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行列ができるソフトクリームとコケたパソコン

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From:藤岡将貴

時計は19時を少しすぎたところ。いつもの四ツ橋のスターバックスで仕事を終えて、自宅へと帰る道の途中。このあたりは、堀江と呼ばれる地域で、大阪市の中ではおしゃれなお店や飲食店が立ち並んでいて、結構人気のエリア。その中にここ最近、いつも若い女性が並んでいる人気のお店が2つあるんです。

1つはソフトクリームのお店(おそらく)。というのも、店内に入ったことはないので正しくはわからないんですが、いつも、ソフトクリームを手にして、店頭でお店をバックにして写真を撮っている若い女性が何人もいるからなんです。その手に持っているソフトクリームには、いろいろデコレーションしてあって、いわゆる「インスタ映え」するソフトクリーム(だと思う)。

そのソフトクリーム店の斜め前にあるのが、最近できたばかりのタピオカドリンクのお店。聞くところによると、どうも最近オシャレなタピオカドリンクのお店が増えてきていて、若い女性の間で流行っているとのこと(タピオカドリンクを飲むことを「タピる」、タピオカドリンクをこよなく愛する人たちを「タピラー」と呼ぶらしい)。この2つのお店はどちらも結構こじんまりとしていて、決して大きくも派手でもないんですが、口コミで広まったのか、人気でいつもたくさんのお客さんが並んでいるんですね。

ソフトクリームとタピオカドリンク。そのどちらも、「かわいい」「おしゃれ」てことで、特に若い女性の間で人気なんだと思います。でも、一方で、同じように「かわいい」「おしゃれ」で若い女性向けに作った商品で、失敗した商品もあるそうです。


出典:日経ビジネス2018年12月3日号

それが、こちらのノートパソコン。写真を見てもらえるとわかるように、可愛らしいピンクを使った色使いのこのパソコンは、富士通の「Floral Kiss(フローラルキス)」という女性向けパソコンのシリーズです。この写真ではわかりにくいんですが、日経ビジネス2018年12月3日号によると、”ディスプレー開口部をゴールドのラインで囲み、電源ボタンをパール調に、LEDランプにはダイヤモンドカットストーンを配すデザイン。宝飾ブランドとのコラボレーションでパソコンケースも作り、シリーズロゴを用意するほどの力の入れようだった。”とのこと。

ですが、その凝ったデザインとは裏腹に売上の方はいまいちだったらしく、同記事によると、”デザインそのものは確かに注目を浴びたものの、販売台数は伸び悩み、15年11月を最後に新モデルが登場していない。”ということなんですね。

「かわいい」でヒットしたもの、売れなかったもの。その違いは…

なぜ、同じ「かわいい」「おしゃれ」でも、片方のソフトクリームやタピオカドリンクはヒットして、もう片方のパソコンは売れなかったのでしょうか?その理由は単純で、「ターゲットとなる働く女性にかわいいパソコンの需要がなかったから」なんですね。

同記事によると、”ターゲットとした働く女性は、ことパソコンに関しては、かわいさよりも、軽さや小ささ、価格といった実用性を条件に商品を選ぶ傾向が強い”とのこと。別の女性向けのアンケートでは、”22~38歳の都内で働く女性に仕事を通して得たいものを聞いたところ「熱狂できるやりがい」が39.3%で最も多かった”なんて結果もありました。男性が多くいるビジネスの中でも生き生きと働く姿を理想としているのかもしれません。

この2つの話からすると、おそらく、この層がパソコンを使うシーンで得たい感情は「かわいい」ではなく、どちらかというと「クール」なんじゃないかと思うんですね。(このあたりは実際に女性に聞いてみないと正しくはないかもしれませんが…。でも、実際、僕がよく行くスターバックスでも、AppleのMacBookAirを使っている女性がたくさんいます。Windowを使っている人よりも確実に多いです。)

いずれにしても、可愛らしさは求めていない、逆効果だった、というわけです。実際、”『デザインがあまりにかわいすぎて職場に持って行くのが少し恥ずかしい』という声も多かった”というコメントも同記事にはありました。

どうしたら、こんな失敗を防げるのか?

月並みな答えになってしまいますが、やはりリサーチということになるんですね。同じ若い女性でも、ソフトクリームとパソコンに求めるものは違うんですね。なんでも「可愛ければいい」というわけじゃない、というわけです。

商品が売れるのは、お客さんが求めているベネフィットと、商品が提供できるベネフィット。この2つがバチッと合ったときです。この組み合わせを見つけてセールスコピーで伝えることができれば、売ることができます。その組み合わせを見つけるために必要なのがリサーチです。

大事なのは「組み合わせ」ということです。なので、あなたが同じ商品を売っていたとしても、今までとは別のお客さんに売る場合にはリサーチが必要です。同じ商品でも相手が変われば、欲しいもの、求めているもの、いわゆるベネフィットが変わってくるからです。

同じ「美白になれる化粧品」でも、20代の女性が求めているのは「透明感」かもしれませんが、40代の方は「ハリやツヤ」かもしれません。60代の方は「シミやシワを隠すこと」かもしれません。それに合わせて、セールスコピーやデザインを変えることがおそらく効果的になってくるでしょう。

「そりゃそうだろ」と当たり前に思うかもしれません。でも、先ほどのパソコンを作ったのは、きっとあなたも知っている大手の有名なメーカー。そんな大手の会社のマーケッターでも、こんな間違いをしてしまうわけです。あなたも同じ間違いをしてしまっていてもおかしくありません。あなたは大丈夫でしょうか?

-藤岡将貴

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藤岡 将貴

大学卒業後12年間、システム・エンジニアとして自社開発プログラムの企画・開発に従事。その中で、いかにして商品を売るかを模索してきた中で、セールスライティングの技術にその可能性を感じ、【ザ・レスポンス】の「12週間セールスライティング通信講座」でセールスライティングを学び始める。その後、2013年に第1期メンバーとして参加した「セールスライター養成講座アプレンティス」をキッカケに、翌2014年にダイレクト出版に入社。寺本隆裕の監訳本のPPC広告担当を経て、現在は、ダイレクトメールの企画・作成を主に、プロモーションの企画とセールスライティングを担当。

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