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毒になる成功イメージ

2015.6.8 | ,
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From:小川忠洋

From:小川忠洋

大阪のスタバより、、、

そういうわけで、現在、本を制作中。

ぶっちゃけた話が、まぁそんなたいそうな本ではない。軽めの本だ。

もちろん、ザレスポンスをフォローしてくれてるあなたは、この本がビジネスの目的で書かれているって事は、まぁだいたい予測はつくだろうけどね。。。

出版事業をやっていると、よく分かるんだけど、本ってのは、ダンケネディが言うように「最悪の商品」だわ。

この本を商品として考えていると、めちゃめちゃ痛い目にあうね。だからこそ、本を書いたら、そのバックエンド商品がないと、まぁ無理。

100万部のベストセラーって、年に何本出るんだろうね?宝くじの1億円とかの出現回数と同じくらいじゃないか???

そんなもんでカネを稼ごうなんて考えちゃダメだよ。

ぼくらダイレクトマーケターにとって、本は販促ツールだ。こういう事言うとマジメな人には引かれると思うけど、実際、そうだと思うよ。

とは言え、本はただの販促ツールとは違う。圧倒的に優秀な販促ツールだし(キリスト教が世界中に広がったのも聖書という販促ツールがあったからだよね)販促ツールといえど、本は本だから、中身もしっかりとしていないといけない。

ま、良い本書けば、たいていは最高の販促ツールになるけれどね。

んで、今作ってる本の中から、一部、これは是非シェアしておきたいな。と思ったところがあるんで、シェアするね。

毒になる成功イメージ

あなたは今の事業をやっていて、何か成功したイメージとかってある?

自分の中で、事業の成功の定義ってある?おそらく、こんな事、あまり考えたことないんじゃないかな?でも、これってとっても重要で、あなたの日々の行動にめちゃめちゃ影響するんだよね。

というのもどういう事かというと、成功の定義がなければ、変な影響を受けちゃうわけ。具体的に言うと、

たとえば、プロダクトローンチで1日3億円売上げました!みたいなメッセージあるでしょ?あるいは月収何百万、何千万とか。まぁ最近ではあんまり聞かなくなったけど、あーゆーのって定期的に流行るよね?

んで、もし、自分の中に事業の成功の定義ってものがなければ、1日で3億とかそういう話を聞いて「スゲぇ〜なぁ〜おれもそんな事してみたい」とか思うわけね。要するに、こういう風に短期間でドカンと売上を上げたケースを「成功事例」と捉えちゃうわけ。

んで、この人は成功してるからこの人の情報を取ろう的な・・・

でもね。。。単に儲け話って事ならいいと思うけど、あなたが社長として、しっかりと安定した事業、いい会社を作りたいって思うなら、、、、それってまさに「毒になる成功イメージ」なんだよね。

というのも、短期間にドカンと売上が上がるってのは、会社経営の視点から見れば「リスク」なわけ。え?ドカンと売上上がってるんだから、いーじゃん!成功じゃん!何がリスクなわけ?と思うかもしれないけど、、、リスクなのよ(^^ゞ

どういう事かというとね。たとえばローンチの例を出すと分かりやすいんだけど、1日で売上がたとえば1億円上がったとするでしょ?でも、それって本当は1日じゃないわけ。

3ヶ月間の準備期間があってのこと。さらにはさ、ローンチやった日からはしばらく、次のローンチできないわけでしょ?だから、たとえばさらに3ヶ月はできないと。そうすると1日で1億円じゃなくて、6ヶ月で1億円になるのよね。つまり1日あたり55万円の売上。

で、ここがポイントなんだけど、同じ売上でもどっちが経営しやすいと思う?

  • A.毎日55万円上がる事業
  • B.半年に1回1億円上がる事業

感覚的に分かると思うけどAの毎日55万円の方だよね。何故か?理由は2つある。

1つは、コストの問題。1日で1億円上がるって事はさ、1日に半年分のお客さんが集中するわけ。その集中したお客さんの対応、商品のデリバリーなどで、一気にたくさんの人員が必要になるわけよ。

たとえば3人必要になったとして、発売日直後くらいはその3人が必死になって処理するわけだけど、それが終わったら、その3人、必要なくなるわけ。

でも人間だからさ、仕事がなくなったからハイ「クビ」ね。とはできないわけよ。そして、何かどーでもいいような仕事を見つけて、よく分からないけど忙しい状態が続く、、、なんてことが起きる。

