From:寺本隆裕
「クリエイティブ」この言葉にはとても魅力的な魔法の響きがある。ところがこの言葉がほとんどの人の仕事を邪魔しているのも事実だ。ことコピーライティングに関して、「クリエイティブ」を重視すると、時間がかかるばかりでなく、逆に反応がとれない事が多い。
ある伝説的なコピーライターが言った事だが、コピーにクリエイティブはないと言う。クリエイティブが必要なのではなく、「コネクティブ」が必要なのだ。コネクトconnectとはあるモノと別のモノをつなげる行為の事。※つなげると言う意味。
セールスコピーを書く時は、全くのゼロから白紙の状態からすばらしい作品を生み出すのではなく(コピーが書けないという苦手意識を持っている人はこう考える人が多い)すでにあるモノと別のモノをブロックのように組み立てる作業なのだ。そして、そう考えた方がよっぽど仕事は早く済み、よっぽど効果の高いものができる。
忘れてはいけない
僕らがやっているのはビジネスであって、
芸術ではない
そして、ほとんどの人がコピーを書く時に手が止まってしまうのが、その「部品」を持っていないからだ。それがスワイプファイル。つまり過去に効果のあった広告やセールスレターのサンプルの事。これらを集めておくことはとても大切だ。どこで集めるのか?答えは簡単。何度も何度も見る広告やセールスコピー、この商品は売れていると知っているもの、あるいはコピーライティングの教材などにもついている。
そして、今回は、僕のスワイプファイル集からヘッドラインの一部をシェアしよう。これを使ってヘッドラインを書けば簡単に効果の高いヘッドラインが書けるはず。
これはデールカーネギーの有名な「人を動かす」の本の元々のタイトル。How to win friends and influence people 日本語に訳すと上記のようになる。このヘッドラインで広告を出してカーネギーの本は何百万冊と売れた。今では広告をしなくても売れるようになっているが、昔は広告でダイレクトレスポンスで売っていたのだ。
このヘッドラインの特徴はベネフィットが2つある事。つまり、[ベネフィット1]を手に入れて[ベネフィット2]になる方法これに穴埋め式でベネフィットを埋めればヘッドラインが完成する。例えば、、
などなど。
こんなものは、いくらでも作れるだろう。読んでて気づいてるかもしれないが、大抵の場合、一つのベネフィットは結果としてもう一つのベネフィットを生み出す。例えば、習慣が変われば(ベネフィット1)人生を思い通りにコントロールできる(ベネフィット2)
このような質問を投げかけられて、無視できる親はなかなかいない。親は常に子供の事を気にしているものだし、この質問のように「これらの」という言葉は、本文にこの言葉があることを暗示している。だからこの言葉があると、自動的に「これらとは何か」というように読者は考えるようになる。
結果、本文を読む確率が極めて高くなる。よくある間違いはヘッドラインで商品のアピールをしたり売ったりしなければならないという考えだが、その必要はない。ヘッドラインの最大の役目は、次の文を読んでもらう事。本文を読んでもらう事だ。
まず500円払うというベネフィットがある。しかもこの雑誌を読むだけで?通常ではない話だ。そして、それをやっているのが非情な億万長者だという。何が理由なんだろうか?とても好奇心、興味をそそる。好奇心+ベネフィットだ
これが、“この雑誌を読むだけで500円払います”というベネフィットだけになると、とてもつまらないヘッドラインになってしまう。
会社を辞めたい。自由になりたい。という欲求は極めて強いものなので、ストレートに話しかけることでも効果がでる。“いつか”という言葉が真実味を出している。
例:
先ほどの例と同様に“あなたを「新しい男」に変えてみせます”というベネフィットだけだと、真実味が薄い。信用できない。しかし、1日15分という条件がつく事で、その主張に真実味がおびてくる。
