トップ > ブログ >  > 最重要戦略とうなぎ?

最重要戦略とうなぎ?

  •  

From:小川忠洋

From:小川忠洋

大阪のスタバより、、、

昨日の晩、久しぶりに一人でご飯を食べた時の話。マーケティングで最も重要な戦略をカレー屋で発見したので今日はその話をしよう・・・

最近は、大阪で一人暮らしをしているので、晩飯が、だいたい誰かと一緒に行っている。しかし、昨日の晩は、誰とも約束がなかったので、一人で食べる事にした。家に帰る途中、カレー屋の前を通ると、カレーの臭いがぷーーんとして来たので「今日はカレーかな・・・」と思った。

いったん家に戻った後、近所のカレー屋で美味いと評判のお店があったので、財布と本を一冊もってそこに行く事にした。店の中に入り、なすカレーにらっきょ、チーズをトッピングして注文。
(ちなみに僕はカレーにらっきょが大好きである。らっきょはカレーと出会うために生まれてきたんじゃないか、と思うくらいの、らっきょ・カレー派である。福神漬けも好きだがらっきょには及ばない)

カレー屋の間違い

席についてカレーを待っている間、ふと、目の前にあったメニューカードみたいなんが目に入った。・・・あれ?・・あれ?・・あれれれ?なんでこのカレー屋に”ちぢみ”があるの???”ちぢみ”って言やー、韓国料理の代表格でしょ?

その他にも”キムチ”やらなんやら、やたら韓国料理がそのメニュー表には並んでいた。そして、最後の極めつけのメニューは”うなぎ”である。
・・・・・おい!カレー屋でうなぎ食いてぇーやつなんているのか?・・・
普通に考えたら、うなぎは鰻屋で食べたくないか。カレー屋にうなぎがあっても、、、絶対に美味しくないだろ!仮に百歩譲ってそのうなぎが美味かったとしても、決して、”このうなぎ、美味いだろうな”ってお客さんは思わないだろ。

それだけじゃない、メニューに”うなぎ”や”ちぢみ”がある事によって、肝心要のカレーまでが、美味しそうに見えなくなってしまう・・・

マーケティングで最も重要な戦略

マーケティングで最も重要な戦略は、ポジショニングである。自社がお客さんから、市場から見て、どのような”ポジション”であるかを明確にする事。これが最も重要な戦略だ。

何故なら、人は、物事をカテゴリー分けして考えるからだ。そして、一つのカテゴリーに入るのは、人間の脳の仕組みから、7つくらいが限界だと言われている。実際は、もっと少ないかもしれない。

■思い浮かべてみよう・・・車のメーカーと言えば、、、、トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、、、、あとどっかあったっけ?これくらいがサッと思い浮かぶリストだろう。

■思い浮かべてみよう・・・パソコンのメーカーと言えば、、、はい。どうぞ。・・・・3、4社くらいしか思い浮かばなかったのでは?

■思い浮かべてみよう・・・経営コンサルタントと言えば、、、誰?誰が思い浮かぶ?恐らく3、4人じゃないだろうか?ここで20人30人のリストが思い浮かぶ人は、ほとんどいない。

そして、お客さんはそのカテゴリーで一番いいものから選択肢として考えて行く。例えば、経営コンサルティングをしてほしいと思った時、候補としてあがるのは、カテゴリーのナンバー1。ナンバー1は料金的に高いから、ナンバー2とか3とか別の選択肢に落ち着くこともある。

僕の住んでいる地域のカレー屋といえば、3、4件のリストがあがる。その中で、家からの距離と、美味さとで、選択をする。もちろん『Aというカレー屋は美味さは4PTで距離は150m。Bは美味さは3PTで距離は200m。今日はもちろんAだな。』なんて分析的な考えをしているわけじゃない(笑)が、脳の奥底ではそういった直感的な判断で選択しているのは間違いないだろう。

とにかく、

ポジショニング戦略で大切な事は2つ。

  1. 自分がどのカテゴリーにいるのか?
  2. そのカテゴリーでどういう位置づけか?

2の問題に関しては簡単である。競合との差だから、これは日々、社長が考えている事なので言うまでもない。そして、あなたは基本、ナンバー1を目指さないといけない。

重要なのは①。自分がどのカテゴリーにいるのか?これを我々は忘れがちだ。だから、色んなものに手を出してしまう。そして、自社、あるいはその商品がどういうカテゴリーにいるのか?どういうポジションにいるのか?を見失ってしまう。

昨日のカレー屋の主人も忘れつつある。

ちなみにこのカレー屋、カレーは美味かった。大阪で一番美味いカレーと看板にも書いてある。(多分、検証はしてないだろうが、そこはご愛嬌)しかし、大切なポイントは、ポジションを見失って、”ちぢみ”や”うなぎ”が出てくると、本来のカレーまでが美味しくなさそうに”見てしまう”という事。

ポジショニング戦略の重要なポイントは、お客さんから、市場から見てどのようなカテゴリー、位置づけにあるか?である。つまり、実際にカレーが美味いかどうか、うなぎが美味いかどうか、あなたの会社のサービス商品のクオリティが高いかどうか、ではないという事。

お客さんから見て、美味そうに見えるか?という事である。お客さんから見て美味そうに見えないなら、どんなに美味いうなぎでも売れない。お客さんから見て美味そうに見えれば、どんなにまずいうなぎでも売れるだろう。(ま、リピートはないが)

インターネットでビジネスをする際には、このポジショニング戦略がもっともっと重要になる。カレー屋の話を聞いたら、当たり前だろ!と思うかもしれないが、我々は自分のビジネスでしょっちゅう、こんな間違いをしてしまう。僕もあなたも例外ではない。

確認しよう。

自分のカテゴリーはどこか?そのカテゴリーでの位置づけは?

この2つのどちらかを改善するのが、あなたにとって最も重要なマーケティング戦略となる。

小川忠洋 

PS:美味いカレー屋、募集中。

PPS:この話は、商品のクオリティが重要ではないという意味ではない。

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

小川忠洋の記事一覧

ブログ一覧へ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします

ページトップへ
Loading