短期的に売上が上がるのがリスクな2つのワケ

一方で、毎日55万円の方は、1人で処理できるかもしれない。であれば、1人しか必要ないし、見過ごされがちな所だけど、毎日、仕事があるからその従業員を教育して仕事のデキる人材にすることもできる。

人間だけじゃなく、他にも見えないコストってのがあるんだけど、それが一気に1億も入ってくるとどんどん膨れ上がるのね。物販であれば在庫管理は難しいだろうし、一気にカネが入ってテンション上がってるから、不必要な買い物が増える。

たとえば事務所もムダに広くなるとか。。。。そんなこんなで、地味ぃ〜〜に固定費があがっていくわけ。

もう一つの理由は予測ができないんよね。半年に1回しか仕事の「成果」が見れないわけだから、次の結果がどうなるかなんてのは、ぶっちゃけやってみないと分からない。

一方で、毎日55万円の方は、毎日仕事の結果が見られるので、ちょっとした改善をくり返していくことができるし、日々の売上が55万円>50万円>48万円なんて変化していった日には、何か問題が発生しているのかな?改善しないといけないな。なんて対応がスグにできる。

わかる?だから、短期的に売上がドカンと上がるのを「スゴい成功事例だ」なんて思ってると、自然と自分もそういう一発逆転的なものを求めるようになって、目の前の小さな改善の積み重ね、というとても重要な事から目を背けるわけ。

だって短期間でドカンと売上上がったら、「快感」だもん。快感だからそれを追い求めちゃうよね。目の前のチマチマした事なんかほっといて…

誤解しないでほしいのはプロダクトローンチがダメだって話をしてるんじゃないよ。ローンチという手法は、最高のプロモーション手段だと思う。

だけど、それはプロモーション手段、つまりは戦術の一つなわけで、それで事業を作ろうってのは無理があるのよ。ローンチだから、立ち上げには最高に向いてるけど、維持、継続には向いてるとは言えないよね。

事業の成功の定義

じゃあ、どんな事業を目指せばいいのか?事業の成功の定義は何なのか?というと、これは、自分自身が決めることだから、ホントはあなたが自分の頭で考えてほしいんだけど、参考までに。

  1. 持続性(サステナビリティ)
  2. 拡張性(スケーラビリティ)
  3. 利益性(モーケラビリティ)

持続性ってのは、要するに来年も再来年も5年後も10年後も続いている事業であるか?ってこと。

いわゆる環境保護的なサステナビリティとは違うよw。たとえば、ぼくの大好きなスタバは、3年後も5年後も10年後も間違いなく同じように事業を展開しているだろうし、業績を伸ばしているだろう。

これって素晴らしい事業だよね。つまるところ、それだけキャッシュフローを生み出してくれるわけだから。

つまりは今年、いくら儲かったか?なんてどーーーーでもいい話なわけ。その事業が、継続性、持続性のある事業だろうか?って所が一番のポイントだわね。

拡張性ってのは、ちょっと前のブログに書いたんで、そっちを参考にしてほしいけど、要するに事業を大きくすることができるか?って事。

こう考えてみるといい。今の事業が10倍になっても大丈夫か?つまりお客さんの数が10倍になっても、耐えられるか?いやいや、到底無理っていうんじゃ、その事業には拡張性がない。

これもスタバで言うと、今の店舗が10倍になっても、スタバは何の問題もないだろう。(米国で1万店舗以上あるので、人口比で考えると日本に3000店舗(いまの3倍)くらいあるのは現時的に考えられるラインだ。)

ほとんどの小さい会社は、社長依存ビジネスなので、拡張性がない。そりゃそうでしょ。社長の時間は限られてるし。社長は1人しかいない。これは大問題。

だから社長の独り芝居で売上を建てている会社を成功している自分のモデルにしてはいけない。

利益性。モーケラビリティは、まぁ言うまでもなく、儲かるかどうか。ってこと。社長はどうしても売上に囚われるけど、事業の本当の成績は利益だからね。ちなみに古い言葉にこんなものがある・・・

売上は虚栄。利益は実態。キャッシュはキング。

ま、そんなとこ。やっぱ、ぼくらも人間だから、そういうエキサイティングな儲け話は好きだし止められない。

けど、一方で、冷静にこういう考えを芯に持った方がいいと思うね。もし、あなたが本当に、長期的に持続する素晴らしい事業を作りたいのなら・・・

ーおがわ

PS:
モーケラビリティとかいう英語はないからググらないように…

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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