現代のお客はたくさんの広告を毎日毎日、何千と見ている。なので、自動的に広告の主張を信用しないようになってきている。だから、証拠やお客の声が必要だったりするわけだ。
このヘッドラインのように「条件付きベネフィット」は条件があるだけに真実味が出る。
既に多くの人がその商品のベネフィットを受けているという事実が、暗示されている。そして、無料というキーワード。
例:
ターゲットの見込み客をダイレクトに呼びかけている。
例:
“怠け者”が“金持ち”になるという主張は、一般のお客が持っている考えの逆で矛盾している。普通の人は、努力して勤勉に仕事をする人が金持ちになるものだという考えを持っている。そこに逆の考えが主張されると無視するのは難しい。人は自分の考えと逆の主張がされた時、興味をそそるのだ。
そして、その逆の主張がまた、お客の潜在的な願望、つまり「楽してお金を儲けたい」という欲求を刺激している。ちなみにこの広告でこの本は300万冊売れた。
例:
マーケティングの天才の驚異の秘密というだけではなんとなくぼやけているが、飛行機が怖いという事で、パーソナリティが出る。しかも、それがちょっとした弱点だからいい。強いポイントを言うよりも、弱いポイントを言った方が人間パーソナリティを感じるものだ。
先ほど出た、条件付きのベネフィットと同じだ。今回は、さらに“無料”という言葉がついている。私に○日間ください。あなたを[ベネフィット]にしてみせます。・・・それを無料で証明させてください。
もし、あなたがお肌の事を気にしている女性なら、このヘッドラインを見たら、本文にある5つのお肌のトラブルを見逃せないだろう。“5つよくあるお肌のトラブル”という言葉が本文にそれがリストアップされている事を暗示している。そして、“あなたはどれを治したいですか?”という言葉が、それらのトラブルにたいする治療法の存在を暗示している。
例:
誰だって言葉の間違いで恥をかきたくない。そこを突いているのと、“こんな”という言葉が、本文に間違いがいくつかある事を暗示している。そして、読者を本文に巻き込んでいる。チラッと読むだけではなく、「自分はやってないよな?」と確認しながら読みたい。だから精読率が上がる。この広告は40年間、英語教材を売り続けた伝説の広告だ。
例:
○○の告白
これはとても好奇心をそそる。芸能人の暴露本などが常に売れ続けるのと一緒の心理だ。○○の中に入れるのは、何か秘密を知っていそうな人がいい。
例:
これは暗示ではなく、ストレートに本文に答えがあるよ、と言っている。何度も見ていて実感できるだろうが、ヘッドラインは本文を読ませる事が最大の目的なのだ。
○○で最大のチャンスとは?この下にある答えにあなたはきっと驚く事でしょう・・・
例:
“あなたが怠け者でも効果が出ます”だと信頼性に欠ける。なので、読者と一緒の立場で疑ってあげる事で、その主張に真実味が帯びている。
例:
警告!これを読む前に△△しちゃいけません。
この手のヘッドラインは△をしようとしている(あるいは買おうとしている)人の注意を引ける。特にマーケットに競合が多い場合、かなり使い勝手がいいパターンだ。“ほとんどのサプリは、、、”の所でさらにターゲットを絞っている。
例:
医者という言葉はほぼ自動的に信頼性を生む。ちなみに僕のマスターマインドコーチングのメンバーにも医者の方が何人かいるが、自分自身ではそれにはなかなか気づかないようだ。医者という立場や言葉がどれだけ強い力を持っているか。
そのような権威者が気分を悪くした時にする事だから、好奇心が刺激される。
例:
何百万人もの人がすでに白い歯を手に入れているという証明を暗示している。そして、その方法まで。
例:
自分の才能をもっと引き出したいという欲求は誰にでもある。何千人もの人が持っているなら、自分も持っている可能性も高い。そして、それを知らないまま?あなたなら放っておける?
