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社長はどこにお金を使うべき?/ダン・ケネディ・インタビュー (1)

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From:ダン・ケネディ

この記事は、ダン・ケネディがガシーレンカー社CEOのグレッグ・レンカーにインタビューしたものです。ガシーレンカー社はダン・ケネディのクライアントでもあり、年商700億円を売上げる有名なダイレクトレスポンスの企業です。日本ではニキビケア用品の「プロアクティブ」を展開しています。
Dan:

こんにちは。ダン・ケネディです。今、グレッグ・レンカーと電話がつながっています。グレッグは、巨大企業ガシーレンカー社の共同経営者であり、CEOです。浮き沈みの激しいインフォマーシャル(TVショッピングのようなもの)業界において、常に生き残り続ける企業のひとつです。ガシーレンカー社について、そして同社と私の関係については、多くの方が良くご存知でしょう。しかし、話を始める前に、グレッグ、御社のスタートから現在の状況までを簡単にみなさんにご説明いただけますか?

Greg:

そうですね、現在当社は、年商が700億円を超えるダイレクト・レスポンス・カンパニーです。元々は、ダン、あなたが事業を始められた当初のオーディオ・カセット製造コピー業から始まりました。私のパートナーであるビル・ガシーとあなたは共同で事業を始め、利益も共にしていました。 当初我々は、1987年にナポレオン・ヒルの『ThinkAndGrowRich(思考は現実化する)』の権利を手に入れました。ビルは、これをインフォマーシャルの形態でやろうと言いました。そこで、この本のオーディオ・カセット・プログラムを作成しました。その頃、当初最も成功していたインフォマーシャルは、お金儲けの機会を売り込むものでした。特に、頭金なしの不動産です。

そこでビルと私は、前もって入念に準備、リサーチを行いました。それから、インフォマーシャルの世界に頭から飛び込みました。ダンにも貢献していただいた、我々の最初の作品『ThinkAndGrowRich』は成功しました。大成功というほどではありませんでしたが、本当に多くのことを学びました。そしてこの状況に力づけられ、もう一度やることにしました。当時インフォマーシャルの続編をやるなんて珍しかったのですが、『ThinkAndGrowRichⅡ』を制作したのです。そのインフォマーシャルでは、当時それほど多くの人が聞いたことのない、アンソニー・ロビンスという名前のモチベーターを起用しました。それがどうでしょう!彼はスクリーンに収まっていただけでなく、開発の現場にも参加してきました。それが、インフォマーシャルについて、アンソニーとじっくり話し合い、商品開発を行うきっかけとなりました。こうして、アンソニーと一緒に、1990年頃『PersonalPower』を制作しました。そしてこれは、彼にとっても我が社にとっても大成功となりました。

さて、残りは沿革についてですね。毎年、我が社は売り上げを伸ばしています。またその過程で多くのことを学んでいます。特に、長期的にお客様を満足させ続けることの大切さについてです。そして現在、我が社の傘下ではいろいろな種類の商品を販売しています。主に、消耗品、食品、話題の商品などです。もちろん、知的財産製品もまだ販売していますし、実際、多種多様な組み合わせを行っています。しかしその過程で、投資に対してどのくらい儲かるかについて、多くを学びました。そして現在は、次に何をやりたいかということと、どうやればお客様のためだけでなく、わが社のためにもなるのかということに重点をおいています。

特定のプロジェクトが投資に値するかどうかを判断する方法

Dan:

そのことを念頭において、ガシーレンカー社は、特定のプロジェクトが投資に値するかどうか、どうやって決定するのですか?

