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マーケティングにおける「バージョニング戦略」とは!?

2014.1.15 | ,
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From:ダン・ケネディ

From:ダン・ケネディ

アメリカで売られている「視力にいいサプリメント」の広告が、ある媒体に出ました。その媒体は、航空パイロットのための雑誌でした。

このサプリメントは、別にパイロットの視力向上をうたったものではありません。むしろ、多くの媒体、市場で売られている一般的なサプリメントです。

しかし、この雑誌の特定の読者のためにバージョニングされ、カスタマイズされた広告を載せたことによって、非常に大きな反応を得ることができました。

具体的にはどのようにしたのかというと、あるパイロットが書いた一人称の「お客様の声」という形の広告にしたのです。

これによって、使われている言葉は読者にとっても正しいもので、パイロットなら「わかる」と感じられる文になっていますし、単なる一般向けの広告にはない「本物感」が出たのです。

読んでいる人はほぼ全員パイロットですから、読者は「私に直接、関係のあるものだ」「私に向けて語られているものだ」という気持ちになります。

大勢の人たちのために作られたものに比べて、興味の度合いが限りなく大きくなるのは当然です。

この商品の広告をパイロット向け雑誌に掲載する場合、一般向けの、ごく普通の広告を載せても、十分な売上を上げることはできないでしょう。

しかし、パイロット向けにバージョニングされた広告によって、大きな反応を得ることができたのです。

このように、掲載される媒体に合った、あるいは想定される読者(視聴者)に合った広告にカスタマイズするのが「バージョニング戦略」です。

この方法では、実際にはUSP(ユニーク・セールス・プロポジション)を持っていない商品でも、広告によってUSPを作り出すことができます。

パイロット向け雑誌にも、ゴルファー向け雑誌にも、釣り好き向け雑誌にも同じ広告を打ってしまうというのは、読者に「自分に関係のある商品だ」と思ってもらう作業を読者に委ねてしまっていることになります。

それは「戦略」とはいえません。

この「バージョニング戦略」にはさらに続きがあります。

例えば、広告に電話番号を記載したとしたら、その電話に出るオペレーターに「はい、こちらはパイロット用サプリメント『○○○』のオペレーションセンターです」と言うように教育するのです。

要するに、すべて媒体で一貫性を保ってバージョニング戦略を行うのです。

「やりすぎではないか」って? そんなことはありません。

こうすることによって、お客様に安心して商品を購入することができるようになるのです。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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