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ひとつの力〜ひとつのビッグ・アイディア〜

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From:マイケル・マスターソン

私がセールスライティングについての最も大きな教訓を得たのは、セールスライティングを始めてから20年以上経ってからのことでした。

私が「Early to Rise(ETR)」のサイトを始めてから約1年後くらいのことです。私はその年にサイトに投稿した記事に目を通しながら、どれが一番読者の評価が高かったかを書き出していました。すると、高い評価を得ていたものは例外なく、アイディアをひとつに絞って書いたものばかりであることが分かったのです。

読者は1つのテーマに関する私の意見の全てを聞きたいわけではないのだ、という事実に私は衝撃を受けました。彼らは成功するために役立つ提案やアイディアをたったひとつだけ求めていたのです。

これは目からうろこが落ちた瞬間でした

読み手の目線では、私もひとつのテーマを深く掘り下げ追求した逸話やエッセイを好んで読みます。書き手としても、私の読者たちは同じように思っていると感じています。しかし、ETRサイトの結果を見るまで、私は焦点をひとつに絞ることの大きな力に気がつかなかったのです。

私は、セールスコピーにもこれと同じ現象が起きているのかを調べるために、「歴史に残るプロモーション」のコレクションを漁ってみました。その結果、全てがひとつのトピックに絞られているわけではありませんでしたが、ほとんどのものはアイディアがひとつに絞られていました。

私はこの考えが正しいことを確信し、早速私の顧客でもある出版社「アゴラ」が主催するミーティングでこれをテーマにプレゼンを行いました。フランスの出版社が集まるミーティングだったので、タイトルは「出版界で成功するための強力な秘密」としました。

素晴らしいプロモーションは例外なくひとつのビッグ・アイデアが芯にある

ビル・ボナーは広告界の巨匠として知られるデイヴィッド・オグルヴィの「ひとつの力」から学んだものを教えてくれました。オグルヴィのコンセプトは、素晴らしいプロモーションというものはひとつの強力なアイディアが芯にあるもので、彼はこれを「ビッグ・アイディア」と呼んでいました。

ちょうど同じ時期に、ジョン・フォルデは1941年発行の広告界の古典として知られるビクター・シュワブの「良い広告の書き方」を読み直していました。シュワブ氏とは、業界紙「Advertising Age」から「史上最強の通販のセールスライター」と呼ばれていた人物です。

この本のなかでシュワブ氏は「最高の見出し100選」をあげています。ジョンはこの100の見出しのうち9割が「ひとつのビッグ・アイディア」によって構成されていることを発見しました。

この「ビッグ・アイディア」がいかに明快で魅力的なものか見ていきましょう。

・「人から好かれる秘訣」
・「子供の人生に1ドルの価値を見出せますか?」
・「いつか仕事を辞めようと思っているあなたへ」
・「パーティで話せなかった事がありますか?」
・「普通の女子を美しく見せる新たな発見」
・「映画スターのような容姿になりたい人は他にいませんか?」
・「医者が病気になった時にまずすることがこれです」
・「この簡単な方法一つで、あなたはお金の心配を笑い飛ばせるようになります」
・「あなたの給料に潜んでいる富を掘り当てましょう」
・「この“バカげたアイディア”でどうやって私は富を築いたか?」
・「“悩みの尽きない株”を抱えていませんか?」

1つの記事のテーマは必ず1つに絞ること

ETRでは、この「ひとつの力」というコンセプトをライティングのルールにしています。いたって簡単なルールです。1つの記事のテーマを1つに絞るのです。まあまあのアイディアがたくさん並んでいるよりも、明快で説得力のあるいいアイディアが1つある方がいいに決まっているからです。

このルールに従っていれば、我々の記事はとても説得力のあるものとなります。反対にこのルールを守らなければ、記事の説得力が下がってしまうのです。

ここで実例として、「1つのルール」に則ったETRのPR記事をご紹介しましょう。

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それではどのように彼が成し遂げたのか見ていきましょう。

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メリーエレン・トリビー
ETR ライター

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それではこの文章において「ひとつの力」がどのように作用しているか説明していきましょう。

