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イメージの気にし過ぎは禁物

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From:ダン・ケネディ

FROM:ダン・ケネディ

あなたは、イメージを気にしすぎていないでしょうか?

ダイレクトマーケティングのエキスパート、マレー・ラフェルは、長年にわたってダイレクトマーケティング誌のコラムニストを務めてきましたが、その中から選りすぐりのコラムをまとめて1冊の本を出しました。

その本の題名は、「でも、サックス・フィフス・アベニューなら、そんなことするでしょうか?」という題名ですが、この題名自体が示唆に富んでいます。

サックス・フィフス・アベニューは米国の老舗高級百貨店だからです。

是非その本を手にして、その題名の示唆するもの

  • 私たちはイメージを気にしすぎているのではないか?
  • そして、マーケットの注目や関心を意のままに操るのには、あまりに古いやり方に囚われすぎているのではないだろうか?

を考えてみて欲しいと思います。

サックス・フィフス・アベニューなら、イメージにこだわったり古いやり方を続けても、うまくいくかもしれません。そんなことができるのは、長年にわたってイメージを確立してきた、この高級百貨店ならではだからです。

でも、私たちの場合はどうでしょうか?

私の友人であるゲーリー・ハルバートは、売るのが下手な広告マンを見分ける一番の方法として、こう述べています。

イメージについてばかり話すような奴はまず駄目だと。

もしあなたが広告に多くの結果を望むなら、あるいは、多くの結果を必要としているなら、ありがちなイメージ広告をやっている余裕はないはずです。

ダメな広告の共通点

いい広告とダメな広告の違いについて考えていこうと思います。

例として、紳士服店について考えてみましょう。

タウンページ、雑誌、新聞などに掲載された紳士服店の広告を見てみましょう。何に気付くでしょうか?

ほとんど同じだということに気付かないでしょうか?これらは皆「右にならえ主義」に感染してしまっているのです。

この病気は、致命的な鈍感さをもたらします。

これらの広告のほとんどは、コピーライターが考えたというより、レイアウト・アーティストやグラフィック・デザイナーの意向を反映したものです。

しかし、あなたも知っているように、コピーこそが物を売り込むのです。

このような広告よりも、全く違うタイプの広告を研究すべきです。

例えば、紳士服店などの小売店で素晴らしい広告やマーケティングをしているビル・グレーザーの広告です。ビルは世界中で最も成功している紳士服店2店のオーナーであり、彼のマーケティング・コース(BGS Marketing)は非常に素晴らしいセミナーです。

彼の広告は多くの小売店の広告とは全く違っています。何よりも一番の違いは、彼の広告は売上に繋がるということです。

成功している起業家たちの共通点

私は、最近あることに気付きました。大繁盛している医者の多くに共通するある経歴を見つけたのです。

この共通点は、非常に興味深く、かつ、示唆に富むものです。彼らに共通する経歴を知って私は考え始めました。

私が知っている、最も優れたダイレクトメールや広告のコピーライターと最も成功している起業家の両者の間に、同じ共通点があるかどうか探したのです。

そして、同じ共通点が存在することを発見しました。何だか分かるでしょうか?

それは、セールス、販売の経験があることです。最も一般的なのは、百科事典、鍋、掃除機、保険の訪問販売です。

販売の経験を通して、人は何を言えば売れるか、どんな言い方をすれば売れるかを学びます。

彼らは、今では訪問販売のセールスマンよりずっと権威があり洗練された仕事をするようになっていますが、その時代に学んだ能力に今でも無意識に頼っているのです。

私やその他の一流のコピーライターが書いた広告について、もう一度見直してみましょう。

その多くが、会話調で書かれていることに気付くでしょう。まるで書き手が実際に話しかけているように。まるで直接顔を合わせて、レストランで食事をしながら売り込みをしているように。

これらの広告は、退屈で型にはまった堅苦しい三人称の文体ではありません。

成功する広告に見られる特徴

ビジネスに応用できる戦略をひとつお話しておきたいと思います。

成功する広告にはしばしばある特徴が見られます。それは、広告主が新規顧客を引き付けるために何かを無料プレゼントする「勇気」を持っている、という特徴です。

私は、あえて「勇気」と書きました。なぜならば、ほとんどの経営者は、お客がまた来てくれるかどうかを一か八か掛けてみるということができないのです。

しかし、無料プレゼントのオファーほど、注目を集め、興味を呼び起こし、あなたの商品やサービスを試してみようという気にさせるものはありません。

マレー・ラフェルは、「でも、サックス・フィフス・アベニューなら、そんなことするでしょうか?」でレストランの例を書いています。無料ランチをプレゼントすることでレストラン業を立ち上げる話です。

もちろん、1週間の間に数千食もの無料ランチを提供することにより、レストランに相当の経済的負担がかかります。

しかし、その無料ランチが本当に美味しくて、数百人が常連になってくれれば、新規顧客獲得の費用は他の多くの広告の方法と比べても、ずっと安上がりになるのです。

さて、このアイデアはどんなビジネスにも応用できます。ですが、残念ながら実際に試してみる人はほとんどいないでしょう。「勇気なくして栄光はない」のです。

勇気のあるスーパーマーケットの話

勇気を出してこのアイデアを使った企業について、そして、その結果がどうだったかをお話しします。

先ほどマーケティングにおいては、勇気が大切だということをお話ししました。そして、例として無料ランチをプレゼントすることでレストラン業を立ち上げた話を挙げました。

今度は、このアイデアを使ったスーパーマーケットについて話したいと思います。

新しい場所に新しい店をオープンするにあたって、牛乳を5,000リットル、バターを2,300キログラム、桃の缶詰を5,000缶、ナプキンを5,000パック、無料でプレゼントしたのです。

いったい、どうすれば、こんなに気前良くできるのでしょう?

このスーパーマーケットは、クーポンブックを5,000部印刷しました。クーポンブックには、それぞれ、クーポンが4枚入っています。

      1枚は、第1週に使える牛乳1リットルの無料プレゼント・クーポン。
    1枚は、第2週に使えるバターの無料プレゼント・クーポン

といった具合です。

クーポンを利用するのに、何かを買い物する必要はありません。何の義務もないのです。

これは、勇気です。

彼らは、店の近所に住む5,000世帯を選んで、このクーポンブックを郵送しました。

スーパーマーケットが示した勇気の結果

その結果はどうだったでしょうか?

第1週には、3,000枚以上のクーポンが利用され、第4週までには、ほぼ4,000枚にのぼりました。来店した人のほとんどが、来店の際、食料品をそのスーパーで購入しました。

第5週には、クーポンも無く、新聞広告も、ラジオCMも、テレビCMも、看板広告も何もありませんでしたが、4,000人を越える人が、そのスーパーマーケットで買い物をしました。

その週だけで、合計5,000万円以上の買い物をしたのです。

このことから言いたいは、4つの簡単なアイデアに従うことこそ、ビジネスの宣伝に最善の方法であるということです。

この4つのアイデアについては、次回お話しようと思います。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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