
だから、蛍光灯などの明るい場所で爪を透かして見て、血管のギリギリのところをカットしないといけないのですが、それがまた緊張の原因となり、モコも嫌がってかなり暴れます。

結果、爪切りの後は腕に無数の引っかき傷とミミズ腫れができるわけです。
(しかもその爪切り作業は数日続くのです・・・)

というわけで、とうとう爪切りをペットショップに任せることにしました。

怪しいプレハブのペットショップ

そのペットショップは、自宅から車で10分ほどの所にあります。

僕とモコでそのペットショップに行きましたが、そのペットショップは、ウチから車で10分とはいえ、なかなかの田舎にあります。田んぼの中にポツンとあるようなペットショップです。
(まぁ、僕の住んでるところ自体が大阪の田舎なので、10分も走ればド田舎です)

そこは、プレハブ小屋に5台分くらいの駐車場がついたような小さな店で、(しかもそこにはいつも、汚れた白い軽トラが停まっている)入口も自動ではなく、スライド式の建てつけの悪いガラス戸。

変な猫の置物が店の前に置いてあって、その下には「ミドリガメ」が数匹、汚れた透明のケースに入れられて飼われています。

犬や猫、ウサギ、魚などのペットも売ってるのですが、ペット自体はそこではあんまり買いたくないな~、、、と思ってしまうような雰囲気の店なのです。ペットの値段が他のペットショップと比べて随分安いのですが、それが余計怪しいのです。

ですが、家の近所には、ペットフードなどを売っているところが少なく、特にウサギのエサや牧草などとなると、ますます絞られます。
(ほんとにあんまり売ってないので、400円の牧草を、500円の送料を払って、ネットで買ってるくらいなんです。)

だから、他の店に買いに行く、と言う選択肢はないので、いつもペットフードや牧草は、その店に買いに行っていました。

そしてたまたまこの間、ボール紙にフェルトペンで、「ウサギの爪切り 500円」と書いて、店の壁にセロテープで貼ってあるのをみつけ、

怪しい、、、

と思いながらも、爪切りは自分たちではもうやりたくなかったし、モコにも数日間ストレスをかけることになるので、思い切って一度任せてみることにしました。

「ウサギの爪切りお願いします」

店に入ってペット用のバッグに入れたモコを店員に渡すと、

「はーい。ではお預かりしますね。」

と、20代前半と思われる女性の店員は、そのままモコを連れて店の奥に消えて行きました。

(若いし頼りなさそうや、、、)
(バイトかな、、、?)
(ホントに大丈夫か、、、?)

不安・・・

爪切りが終わるのを待っている間、僕は牧草やらラビットフードやらを選んでいたのですが、狭い店なので、すぐにやることもなくなります。

ケージに入れられている子犬やウサギ達も寝てるし、金魚を見ててもあまり面白くありません。何より店の奥が気になって仕方ないのです。

「モコ、嫌がってないかな・・・」
「いい加減にやられて、血が出てたらどうしよう・・・」

・・・

「ちょっと時間かかりすぎちゃうか?」

たぶん、まだ5分くらいしかたってなかったと思うのですが、時間がたつにつれてどんどん不安が大きくなります。

そして、待つこと約10分。

「ウサギの爪切り終わりましたー」

急いでレジのところに行くと、受付けてくれた20代前半くらいの店員の女性は、手にティッシュにくるんだ1cm角くらいの黒い小石のようなものを3つ持っていました。
謎の黒い石

彼女はそれを僕に見せながら、

店員:「これも、取ってあげてくださいねー」

寺本:「え?」

店員:「たぶん、何年も取ってなかったと思うんですが、だいぶたまってましたよ」

寺本:「は?何ですか?それ?」

店員:「臭腺の近くにたまるものです。全部取っておいてあげたので、スッキリしたと思いますよ」

寺本:「???飼いだして3年半くらいたちますが、そんなものは見たことも聞いたこともありません・・・」

店員:「そうですか。定期的にお手入れしてあげてくださいね。それから、牧草はちゃんと食べてますか?」

寺本:「え、、ああ、、まぁ食べてると思いますが、、」

店員:「お腹がちょっと張ってるようですが、たくさん食べてるなら問題ないですね。それではお会計を・・・」

寺本:「ちょっと待ってください!お腹が張ってる??そう言われると、牧草の先っぽの柔らかいところしか食べてないです。あとはラビットフードとかですね。。。」

店員:「本来ウサギは草食動物なので、牧草メインの食事が理想的なんです。ラビットフードはそんなにたくさんあげなくてもいいです。たっぷり牧草をあげてくださいね。」

寺本:「そ・・・そうなんですか。。。実はたまに、キャベツとかパンの耳とかもあげたりしています。。。」

店員:「あー、それはあんまり良くないですね。パンなんかは味がついてておいしいので喜んで食べるんですが、人間の食べるものはウサギの体にはよくないです。その味を覚えてしまったら、ますます牧草も食べなくなりますからね。ウサギは一日中、常に牧草を食べてるような感じがいいんですよ。まぁでも牧草食べてるならいいですね。それじゃ、お会計、、、」

寺本:「ちょっと待ってください!いや、牧草もやっぱりあんまり食べてないです!どうすればいいですか?」

店員:「そうですね。柔らかい部分でもいいので、まずは牧草を食べる量を増やしてください。ほんとは硬い部分も食べる方が、歯の健康を考えるといいんですが、徐々に馴らしていくのがいいと思います。」

寺本:「そうなんですね。今あげてる牧草は硬いやつなので、柔らかい部分が多い牧草ってありますか?」

店員:「ありますよ。」

寺本:「それ、ください!