Greg:

そうですね、まず、現在はかなり条件を絞り込んでいます。条件にこだわることに関して、大変厳しくするようにしています。諸経費がありますから、つまり、多くの従業員を抱えていますから、我々にとって条件の重要性は計り知れません。ですから、何度も利益が発生する商品、つまりお客様が、その品物が切れたらまた買ってくれるようなものを生み出さなければなりません。

しかし、TVで放送される我が社の最初の商品が、いわゆる1回限りのものではないということではありません。とはいえ、1回限りだとしても、何度も利益が発生する要素を持っていなくてはなりません。コールセンターに電話をかけさせるとか、アップセルとか、あるいは実際の商品の中にオファーがあるなどです。メディア自体のコストは非常に高くなってしまったので、1回限りのもので実際に成功するのはとても難しいのです。しかし、一般に、特に低い予算で始める起業家たちは依然としてやっていますが…。

ですから、条件として、繰り返し発生する利益が測定可能でなければならないことが挙げられます。ダイレクトレスポンスにおいて、特に、できることならダイレクトレスポンステレビジョンで、とても明確で実績のある種類の利益を測定できなければなりません。言うまでもなく適正な利ザヤがあること。例えば、30パーセントまたはそれ以下の商品原価であることなども挙げられます。他にもまだたくさんあります。しかし、この数年の間に、今まで学んできた以上に大切なことを学びました。それは、最高の商品を売り出せば、お客様は知り合いに宣伝してくれて、その人たちがもっと買ってくれるでしょう。そうなると、あなたの手には負えないほどの成功の波及効果が発生します。しかし、もし優れているという程度の商品以下のものを売り出すなら、報われることはないでしょう。場合によっては、予想以上に不利益を被ることになるかも知れません。

ですから、すばらしい商品には巨大な見返りがあり、それ以下のものには大きなリスクがあるのです。

自分のアイディアの成功、失敗を、事前に見極める方法

Dan:

面白いことをおっしゃいましたね。これは重要ですよ。正確には同じ表現ではありませんが、あなたの基準の中のひとつが、唯一必要なものだということですね。そして、ダイレクトレスポンスに働きかける種類だけで、何度も何度も戦っていきたいと。しかし、なぜ先駆けして開拓を進めないのですか?

Greg:

そうですね、例をあげると、以前は我が社もよく開発の先導となっていました。そしてこう言ったものです。「今は開拓しても大丈夫だ」と。しかし、我が社にとって、開拓することは決して大丈夫ではなかったのです。我が社が最終決定をする前に、ダン、あなたにゴーサインを出してくださいとお願いし続ける理由のひとつは、あなたは私を手伝ってくださる大事な人であると考えるからです。特に、先陣を切るのを避けるために私のチームと一緒になって。

最近あなたが、女性の薄毛についてアドバイスしてくださったのが良い例ですね。マーケット・リサーチの結果、これは大きな市場であり、成長しており、需要も高いので、何かできると思いました。しかも、特許のある、すばらしい商品も揃えることができました。しかし、ダン、あなたはこうおっしゃいました。「ねえ君たち、この商品が上手く売れているという、ダイレクトレスポンスでの実績を見せてくれないか」と。それで私たちはリサーチし、チラシを見て、ダイレクトメールを調べ、ラジオ、テレビも調査しましたが何も見つけられません。

ところが、社内には、「ダイレクトレスポンスがなくっても、いいじゃないか。巨大な市場だし、需要だってあるんだ。リサーチの結果から考えると、何かやるべき市場なんだよ」と言う者もいます。ですが、ダイレクトレスポンスの実績よりも、自分たちの方が賢いのだと信じようとして過去にひどい目にあった経験から、簡単には行動を起こさないことにしました。もし、その分野でわずか1つか2つでも上手くいくというダイレクトレスポンスの実績が見つけられるならば、我々も参入し、我が社の商品・キャンペーンで他社よりも上手くやろうとするでしょう。我々ならば上手くやれると、あなたも安心できるでしょう。ただ、先陣を切りたくはないのです。

Dan:

私がそのように導いたのです。というのも、上手くやるためには、商品やメディア、またはその他の面に関して、何か新しい革新的なことをやらなければならないという考えがありますが、これは多くの人が経験する誤解のひとつです。特に商売を始めるときに多いですね。実はこれは、他の人より少しだけ勝っているという状態の人が何かをするときに役に立つものなのです。

次回「商品の人気を保ち続ける方法」へ続く…

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ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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