これを読めば儲かります。というストレートな主張を逆方向からお客の立場で言っている。そうする事で、信用度を高めている。
ストレートだ。考えてみてほしいんだけど、こういった少ない文字はネットでも印刷でもとても大きなフォントで強いインパクトで書く事ができる。例えば、こんな風に・・・
究極の節税法
オフラインのダイレクトメールや印刷広告なら当然だが、スペースには制限がある。インターネットは制限がないと思うかもしれないが、実際には、制限はある。例えば、セールスレターのページを全部一気に見る事は物理的に不可能だ。実際は、スクロールしない第一画面を見て、次を見ようかどうか瞬時に判断しているのが人間だ。
だから、文字数が短くてインパクトが強い方が読者に対するアピールも強くできる。
芸能人や有名人が整形手術をしているのは周知の事実。そして、これを読んでいる見込み客は整形手術なんかしたくない。さらにハリウッドスターという言葉が信頼性を高めている。
“驚異のフェイスリフト”だけだと、なんとなくボンクラな感じになってしまうが、前の言葉を入れるだけでヘッドラインは生まれ変わっている。
“外国の秘密の方法”というものは、好奇心をそそるものだ。特に僕ら日本人は、欧米ものに弱い。ヨガも元々インドの方のものだけど、ハリウッドで火がついた。そしてそれが日本に来た。NY発、ロサンゼルス発、パリで流行、などなど。
あなたの商品に外国の何らかの要素があるなら加えておいて損はない。
例:
このヘッドラインは一目見て、セールスメッセージだとは思わない。どちらかと言うと、コンテンツが書かれていると捉えるだろう。人は広告は読まないけど、記事やコンテンツは読む。お金を払ってでも読む。この広告の本文には知っておくべき事10個のリストがある。
例:
これもどこかで出てきた、矛盾がある。世界で最も高い雑誌だったらそんなにもたくさんの人が読んでいるはずはない。でも4万人が毎月買っている。だったら、その雑誌には相当な価値があるに違いない。というロジックを暗示している。
何度も出てくるが“矛盾”という要素は好奇心をかき立てるのにとても使える。
例:
“ベネフィットが実現するまで、お金は払わないでください。”これは30日間無料お試し、などのコピーで使う事ができる。
例:
これは人の虚栄心をくすぐっている。また、「警告![条件]じゃなければこれを読まないでください」というコピーはとても使える。人間、読んでくれと言われると読みたくないが、読んじゃダメと言われると読みたくなるもの。
例:
挑戦的な質問。こういった挑戦的な質問が便利なのは、例えば、これが“年間5000万円稼ぐ方法”だったら、なんとなくボヤけて嘘くさくなる。しかし、それを読者に対して挑戦することによって嘘くささは消えている。
例:
以上、これだけ見れば、どんな要素がそのヘッドラインを際立たせているかが分かってくるだろう。そして、自分でもどうすればいいかが分かるはず。あなたにやってほしい事は、このヘッドラインを参考に自分のヘッドラインを作る事だ。
やり方はとても簡単
まず、自分の売り出す商品の事、対象の見込み客の事を完全に理解した上で、このヘッドラインを手書きで書き写せばいい。一つ一つ書き写す。そうすると普通なら、自然と思い浮かぶものだ。
そしたら、最低20個位のヘッドラインは簡単に書けるはず。実際、これは毎回僕がヘッドラインを書くときにやっている事だ。ここで紹介したヘッドラインの例はどれもこれもかなりいいヘッドラインなので、簡単に書いたとしてもかなりいいモノができるはずだ。
それを、毎回、毎回、コピーを書く時にやってみてほしい。かなり簡単にいいヘッドラインが書けるのを感じることができるはずだ。もし、今、売り出している最中の商品があれば、そのヘッドラインを今スグ、このヘッドライン・スワイプに従って書いてみよう。
そして、できあがった新しいヘッドラインを今のものと対決させてみよう。たったそれだけの事で成約率は、つまり売上は簡単に変わってしまうのだ。
fasdf
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします