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ウォルト・ディズニーが信じるカスタマー・サービス・ディプロマシーとは?

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From:ダン・ケネディ

From:ダン・ケネディ

これまで、「カスタマー・サービス・ディプロマシー(顧客サービス外交)」の重要性を理解することにより、ビジネス構築の戦いに勝利できること、そして、それが口コミ広告にどのような効果をもたらすかについて指摘してきました。

カスタマー・サービス・ディプロマシーを良く理解し、それを重視している企業にディズニー社があります。ウォルト・ディズニーがディズニー・ランドを作った当初から大切にしてきたポリシーが、ディズニー社の繁栄の鍵です。

ディズニー・ポリシー

ディズニー・パーク、ディズニー・ランド、ディズニー・ワールドは、リピーターや口コミ広告によって、大きな利益を得ています。

これは、同社のカスタマー・サービス・ディプロマシーに関わる全員が、素晴らしい仕事をしているためです。

ウォルト・ディズニーは「顧客」という言葉を、決して使いませんでした。

ウォルトがディズニー・ランドを始めて以来今日にいたるまで続いているディズニー・ポリシーにおいては、ディズニー・ランドやディズニー・パーク、ディズニー・ワールドを訪れる人は「ゲスト」であって、単なる顧客ではありません。

「ゲスト」という言葉を、大文字の「G」ではなく、小文字の「g」を使って書いた従業員を、ウォルトが厳しく叱責したことが伝えられています。

ウォルトが信じるカスタマー・サービス・ディプロマシーは、とても簡単なことだったのです。

それは、一人一人を大文字の「G」で始まる「ゲスト」としてもてなすことでした。
すなわち、ゲストたちに最高のもてなしを提供するということです。

顧客を最優先にするということ

ディズニー・ランドでは、一人一人を非常に大切な「ゲスト」としてもてなしています。
このことを別の角度から見てみれば、それは、常に顧客を最優先するということです。

顧客対応の従業員は皆、顧客に対する応対が本来の業務ですが、それ以外にもやらなければならない仕事があります。

例えば、
受付は、書類のタイプや、それをファイルに綴じる仕事もしなければなりません。
店員は、商品の品出しもしなければなりません。
セールスマンは、報告書も書かなければなりません。

大抵の場合、他の仕事をしている時に顧客の応対をしなければならなくなったら、仕事を邪魔されたと感じてしまいがちです。少なくとも、時には、そのようなことがあるでしょう。

しかし、これは、非常に危険です。

表の上から下まで数字を足している最中に電話が鳴ったら、あなたならどうしますか?大量のファイルを片付けている最中に、約束より15分早く顧客が現れたら、あなたならどうしますか?

どんなに懸命に隠そうとしても、心の中でどう感じたかは、相手に悟られてしまうものです。上辺だけの笑顔を作っても、心の中の不平不満を隠すことはできません。

相手が本当はどう思っているかが、あなたに分かるように、
相手も、あなたが本当はどう思っているかを、感づいてしまうのです。

このメールを始めとし、今日存在する多くのビジネス思想やビジネス書において、職務における優先順位を見直すことが、主要なメッセージになっているのはこのためです。

それによってカスタマー・ディプロマシー(顧客外交)が最重要であることを確認するのです。

ディズニーでの興味深い例とは?

このことについて、ディズニーが興味深い例を示してくれています。

ディズニー・ランドなどを訪れると、制服を着たガイドが大勢あちこちに立っているのに気が付くでしょう。
彼らは、質問に答えたり、情報を提供したり、道を教えたりするためにそこにいるのです。

ところが、ディズニーの経営陣が観察したところ、ガイドにではなく、歩道を掃除したり、ゴミ箱を空にしたり、植栽や庭の手入れをしているメンテナンス係に質問するゲストがたくさんいたのです。

なぜそうなのか、はっきりと分かる人は誰もいません。しかし、彼らはこれが良くあることだと気付いたのです。

ディズニーの経営陣が取った対応はどんなものだったと思いますか?

メンテナンス係全員に、ガイドと同じトレーニングを受けさせたのです。
さらに、メンテナンス係に、彼らの最優先、最重要の仕事が、ゲストをお手伝いすることだと教えたのです。施設の保守管理は、2番目の仕事になったのです。

カスタマー・ディプロマシーを最優先するこのやり方を、あなたは自分の会社に導入することができます。そうしたいと思いませんか?

新しい工夫やその他の方法で、模範を示すのです。

次回は、なぜあなたが率先してカスタマー・ディプロマシーを実践しなければならないのか、その理由についてお話します。

次回のメールをお楽しみに。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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