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”盗み”は犯罪か?

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From:小川忠洋

From:小川忠洋
 

大阪のオフィスから、、、

『人のモノを盗んじゃいけません』子供のころから、我々は親や先生にこう言われてきた。僕はおばあちゃんっ子だったので、よくこう言われてた。『忠洋。人様のモノを盗むんじゃないよ。』

もちろん、他人の所有物を盗むのは悪い事だ。そんな事をすれば、捕まって牢屋に入れられる。どんな社会に行っても、他人のモノを盗むのは犯罪だし、それには社会的制裁が待っている。そうして、社会は成り立っている。

しかし、ことマーケティングにおいてこれは真実ではない。

誤解を恐れずに言えば、”盗む”ことが成功の秘訣である。上手くいったキャンペーン、マーケティング企画、セールスコピー、オファー、売り方などを上手く、合法的に”盗む”のがビジネスで成功する最も手っ取り早い道だ。

マーケターの中には”クリエイティビティ”を重視する人もいる。今までになかった全く新しいものを生み出す事にこそ価値がある・・・そう考える人種だ。しかし、これは2つの点から大間違いである。

やってはいけない2つの理由

1つは、この方法での成功率は極めて低い事。しかし、成功するとメディアなどでたくさん紹介される。それが、”全く新しいアイディア”じゃないと成功できない・・・と多くの人に誤解をもたらす。

メディアにたくさん露出するというのは、”珍しい”から露出するのである。もし、その成功が普通の事だったら、新聞もテレビも相手にしない。”殺人事件”は珍しいから報道される。”ガン”や”脳卒中”で死ぬ人の方がよっぽど多いけど、珍しくないから誰も報道しない。

もう一つは本当にゼロから何かを生み出すなんて事は不可能である事。どんなアイディアも、昔の古いアイディアの焼き直しだったり、全く関係のないもの同士を結びつけたりして生み出されたものだ。ダンケネディのビジネス戦略から引用すると、、、

『ウォルトディズニーは全くのゼロからディズニーランドを築いたのではない。すでに利益が上がる事が実証されたテーマパークを基本に、自分の嫌いなものを取り除き、もっと良くなると思えるものを足して、古い物を再編成した上で新しいアイディアをさらにプラスしたのだ』

要約すると、ディズニーランドも全く新しいアイディアではないという事。

マーケターの仕事とは?

我々はマーケターとして、新しいアイディアで遊ぶ、、なんて優雅な事は許されない。我々マーケターがすべき事は、できるだけ素早く、できるだけ多くの商品を売る事だ。そのためには、ゼロからアイディアを育てている暇はない。

盗むのだ。 成功したアイディアを合法的に盗む。合法的にとは、アイディアのコンセプトを盗む、セールスレターにある話の構造を盗む、展開を盗む。そして、自分とは直接、競合しない相手から盗む。他業種から盗む。

僕らがセールコピーを書く時は”スワイプ・ファイル”と呼ばれる過去にヒットした広告、セールスレターを集めておく。そして、そのスワイプファイルの中から、今回、自分の商品の広告に使えそうな、ヘッドライン、オープニング、アイディア、テーマ、展開、ストーリーのパターンなどを探し出す。

たとえば、、、

私がピアノに座った時、誰もが笑った。しかし、弾き始めると・・・

 このヘッドラインはピアノの通信講座を売る広告で、ジョン・ケイプルズという最高のコピーライターが書いたものだ。そして、ご存知のようにこのヘッドラインは、盗まれまくっている。例えば、、、

  • 私がネットで蟹を売ると言った時、誰もが笑った。
    しかし、商品が届くと・・・
  • 私がコピーライターとして独立すると言った時、誰もが笑った。
    しかし、売上が入り始めると・・・
  • 私がクライアントの前に立つと、誰もが焦った。
    しかし、プレゼンが始まると・・・

他にも、こんなストーリーを知ってるだろうか?

今から25年前の話です。美しい春の夕暮れ時、二人の若者が同じ大学を卒業しました。彼らはとても良く似ていました。二人とも平均的な学生より成績がよく、性格も穏やかで、将来に向け夢を持っていました。

*****

最近、この二人は25回目の同窓会で再会しました。

25年後の今も彼らはとても良く似ていました。二人とも結婚していて、二人とも子供が三人いました。そして、偶然にも二人とも同じメーカーに就職して、今でもそこで働いていたのです。

ただ一つ。違いがありました。一人はその会社の小さな部署の管理職。もう一人は、その会社の社長でした。

何が違ったのでしょうか?

******

あなたがダイレクト・レスポンス・マーケティングを勉強していれば、この話は聞いた事があるだろう。有名なウォールストリートジャーナルのセールスレターで、この話の落ちは、「違いはウォールストリートジャーナル」という落ちである。

このストーリーのパターンも同じように盗む事ができる。このセールスレターは、史上最も売り上げを上げたセールスレターと言われている。何故、新しいアイディアでその記録を破る必要があるだろうか?

あなたは、このストーリーを盗んで使って、自分の商品を売ればいい。マーケターとしての最大の仕事は、素早く、できるだけ多くの商品を売る事だ。新しい”作品”を作ることではない。そんな事は引退した芸術家にでも任せておけばいい。

”盗み”は悪い事か?

誤解を恐れずに言えば、マーケターとして、合法的に”盗まない”で、仕事を遅々として進ませない方が悪い事ではないか?

PS:ちなみにこれも合法的に盗んだアイデアだ。http://www.theresponsecopy.jp/allinone/

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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