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顧客からの苦情を予測して先手を打とう

2016.11.19 | ,
  •  

From:マイケル・マスターソン

意外と見過ごされがちな広告のテクニックに、顧客の不安や苦情をあらかじめ予測して先手を打つというものがあります。

どんな商品やサービスにも強みと弱みがありますが、弱みだけが目立ってしまうと、大切な顧客を逃すことになりかねません。そこで今回は、弱みをひた隠しにしてビクビクするのではなく、弱みを公開し対処方法を示すという手法をお伝えしたいと思います。

私の友人であるボブ・ブライは、著書「セールスライティング・ハンドブック:「売れる」コピーの書き方から仕事の取り方まで」の中でこのように提案しています。

「顧客からの苦情が予想できる場合、広告の一番上にその苦情を書いてしまいましょう。読み手を広告に引き込み、好感を持たせることができるでしょう」

ボブはアメリカの公共テレビ放送を例に挙げています(「CMなし」という触れ込みがボブは気に入らないそうです)。「確かにCMはないが、20分おきに寄付を訴えるなら意味がない!」という苦情が予想されます。

公共テレビの全国組織である「PBS」はこの苦情を見越したうえで、広告にこう記しています。

「長年、多くの視聴者から『PBSに寄付をしないのは、番組の途中で寄付のお願いが流れるからです。これをなくして今のような素晴らしい番組だけを放送するなら、喜んで受信料を払います』というご意見をいただいています。

実は昨年、PBS存続のための寄付のお願いを実験的に減らしてみました。今年も同様に、我々の存続をかけてこれを続けていく所存です」

ボブは「嫌がられることは承知の上で何とかしようと努力している。でもこれがうまくいかなければ受信料をとるしかないんですよ」というのが、PBS側の本音だろうと指摘しています。

ディズニーワールドのケース

最近見かけたもう一つの例として、ディズニーのケースを紹介しましょう。フロリダのディズニーワールドのアニマルキングダムでは、すべての動物が動き回るのは早朝だけで、日中にはほとんどの動物が寝ているところしか見れない、という問題があります。ディズニーはこれを逆手にとってこのように宣伝しています。「動物は昼間好きな時間に寝てしまいます。今日はどんな動物が起きているのか、お楽しみに!」

他にも例はたくさんあります。もしあなたの商品の値段が高いなら、この商品を使うことで長期でどれくらいの節約になるかとか、商品を買わなかった場合にかかるコストを示せば良いでしょう。ちょっと変わった車を売るなら(クライスラーのPTクルーザーやフォルクスワーゲンのビートルなど)、限定版、個性派と訴えることができます。また、燃費の悪い大型車なら、安全性や高速道路での加速の早さを強調しましょう。

弱みを強みに変える4つのステップ

新たなキャンペーンを実施する際には、商品の弱みがどこかをはっきりさせることから始めるといいでしょう。自社で作った商品を売る時には、弱みを前面に出すことで商品や広告をもっとアピールできるはずです。しかし、自社以外で作った商品のマーケティングをする時には、弱みを強みに変えることは必要不可欠です。どのようにすればいいか、下記を参考にしてください。

・チームで集まり、顧客が商品を敬遠する理由について意見を出し合って考える。
・横線と縦線を引いてTの形のチャートを作り、左側に商品が売れない理由、右側に解決策を書いていく。
・売れない理由、解決策は別々に考える。1人最低1つ売れない理由を出し合う。ここで出た意見は、そのままの形で書き留めておくこと。おかしな理由でも後々役に立ったり、別のアイデアにつながることもある。
・売れない理由を順位づけし、最も苦情になりそうなものを選ぶ。その解決策を探すことに焦点を絞り、もう一度考える。

これであなたは顧客の最大の苦情や不安を把握したことになります。先回りして問題を見つけて解決しておくことで、顧客を不安にせず逆に引き込むことができるというわけです。

マイケル・マスターソン

年商100億円以上の会社を2社、50億円以上の会社を2社、10億円以上の会社を10社以上保有、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界で屈指の実績を誇るスーパー起業家。その事業構築の手腕は多くの起業家、マーケッターから高く評価され、推薦分などを書くことがないジェイ・エブラハムが著書に序文を寄稿するほど。AWAIのファウンダーの一人であり、450,000人の会員を誇るメールマガジン「Early to Rise」のファウンダーでもある。

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