まずメリーエレン・トリビーの序文にて、質問と一行の文章を紹介しています。
この質問は、読者に結果を知らせるための質問であり、文章はこの結果を実証するためのものです。

ここからセールスコピーが始まります。このセールスコピーは、「インターネットで最も簡単に稼ぐ方法は電子書籍を売ることだ」というとてもシンプルなものになっています。

「事実」を箇条書きに列挙することで、この言い分が正しいものであることを紹介した上で、ボブは自身の経験からそれが正しいことを証明していきます。

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短く、簡単でシンプルなやり方です。

アイディアだけではありません

「ひとつの力」は、大きく中心となるアイディアだけではありません。それは、5つの必要な要素を兼ね備えた、とても魅力的な広告の一部なのです。ボブの例を見ていきましょう。

・ひとつの良いアイディア:「シンプルで分かりやすい指南書や手引書の電子書籍版ほど簡単に作れてオンラインで売れる商品はない」

・ひとつの核となる感情:「これは簡単だ!私もできそうだ!」

・ひとつの心踊るストーリー:「私の初めての電子書籍は、今までに2万727ドルの売り上げを叩き出しています」という短い文章が全てを表しています。

・ひとつの魅力的なベネフィット:「ここで、電子書籍で大きな利益をあげる方法をご紹介しましょう」

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ヒットするプロモーションを次々と作り出すには、良い広告と優れた広告の違いを理解する必要があります。優れた広告の裏側には必ず「ひとつの力」が隠されているのです。

アンハイザー・ブッシュ社(バドワイザーなどを販売するビール会社)、ホリデイ・イン、マクドナルドなどをクライアントに持っていたベテランの広告コンサルタント、ジェームス・ロフタスは次のように述べています。

「あなたが多くの論点を網羅しようとすればするほど、ひとつひとつの論点の効力は薄れていきます。広告にも同じことが言えます。たとえ複数の観点を持っていたとしても焦点をひとつに絞ったものが効果的な広告となるのです。もしあなたの論点が多岐にわたってしまうと、その論点同士が競り合いを始め、読者の注意をあちこちにそらしてしまうことになるでしょう」

一流ライターと二流ライターの違い

セールスコピーを書くのに苦労している時、多くのセールスライターは商品の特徴やベネフィットを数多く列挙してしまいがちです。彼らはこのように考えるのです。

「どれが一番相手にアピールするだろうか?そうだ、全部入れてみよう。そうすれば、どれかひとつは当たるだろう」

この考えでは二流のセールスライティングしかできません。これでは大ヒットする広告を打つことはできないでしょう。

AWAIが教えた「ひとつの力」は、今ではアゴラでは当たり前のことになっています。そして、トップセールスライターたちは次々とそれにならっているのです。

「ひとつの力」を使うことで、あなたは大ヒット広告を作ることができるでしょう。「この場合の『ビッグ・アイディア』はなんだろう?」「このアイディアは顧客の気持ちを掴むのに充分だろうか」「このアイディアはありふれていないだろうか」と考えてみるのです。

「ひとつの力」をあなたのコミュニケーション全てに取り入れてみてください。あなたの広告は驚くほど力強く素晴らしいものになることでしょう。

マイケル・マスターソン

年商100億円以上の会社を2社、50億円以上の会社を2社、10億円以上の会社を10社以上保有、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界で屈指の実績を誇るスーパー起業家。その事業構築の手腕は多くの起業家、マーケッターから高く評価され、推薦分などを書くことがないジェイ・エブラハムが著書に序文を寄稿するほど。AWAIのファウンダーの一人であり、450,000人の会員を誇るメールマガジン「Early to Rise」のファウンダーでもある。

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