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顧客サービス交渉術者になる方法

2016.3.13 | ,
  •  

From:ダン・ケネディ

人とうまくやっていく能力や他者に影響を与える能力というのは、最も価値があるビジネススキルの1つです。

例えば、少し前のことですが、ある大型百貨店の店長と店内を歩いて回ったことがありました。

「この売り場にいる店員をよく見てください」と彼は言いました。店長はレジ脇でかたまってしゃべっている3人の店員を静かに指さしました。そのときその売り場では、明らかに何かを探している2人の顧客がいました。

別の店員は、近くで顧客が助けを求めてうろうろしていたのにも関わらず、10分近く電話で話していました。私的な電話をしているようでした。

紳士服売り場にいた2人の店員は、整理整頓してほしいと叫んでいるセーターの陳列棚が近くにあるにも関わらず、しゃべっていました。

店長は私に聞きました。「この中で誰か1人でも、売り場マネージャーに昇進し、その後に店長になる可能性はどのくらいあると思いますか?」

これは分かり切った質問でした。あなたは、何回このような経験をしたことがありますか?小売店やスーパーマーケット、ディスカウントストアなどに行き、商品を補充している店員に自分が探している商品の場所を聞いたとき、どんな答えが返ってくるでしょうか。

店員はあいまいな方向をいくつか、なんとなく指さし「左側の向こうに見える3番通路か反対側の8番通路でしょう」などと答えるでしょう。

ここで私が経験した話をしましょう。私がホームセンターに行ったとき、探している商品の場所を店員に聞いたことがあります。その店員はこう答えました、「お探しの商品は5番か6番の通路にあると思います。行きましょう。」

そして私と一緒に行き、その売り場担当の店員を見つけ、私を紹介した後、自分の売り場に戻っていきました。

これこそが顧客サービス交渉術です。

その後、私は店長を探して、自分はこのようなことを書く仕事をしていると説明し、従業員がしたことについて聞きました。

「これは店の方針なのですか?」と聞きました。

「はい」と店長は答えました。「そのようにして顧客に対応するようにと全員に教育していますが、少なくともこの時間帯では、常にそのように行動しているのは彼1人だけです。彼はまだ知らないのですが、ポジションが空き次第、次の副店長になる予定です。」

皮肉屋になるのは簡単です。多数の人たちに同調することは簡単です。仕事は嫌いだと自分に言い聞かせ、雇用主を信じず、顧客の文句を言うことは簡単です。

自分が平凡なのは今まで十分な機会がなかったからだ、と言い訳をすることは簡単です。

そうです…このようなことは簡単にできることです。が、だからこそすべきことではありません。それぞれの会社や組織の各職種をみていくと、優秀で、昇進し、成功する人の割合はほんのわずかです。

大多数の人たちはまったく出世しません。先ほど言った皮肉屋のような考え方というのが、どこにも進まない大多数の人たちの考え方です。

とても簡単なことを行うだけでは、報酬はわずかです。昇進する人たちの考え方は大きく異なります。前向きで、楽観的で、楽しくなるような考え方です。確かに難しいことですが、難しいことを行えば報酬はとても大きくなります。

私が長年見てきて思うのは、このような考え方を取り入れて、優れた真の顧客サービス交渉術者になろうと熱心な人たちは昇進していく、ということです。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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