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言葉の力

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From:小川忠洋

From:小川忠洋
大阪のスタバより、、

人間は“言葉”によってものを考える。漠然と考える人はいない。

人は考え事をするときも、頭の中で言葉を使って喋っている。だから日本人は日本語で考えるし、米国人は英語で考える。そして、驚いたことに、人は、商品そのものの価値も“言葉”によって判断するらしい・・・

福岡出身の岡島さんがニューヨークのマンハッタンで経営する博多料理店「HAKATA TONTON」は、NYミッシュラン5年連続受賞の快挙を成し遂げている大人気店だそう、、、多くのお客さんは「豚足」を目当てにこの店に通っているらしい。。。

「え?外人って豚足好きなん?」

って思うかもしれないが、もちろん好きなわけない。豚足って、正直、ぼくも苦手なほうだし。。。

が、しかし、そこにはちょっとした工夫があった。豚足を「豚の足だ。うまいぞ。食べるか?」って言われたら、アメリカ人じゃなくても若干、気持ち悪いし、引いてしまう・・・じゃあ、どうしたか?以下、本人談

>実は僕はメニュー名をあえてTONSOKUと訳さずに書いていました。
アメリカ人のお客さんは必ず、『TONSOKUって、何?』と聞いてきます。
そこで僕は、『フランス人がこよなく愛する料理、ピエ・ド・コションです』
と答えました。

すると当然、『それはどんな料理か』と聞かれる。

その時に初めて、『Pig’s Feet(ピッグズ・フィート/豚の足)です』と
種明かしするんです。

そうすると、
『うーん、フランス人に人気なら食べてみようか』となる(笑)。
もしメニューにPig’s Feetと書いてしまっていたら、
気持ち悪がられてブームにはならなかったと思うのです。

出典http://www.alc.co.jp/gogakuup/blog/2013/08/HimiOkajima-01.html

 

つまり、豚足をどのように表現するかで、どんな言葉を使って表現するかで、「気持ち悪い」か「美味しいのかも」の分かれ目となる。提供されるものが、全く同じものであったとしても、、、だ。

もう一つの博多名物といえば、「明太子」だが、これは最悪だったらしい。

というのも最初、明太子のことを「Cod roe」つまり鱈の卵とメニューに書いたそうだ。そしたら、気持ち悪いと酷評される。ところが、メニューの名前を別の「言葉」で表現したとき、、、鱈の卵は大ヒット商品となる...

さて、何てメニューにしたと思う?

ヒント:似たようなもので美味しいイメージがあるもの。

すでにお客さんの中でそういうイメージができあがってるものって何だろう?

わかった?

答えは、、、

「博多・スパイシー・キャビア」

うぉ!マジかと!最高のネーミングであることは言うまでもない。そして、それ以来、博多スパイシーキャビアこと鱈の卵は飛ぶように売れるようになったんだとか。。。

もちろん鱈の卵と言われるのと、キャビアと言われるのでは全然違うことは説明の必要もない。キャビアは、欧米人の中で高級食材として確固たるイメージを築いている。

だから、その名前にあやかることで、その確固たる高級食材のイメージを合法的に「借りる」ことができたわけだ。この経験から岡島さんは、こう思うようになった。

>私たちは物を食べているんじゃなくて、言葉を食べているんじゃないか!
と、そう思うようになりました。言葉って実はすごいんじゃないか、って。
大切なのは、「物」ではなくて、どう言葉にするかなんですよ。

 

「言葉」の力はとてつもない。恐らく、人間が持っている力の中で最も大きい力が「言葉」の力じゃないか。よくよく考えてみよう。

明太子という商品の味は、全く変わっていない。内容も全く変わっていない。しかし、その商品名が変わっただけで、人のイメージは「気持ち悪い」から「美味しそう」「高級そう」なイメージに変わる。これってスゴくね?

マーケターとして、ぼくらにとってこの事実はちょーーー重要だ。あなたの商品の価値が、あるいはその商品の売り上げや、広告のレスポンスが、「商品名」だけで、断然変わってくるということなんだから、、、

見落とされてるネーミングの力

「ネーミング」はほとんどのマーケターが見過ごしている、超パワフルな施策。名前を変えただけで(商品を変えなくても)売上がドンと伸びた事例はたくさんある・・・

  • モイスチャーティッシュ>>>鼻セレブ売上4倍
  • フレッシュライフ>>>通勤快速売上10倍
  • 缶煎茶(かんせんちゃ)>>お〜いお茶20年間シェアNo.1

 

ここに上げた例は、まぁ、特別大成功した部類だろうけど、この手の話はいくらでもあるだろう。

本だって、全く同じ内容であるにも関わらず、タイトルを変えて売上部数が断然伸びた、なんて話だってある。ちなみに今から90年くらい昔に本を1億冊、タイトルだけで売った男がいた。

彼がタイトルのテストをいろいろやっていて、同じ本でもタイトルの付け方で売れ行きがガンガン変わることを報告している。例えば、、

  • 自分を心理分析する方法43,000部
  • 個性の謎21,000部

 

みたいな感じね。これ同じ本だけど、こんな本のタイトルテストを延々とやった男。(ちなみに広告スペースが限られていて、文字通りタイトルしか広告に出せなかった)ちなみにこないだやった書籍のタイトル・アンケートでは、「これが絶対ヒットする」と思ったタイトルは全く反応がなかった_| ̄|○)

ポイントは、タイトルの付け方によって、売上や反応がめちゃめちゃ変わるにも関わらず、ほとんどの人はいい加減にタイトルをつけているということ。だからこそ、タイトルの決定には、もっと時間とエネルギーをかけなければいけないし、かけたらかけた分、リターンがある。

なので、一歩引いてチェックしてみよう。

あなたの商品名が「豚の足」になっていないかどうか。スパイシー・キャビアにするにはどうすればいいか?

また、どう思ったか聞かせて。

ーおがわ

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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