こうして、一瞬で僕は自分の無知を知ると同時に、モコに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。。。当然他のペットオーナーと同じように、「ウサギの飼い方」みたいな本は何冊も読んでいましたが、黒い石の話は知りませんでした。

実際、ゴールデンウィークに動物病院に連れて行ったときも、そんな話はされませんでした。
(ちなみにそのときは、食欲がなくなったので病院に行って3日間連続で点滴を打ったのですが、原因はさみしさによるストレスだったようです。かまってあげるようにすれば、元気になりました。
ウサギはさみしいと死ぬ、と言う噂はたぶん本当です。・・・脱線しましたね。)

もう一つの大きな感情的変化

そして、ここでもう一つ大きな感情的な変化が起きました。それは、「このお店に対する忠誠心のアップ」です。

店員と僕との会話を見てもらえば分かるように、明らかに売り手である店員に、僕は信頼してアドバイスを求めています。そして自ら「商品を売ってくれ」と頼むようになっています。

数分前までは店のことを全く信頼しておらず、疑いや不安だらけだったのに、、、、です。

ここで売られてる犬や猫などのペットについても、見方が180度変わりました。

他のペットショップよりもずいぶん安い値段で売られているため、「安くて怪しい」と思っていたのが、「安くて信頼できるから、いいお店だ!」という風に思うようになったのです。

そして恐らく僕は、この店に今後も爪切りを頼むだろうし、ペットフードや牧草も買い続けるでしょう。この一連のアドバイスのおかげで、このお店は僕を、何度もお金を払う忠誠度の高い顧客へと変えることになったのです。

なぜ一瞬で、お店に対する印象が変わったのでしょうか?

「全てのビジネスは、インフォメーション・ビジネスに関わるべきだ」

と、ダン・ケネディは言っています。

このお店が、このケネディの言葉を知っていたわけじゃないでしょうし、意識的に売上を上げようと、僕に情報をくれたわけじゃないでしょう。

ですが、店員の女性が僕に情報(インフォメーション)を提供することで、店のその日の売上と、生涯に渡って僕がこの店に払うお金が増えたことは、まぎれもない事実です。

インフォメーションで、あなたのビジネスにブレイクスルーを!

ほとんどの人は、自分の持ってる知識を過小評価しているか、十分に見込み客やお客さんにアウトプットできずにいます。

この店員も、僕にウサギの食事のことを話す時、だいぶ遠慮がちでした。
僕が質問を続けないと、話を終わらせてしまいそうな雰囲気だったのです。
たぶん、自分が話していることはそんなに大した知識じゃない、と思っていたからでしょう。

しかし、見込み客やお客は、基本的なことすら全然知らない場合がたくさんあります。

そして、売り手が発信しない限り、見込み客やお客からしてみれば、売り手に知識があるのかないのか、全くわかりません。
(そもそもお客は、ホントに知識があって信頼できるのか?ということを疑っています。僕がこの店に対してそう思っていたように・・・)

見込み客に、あなたのことをエキスパートだ、十分な知識を持っていて信頼できる、と思ってもらうことができれば、売ることはとても楽になります。

では、以下のことをちょっと考えてみてください。

  • あなたのビジネスで、情報発信することがどれくらい見込み客への信頼性アップになりますか?(逆に言うと、情報発信することで、何か信頼性を下げてしまうなんてことがありますか?)
  • あなたのビジネスで、情報発信することがどれくらい既存客との関係を維持することにつながりますか?(逆に言うと、情報発信することで、何か既存客との関係を壊すなんてことがありますか?)
  • あなたのビジネスで、情報発信することがどれくらい売上アップにつながりますか?(逆に言うと、情報発信することで、売上を下げるなんてことは起こるでしょうか?)
  • あなたのビジネスで、自分から情報発信する方法はどんなものがありますか?(聞かれたら言う、店に来てもらったらそこに資料が置いてある、ではなく、自分からどんどん発信する方法は?)

あなたのビジネスに「情報」を取り入れるアイディアを、コメント欄に書いて教えてください。
このペットショップが売上をアップするアイディアも大歓迎です。

fasdf



PS:【ザ・レスポンス】ゴールドのメンバーには、ダン・ケネディのコンテンツをはじめ、新規のお客を集める具体的な方法、そして、既存のお客さんのとの関係を強くしていくための具体的な方法、売上を上げる方法などをお届けしています。→ http://www.theresponse.jp/gold/upgrade/

寺本 隆裕

ダイレクト出版取締役。セールスライター兼マーケター。クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、プロジェクト1件で、一流企業のエリートサラリーマンの年収を軽く超える額をチャージ。さらにそこから売上からのロイヤリティがかかる。これほど日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず「書いてください」という人が後を絶たない。著書には『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』『ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)がある。

寺本隆裕の記事一覧

ブログ一覧へ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします

ページトップへ
Loading