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ビジネスで成功する権利

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From:ダン・ケネディ

From:ダン・ケネディ

あなたはどっちでしょう?

「自分は___する権利がある」と思うのか、欲しいものは自分で手に入れるのか?

私は、「自分は___する権利がある」ということと、「手に入れたいものは自分で手に入れる」ということについて、特別の信条をもっています。

そのために私は常に、自立すること、困難な状況でも独創的に効果的に行動すること、自分で責任を負うことを重視していて、その結果、完璧ではありませんが並外れたコントロール力が身に付きました。

先日私は、イタリア人の多く住む地域にいました。クリーブランドの私の家の近所はもともと、イタリア移民が多く住んでいた地域で、移民二世の家族だけでなく、いまだに多くの一世が住んでいます。

それと、アメリカの他の地域に住んでいる他の人種の人達も少人数ですが住んでいます。

私はロウズとウォルグリーンの中を歩いていたのですが、イタリア語で書かれた表示は1つもありませんでした。今は、アメリカの多くの地域のロウズとウォルグリーンの店内の表示はメキシコ移民のためにスペイン語で書かれているのです。

この2社のチェーンストアからすれば、これは明らかに賢いマーケティングです。実際、私も、ヒスパニック系を対象にしたダイレクトマーケティングの広告や郵便、ウェブサイト等について似たような戦略をよく提案してきました。今後もそうしていくつもりです。あなたも、経営するビジネスでこれが使えるところがないか考えてみたらいいと思います。

でも、もっと広い観点から見れば、こういう状況は私を悩ませています。これは、アメリカという国が、個人の責任を求めるのではなく、人に迎合していることを示す、もう1つの兆候だからです。

「ここに住みたい?ここで働きたい?ここで学校に通いたい?ここでお金を稼ぎたい?なら、言葉を覚えなさい」と言うのは理にかなっていると思いませんか。

私の友人であり講師仲間でナショナル・スピーカー協会の会長を務めていたニド・クベインは、(合法に)移民してきた時、英語を一言も話せませんでした。ニドは大学に通い、一生懸命勉強して卒業し、全米トップのプロ講師になりました。現在はベイカリーのフランチャイズチェーンのグレート・ハーベスト・ブレッド社の会長とノースカロライナ州のハイ・ポイント大学の学部長を務めています。ニドは必要な言葉を学んだのです。

上に書いたことを、「これができていれば起業家として賢いのに」と私を最も落胆させる起業家の言動の比喩だと考えてみて下さい。私が言っているのは、新しい市場やこれまでと違う市場に参入し、特定の消費者グループに向けてセールスし、既にその市場で確固たる地位を築いているライバルに勝とうとしているのに、「面倒くさい」と言って「必要な言葉を学ぶ」こともしていない―そういう起業家のことです。

準備もしない、リサーチもしない、知ろうともしない。苦労しないで成功しようとしている起業家のことです。そんな人は、成功するに値しないし、そういう人にはビジネスで成功して欲しくありません。はっきり言って私はそういう成功の仕方が嫌いです。

例を挙げましょう。数週間前、私は、ある特定の分野と市場でニュースレターを発行しインフォビジネスを始めたいという若い男性と話をしていました。彼は個人的にその市場に興味があるとのことでした。(今のところ)その市場に参入したい理由として彼は、「ただ、そうしたいから」と言いました。それを聞いた私は、3分間で3つの質問をして彼を困らせました。

彼は、業界についてのリサーチもやっていませんでした。その分野でトップのニュースレターの定期購読を申し込んで、メーリングリストに名前を載せてもらうこともやっていませんでした。業界で大きな影響力をもつ5人の名前すら知りませんでした。

それでも彼は、成功するつもりなのです。いえ、自分は成功する権利がある、単に成功できると思っているようにすらみえます。

「自分は___する権利がある」と考える理由はいろいろあります。「自分が手に入れたいものを他の誰かが既に手に入れているから」、「たまたまある地域や国にいるから」「『ラッキーな精子クラブ』から生まれたから」、「差別されているから」などです。「自分は___する権利がある」という考えは、基本的にアメリカ人であることを否定しています(憲法を読み直して下さい)。それは常に、究極的に自己否定あり、他では見られない一種の自己破壊です。それに、成功する人、特に成功する起業家は、絶対にこういう信条をもっていないし、こういう言動もしません。

アメリカには今、こういう「自分は___する権利がある」という考え方に迎合している政治家が大勢います。誰でも大学に行く権利がある、誰でも医療制度を利用する権利がある、誰でも強制的雇用確保を受ける権利がある、それになんてことでしょう、誰でも幼稚園入園前の教育を受ける権利がある、などなど。

こういうことを全て享受したいなら、フランスに引っ越して、収入の80%の税金を払って、暴動を見ていなさい。そのうち社会全体があなたの周りで崩壊しますから。

うまくいかない、うまくいかせることができない、持続できない

この国では、あなたもあなたの家族もつつましく暮らす権利があるし、あなたには大学の学費を払うために働く権利もあります。それに、投資をしなくても犠牲を払わなくても皆に与えられるなら、意味がなくなるし、アメリカという会社は、今いるよりも更にひどい、頭の悪い人や情緒面で大人になれない人達しか雇えなくなります。

私は、信条としても、実際の行動についても、ありとあらゆる形の「自分は____する権利がある」という考えに反対します。私は、自分の手に入れたいことを決めて、決めたらそれを手に入れるために、自己を律し、きちんと計画を立て、イマジネーションを使い、辛抱強く努力を続けること、つまり「欲しいものは自分で手に入れる」という考えに賛成です。

最終的にお金は、それにみあった価値と交換するという形でのみ動くのです。個人やグループがこれ以外の方法でいくらお金を動かそうとしても惨めに失敗するだけです。

自分の方にやってくるお金の額に満足していない人は、「政府ならロビンフッドみたいに金持ちから盗んでくれるだろう」、「CEOの報酬率を規制して管理人に払ってくれるだろう」などという馬鹿げたコミュニスト的な計画を実施してくれるだろうと政府をあてにしたいでしょうけど、それではだめです。

そうではなくて、自分で市場に届ける価値を自分で増やすにはどうしたらいいか、しっかり調べるべきなのです。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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