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パクれるのに何故考える?

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From:小川忠洋

From:小川忠洋

西宮のスタバより、、、

ちょうどさっき企画会議が終わった。さぁ後は帰って子供の顔でも見るかと思いきや、「今週、お盆なんで、、、」ブログの原稿ください的な話があり、、、スタバなう…という感じだ・・・

いつもは、何を書こうかあらかじめ、いろいろ考えてから書くんだけど、今日はもう19時過ぎてるし、、、考えるエネルギーがあまり残っていない・・・なので、さっき企画会議であったオモシロい話を軽くシェアしようと思う。

その企画会議ではあるセミナーをどのように販売するか?というプロモーションの企画をディスカッションする会議だったんだけど、、、その時、また同じパターンにハマってしまったのだ。

というのも、いろいろみんなが意見を出し合って、ごちゃごちゃ議論していたんだが、その企画会議の前に、ある資料を見てたんだよね。それはダンケネディの広告のサンプルだったんだけど(いわゆるスワイプファイルというやつ)同じようなタイプのセミナーがあったから、参考までにどんな売り方してるのかなぁーと…

どんな訴求で攻めて、どんな感情トリガーをついてるのかな?なんて思いながらペラペラ読んでいた。そして、企画会議の最中、

「そーいや、さっき読んだスワイプだと、セミナーの構成はこんなんじゃなくて、あんなんだった。ってか、そんな広告ばっかりだった」

的な発言をすると、、、

「え?」

場の空気が止まる。何を言ったかというと、商品の構成(ここではセミナーの構成ややり方)が、ぼくらがやろうとしていた企画とは全く違う方向だという事を言ったわけだ。いままでの話を全否定してしまいかねない、話だ。

「ん~、でもそっちが正解かも・・・」

寺本が言う。やっぱりそうかな?そうだよね?メリットはたくさんあるし、デメリットはほとんどない。それに何よりセールスレターや広告がめっちゃ書きやすくなる。(その前の版はアピールするのがとても難しいベネフィットだった。が、お客さんはそれがほしいと言っていた)

お客さんがほしいと言ったから、それに対応して作ろうと思った商品なわけだが、注意しなければいけない点がある。お客さんが「ほしい」と言うものと「買う」ものは違う。これは昔、マクドナルドの原田社長が「サラダが食べたいとお客さんは言うが、出しても全然売れない」という名言につながるものだ。

なので、過去の売れた広告を見て、そのアイディアから商品の構成を考えた方が、実は正解だったんじゃないか?的な空気が会議室に漂った…

結局パクれ現象

これが世に言う有名な超常現象「結局、スワイプパクれ現象」である。われわれの小さな脳みそを5個も6個もかけあわせてしていた議論は水の泡となり、結局、昔のスワイプをパクってそれベースに作れば良かったじゃん!という現象だ。

ウチでは結構、この超常現象が起きる。。。最終的に自分たちで考えたよりも、圧倒的に良いアイディアが出て、プロモーションも成功する確率が格段に上がるので、いいんだけど、何だか非常に遠回りしている切ない気分になる現象だ。。。

パクればいいのに何故考える?

「オリジナリティ、独創性は広告における最も危険な専門用語だ」

名前は後で明かすが昔の広告のエキスパートはこんな事を言っていた。なぜかわれわれは強い洗脳を受けている。それは

オリジナリティ、独創性が成功のカギだと…

人のものをコピーするのではなく、自分自身を出せ!と、自分のオリジナルなアイディアを追求せよ!と。それが、かっこいいのは認める。美しいのは認める。しかし、結果が出るか出ないかは別問題だ。

ダイレクトマーケティングは、芸術じゃないし、自己表現の場でもない。結果が出るか出ないか?それが至上の価値である。ダイレクト・レスポンス・マーケティングとは、直接・反応を取る・マーケティングである。

結果を出すためには、パクってもいいし(捕まったり、争いになる事は止めてw)オリジナルなアイディアを追求してもいい。でも、どっちでも同じ。どっちでも稼いだ1万円に違いはない。オリジナルなアイディアで稼いだ1万円が尊いなんて事はない。

確率論で簡単に言えば、オリジナル追求はハイリスク・ハイリターンの投資。パクるのはローリスク・ミドルリターンの投資みたいなもん。あなたがカジノに行ったらどっちに賭ける?ぼくはハイリスクな目には絶対かけないね。そりゃ、独創的な人で、超特大ホームラン出すやつはいるよ。世の中には。でもね、それ、まぐれだから(笑)

それ期待してビジネスしちゃいけないでしょ。ビジネスは確率論で着実に成功させていかないと。そして、ホームランなんか数年選手が出せるわけないよ。ぼくもダイレクト・マーケティング歴はもう10年くらいになるけど、独創性を追求したら死ぬよwあと10年か20年くらいやったら多少、ホームラン出せる確率も上がるのかもしれないけど、、、

少なくとも、自分が上手くできるようになるまでパクらないと。守破離って言うじゃない?ぼくの個人的な意見だけど、プロの道は「守」が10年はあるよ。最初っから自分を解き放ったらダメだわ。

世界で最高にクリエイティブだと言われた、広告の神様デヴィッドオグルヴィだって、こういう事は否定している。そして彼の超有名な広告は「パクり」なんだよ?広告の神様は、パクって神様になったってこと(笑)

神様でもパクるのに、なぜ?

マーケターとしてあなたにとって大切なのは、このような上手くいった広告のスワイプファイルを集めて保存しておくこと。上手くいったプロモーション、キャンペーン、商品企画などなど、そういった情報を仕入れて、いつでも引き出せる状態にしておくことだ。

忘れちゃだめだ。まぐれ期待してビジネスしちゃだめ。大切なのはいかに低い確率を上げられるか?ということ。

ーおがわ

PS:
ところで、先ほど「独創性は広告における最も危険な専門用語」と言ったのは、USPという極めて独創性の高いコンセプトを考え出したロッサーリーブスである。

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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