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なぜ急に売れなくなった?

2013.3.25 | ,
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From:小川忠洋

From:小川忠洋

赤坂のスタバより、、、

「なぜ急に売れなくなったんでしょうか?」

先週の月曜日の事。あるチームの定例ミーティングでメンバーからこんな質問を受けた。曰く、その商品は先週までは、ほとんど何もしないでも売れていた。フェイスブックに広告を出していたんだが、3万円前後の商品でも、初回購入で広告費をペイするどころか、だいぶ利益が残る感じだったと。。。

ところが、今週からパフォーマンスが急に低下して全く売れなくなったと。。。なぜだろう?不思議に思うのも無理はない。あなただったら何と答えるだろうか?考えて見て欲しい…

参考までに言うと、その商品は、先ほども言ったように価格帯は3万円前後。そしてそのカテゴリーの商品は今までそのチームでは扱った事がない。全くの新ジャンルの商品というわけだ。そしてフェイスブックで売ってるので、完全なる外部の新規の見込み客が買ってくれているわけである。(ちなみに内容はあなたがコーフンするようなものではないwなのでどれだけフェイスブックを探しても一生この広告を見つけることはできないだろう…)

バツグンに良かった広告がなぜ…?

既存客、ハウスリストに売ってるわけじゃなく、全くの新規で3万円前後の商品を売っていたと。。。んで、その広告のパフォーマンスがバツグンに良かったと。(ちなみにダイレクトレスポンスマーケティングを熱心に勉強しているあなたなら、新規客に初回で3万円のものを売って利益が残っている…とうい状態がどれだけ奇跡的な状況かはよく分かるだろう-逆にそんなの普通じゃね?と思っているなら、あなたは大きな売上を伸ばす機会を取りこぼしている事になる-この辺もっとくわしく学びたいならビジネススクールでも来てくれ)

さて、とにかくそんな状況下で、広告文を一切変えてない状態で、、、「なぜ急に売れなくなったのだろうか・・・?」

・・・答えは分からない。

広告文、例えばヘッドラインやら何やらを変えていたなら理由は簡単に特定できる。しかし、何も変えていないのなら、特定はむずかしい。あらゆる事を考慮しなければいけない。。。

マーケッターの幻想

この商品が売れなくなった原因は、正直、あなたにとってはどうでもいい話だ。ーこのチームにとってはどうでも良くないがーしかしあなたも気をつけて欲しいのが、これはマーケッターのある幻想から来ているという事である…

つまり、売れてる商品はずっと売れ続ける…という根拠のない思い込みだ。今日も売れて、明日も売れて来月も売れて、再来月も売れて、、、というのを繰り返しみていると、「あ、売れるセールスレターを作ったから、この商品はずっと売れ続けるな。オレは一生安泰だわ」なんて思ってしまう…

いやいやいやいや、、、ないない。1つの商品が1つの広告でずっと売れ続けるなんてない。実際はその逆で、どんなに売れている商品でも、いずれ売れなくなる日がやってく
る…

マーケッターとしてはそれに備えなければいけない。

そしてそのサイクルは、業界、業種、商品のジャンルなどによるが、基本的にはどの業界でも早くなっている。Webで商売していたら、その速さは驚くほどである。

「あなたは英語でこんな間違いしてませんか?」

 この有名な広告は40年間売れ続けた伝説の広告だ。しかし、これははっきり言って例外だし、現在では40年なんか絶対持たない。最近でもあるカード会社のDMは14年間ずっと売れ続けたものがあるが、言ってみればこれらは「奇跡」の部類。ビジネスを構築するのに、奇跡を頼りにしててはいけない。そして、自分が奇跡を起こせるなんて勘違いをしてはいけない。奇跡を狙ってもいいが、奇跡に依存してはいけない。現実を直視して、ビジネスを作らなければいけない…平凡な結果をいかに非凡にするか?を考えなければいけない…

人間はどうしても安定志向である。「安定」する事を心から渇望していて「リスク」を怖がる。当たり前の話だが当たり前に行動はできていない。

この件のように1つの広告が当たったら、それがずっと続くものだと思ってしまう。そして、その成功が、極めて繊細な条件の元に成り立っている偶然だという事を忘れてしまう。そして、次の成功を求めていってしまう。

「これはもう売れるから、次の売れる商品を…」みたいな感じで。しかし考えて見て欲しい。もしあなたが石油王になろうとして、油田を探しているとする。ほとんどの試みは失敗するだろうが、ある日、油田らしきものを発見した。そこを掘ったらチョロチョロと石油が出てきた。

「ヨッシャー!ついにオレの努力が報われたぞぉーー!さて、ここはもういいから次の油田を掘りに行こう…」

なんて事するだろうか?ある広告がヒットしたといのは貴重な成功の種なのである。チョロチョロと石油が出だしているのだる。その時、あなたがやらなければいけないのは、その「貴重な成功の種を大きく育てること」である。チョロチョロ出だした油田からどれくらいの石油が出るのか?これは未知数だ。もしかしたら巨大油田かもしれないし、もしかしたら、ちょっとしか入ってないかもしれない。巨大油田なら採掘機をたくさん用意しないといけないかもしれない。

その広告が貴重な成功の兆しを見せたら、徹底的にそれを育てなければいけない。まるでたき火の「火」を起こすような作業である。木が赤く燃え出したら、フーフーと息を吹きかけて一気にそれを燃え上がらせる。

ある広告、キャンペーンが成功する理由は、ただヘッドラインがいいから、セールスレターがいいから、(もちろん最も重要だが)だけではない。あらゆる要素が、マルチ・ファクターとして関わりあっている。それが何なのか?突き止めて再現しなければいけない。

売れる広告は貴重だ。

その他の仕事に時間をかけるには、あまりにも貴重すぎる。それ以外の仕事、全てを投げ出しても、売れる広告を「大きく育てる」「展開する」事をやらなければいけない。

***

「なぜ売れなくなったんでしょうか?」冒頭の会議で、この質問には何も答えなかった。分かるはずがない。それに彼はそれなりに優秀なので、自分で調べれば分かる事だ。

問題は広告のパフォーマンスではなく、問題は広告のパフォーマンスに対する「姿勢」である。

なぜ売れなくなったのか?ではなく、なぜ売れなくなるまで放置したのか?である

小川忠洋

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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